お茶やジュースで薬を飲んだり、「食後って食べ終わってから何分?」と疑問に思ったりすることもあるのではないでしょうか。しかし、正しい飲み方を守らないと、せっかくの薬の効果が十分に発揮されなかったり、副作用につながることもあります。今回は、知っておきたい薬の正しいのみかたについて、山本先生に解説していただきました。
監修医師:
山本 久文(山本医院)
杏林大学医学部卒業。杏林大学医学部付属病院第三内科研修後、朝日生命成人病研究所附属病院にて臨床経験を重ねる。1992年、東京都荒川区の山本医院を継承。2007年には医療法人社団久悠眞会へ法人化。「患者さんのために」というモットーを、医院の随所へ反映させている。医学博士。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医の資格を有する。
編集部
薬の正しいのみかたについて教えてください。
山本先生
服用薬は、医師から別の指示が出されていない限り、「コップ1杯程度の水」でのんでください。お茶やジュースなどは、なるべく控えましょう。冷ましたお湯でのむ方を見かけますが、これは、水道水や井戸水が不衛生だったころの名残だと思います。冷たい水が苦手でないかぎり、“白湯”である必要はありません。
編集部
「食前・食中・食後」の定義についても、改めてお願いします。
山本先生
言葉の通りで、それぞれ食事の前か、食事の最中か、食事の後かです。ほか、食事の間に服用する「食間」もあります。なお、「食後」の意味には2通りあって、「空腹時の服用は避けましょう」という場合のほか、「1日3回のんでくださいね、忘れないように食事の後などはどうですか」という場合があります。食事を抜いてしまったら「食後」のお薬がのめないかというと、そうとも限りません。
編集部
えっ? 「食後」には、「回数の指示」という意味もあるんですか?
山本先生
そうです。先ほども申し上げましたが、効かない量のお薬は、お薬じゃない。もっとも、お薬の種類によって異なるので、処方をした医師へ確認してください。「空腹時を避ける」場合と、「1日3回優先、空腹でも可」の場合があります。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
山本先生
信頼の置ける「かかりつけ医」を見つけて、症状や日頃の悩み、お薬の飲み方などが気軽に相談できるようになるといいですよね。内服薬は内科領域ですから、あまり細かな分野に特化していない、「昔ながらの内科」をご活用ください。内科以外のご相談でも、どこを受診すればいいのかアドバイスできます。
※この記事はメディカルドックにて【頭痛薬の服用しすぎは大丈夫?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
関連記事:
