「認知症の人に言ってはいけない言葉」はご存知ですか?【医師解説】

「認知症の人に言ってはいけない言葉」はご存知ですか?【医師解説】

認知症の人に言ってはいけない言葉とは?Medical DOC監修医が解説します。

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※この記事はMedical DOCにて『「認知症の人に言ってはいけない言葉」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
前田 佳宏(医師)

島根大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院、国立精神神経医療研究センター、都内クリニックにて薬物依存症、トラウマ、児童精神科の専門外来を経験。現在は和クリニック院長。愛着障害やトラウマケアを専門に講座や情報発信に努める。診療科目は精神神経科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経内科。 精神保健指定医、認定産業医の資格を有する。

「認知症」とは?

認知症は、いったんは正常に発達した認知機能が徐々に低下し、社会生活に支障をきたすようになった状態を指します。
日本でも高齢化の進展によって、認知症の人も増加しています。
そのため、認知症の人への接し方は、家族や介護者にとって重要な課題となっています。
しかし、無意識のうちにかける一言が、相手を傷つけたり不安を増幅させたりすることもあります。
この記事では、認知症の人に「言ってはいけない言葉」、やってはいけないこと、そしてやるべき対応について、医師の視点から詳しく解説します。

認知症の人に言ってはいけない言葉

ここでは、認知症の人に言ってはいけない言葉の例を挙げていきます。

「なんで覚えていないの?」

認知症の人は記憶力が低下しており、何度も同じことを聞くことがあります。このような言葉は相手に自責の念を抱かせ、精神的な負担となります。

「また間違えたの?」

間違いを指摘することで自信を失わせ、症状が悪化する可能性があります。間違いを責めるのではなく、優しく訂正したり、流したりする姿勢が求められます。

「もう何回も言ったでしょ!」

何度も同じ質問をされると苛立つこともありますが、繰り返しを否定することで相手を混乱させてしまいます。穏やかに答えることで安心感を与えましょう。

「自分で考えて」

認知症の人は判断力が低下しています。「考える」ことを強要すると、ストレスを与えてしまいます。選択肢を提示するなど、サポートが必要です。

「そんなこともわからないの?」

この言葉は、認知症の人に対して強い劣等感や恥ずかしさを与える可能性があります。記憶や理解力が低下していることは本人も自覚している場合が多く、「わからない自分」を責めるきっかけになりかねません。代わりに「一緒にやってみよう」「大丈夫、一緒に思い出そう」と声をかけ、安心感を与えることが大切です。

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