「ものを持たない暮らし」が注目されて何年も経ちました。でも、みなさんの家に「なかなか捨てられないもの」はありませんか?
「たまひよ」アプリユーザーに聞いた声とともに、「捨てない整理収納アドバイザー」の米田まりなさんにアドバイスをいただきました。
“捨てれらない”のは、我が子の思い出の品から若い頃のものまでと多様
最初にアンケート結果から紹介します。
Q:「これ、もう捨てていい」と思っているのに、捨てずに家に置いてあるものはありますか?
「小学2年生の時に転校してしまった親友にもらったプーさんのぬいぐるみ。ほつれている箇所がたくさんありますが、今でも枕元に置いて寝ています」(あきちかちゃん)
「大学の教科書、資格の参考書」(なな)
「洋服類。いつか着るだろうと思いながら、そのいつかが来ませんね」(蜜柑)
「幼少期に大切にしていたシールコレクション。今では、子どもの遊び道具になっています」(ゆっきー)
「幼稚園の制服。サイズアウトした私服は捨てちゃったけど、制服だけはなぜか捨てられない」(みらい)
「若い頃ロリータちゃんだったので、その時のお洋服たち。着られない!でも今見てもこんなに可愛い!」(かず)
「マタニティグッズ。『次があるかも…』『体型的にまた着るかも…』で残っています」(りん)
「荷物が少ししか入らないオシャレバッグ。数回しか使っていないけど、いつか使うと思い、捨てられない」(あさみん)
「お店の紙袋!好きなお店のだと余計になかなか捨てられない」(niko)
「息子の50サイズの肌着。愛着があり過ぎて捨てられない」(えだまめ)
「休日に子どもが書いた妙にうまい絵。携帯の写真には残しているけど、この絵に2度と会えないと思うとなかなか捨てられない」(na)
「扇風機。夫がいらないというので捨てようと思っているが、どこも壊れていないので踏ん切りがつかない」(モンテ)
「採卵手術時につけていた採卵と書かれたシール。この採卵で赤ちゃんができたので、捨てるに捨てられません」(ゆきた)
愛着があるものを無理に捨てる必要はない
いろいろな「捨てられないもの」がありますね。片付け術の一環として、「こうすれば捨てられる」というメソッドはたくさんありますが、捨てたくないという気持ちも大事にしたい気がします。
そこで、「捨てない整理収納アドバイザー」と呼ばれる米田さんに、実際に捨てる際のポイントや捨てる・捨てないを判断する基準などについてお聞きしました。
「『使わないものは捨てよう!』と心に決めたのに、いざ手にとるとなかなか捨てられない…。
“捨てる片付け”がうまくいかず悩んでいる方、実はとても多いんです。
一気に捨てなきゃ、と焦らず、まずは『使用頻度』と『愛着』で分類するだけで大丈夫。捨てるかどうかの判断は、後回しで構いません。
部屋の各所につい溜まってしまう『使わないけれど捨てづらいモノ』。
一見、全てが『思い出・コレクション』のように思えますが、なぜそのモノを持つのか心に問いかけてみると、答えは実に様々です。
手にとるだけで心がほっこり温まる、親友のような品もあるでしょう。一方、単に高価だったから捨てるのがもったいない、コンプレックスや家族のしがらみで捨てるのに罪悪感がある、など、後ろ向きな理由で所有しているモノも、意外に多いものです。
愛着が強いモノは、無理に捨てる必要はありません。
ただ、子どもの洋服や作品など、全てを取っておくと収納スペースが圧迫されてしまいます。作品は写真や3Dスキャンでデータ管理しつつ、お気に入りのものだけ厳選してファイリングすることで、増えすぎを防止できます。
親目線だとなかなか選べないので、子どもにお気に入りランキングで並べてもらっても。子どもの洋服はポーチやクッションにリメイクして、普段使いするのもおすすめです。
愛着が弱いモノを家の中に溜め込んでいると、押し入れを開くたびに片付けられない自分を実感して、自己肯定感がダウンしてしまいます。
挫折した資格試験の参考書や、痩せたら着るかもしれないブランド服は、思い切って手放すことで、残したモノへの愛着がさらに深まります。
ゴミ箱に捨てるのは忍びない場合も、売る・寄付する・近所の方に譲るといった形なら、罪悪感なく手放せますね。
一気に手放したいときは、自宅から配送できるタイプの宅配買取サービスを利用するのも便利です。
紙袋やシールなど、いつか使うだろうと溜めこみがちなアイテムは、『ケース1個分に入る量だけ』などの上限を決めて。
モノを1つずつ手にとって、愛着の有無を確認する作業は、自分の価値観と向き合うすばらしい時間。短時間で劇的な変化を求めず、紅茶を飲みながら、音楽を聴きながら、ゆったり自分のペースで、進めていきましょう」(米田まりなさん)
無理に捨てたり、罪悪感を持ちすぎないことも大事なようですね。我が子のものは子どもと一緒に選ぶというのも楽しそうです。ぜひ参考にしてください。
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
配信: たまひよONLINE