Medical DOC監修医が膵臓がんの初期症状や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
≫「膵臓がん」を発症すると「背中にどんな痛みの特徴」が現れるの?医師が監修!
※この記事はMedical DOCにて『「膵臓がんの症状」はご存知ですか?初期症状・末期症状も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)
奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。
「膵臓がん」とは?
膵臓は胃の後ろ側にある細長い形をした臓器で、食物を分解する消化液の分泌や、血糖値を下げるインスリン、血糖値を上昇させるグルカゴンなどのホルモンを作る臓器です。この膵臓に「がん」が発生してしまうのが膵臓がんです。膵臓がんは数ある癌の中でも早期に発見することが難しく、症状が出現している場合にはがんが進行している場合も多く見られます。この記事では膵臓がんの症状について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
膵臓がんの初期症状
膵臓がんの代表的な症状について解説してきました。しかし、膵臓がんは特有の症状に乏しく、無症状に進行することもあるので、早期に見つけることが難しいがんとされます。早期発見に重要な初期症状について解説していきます。
腹痛
膵臓がんの初発症状では最も多く認められます。ガイドラインでは32%の方の初発症状とされており、膵臓がんと診断される半年前からおよそ25%の患者さんで腹部の違和感の症状も認められます。軽度の腹痛であれば様子をみる方が多いと思いますが、慢性的な腹痛がある場合には消化器内科を受診することが勧められます。
黄疸
黄疸はビリルビンを排出する経路である胆管が狭くなり、ビリルビンが排出されないことで発症します。膵臓がんの初発症状の19%程度と報告されています。膵臓は膵頭部と膵尾部に分かれており、胆管は膵頭部にあるため、膵頭部に発生した膵臓がんで黄疸が起きる可能性が高くなります。黄疸が起きた場合、自然に改善する可能性は低く、できるだけ早めに消化器内科のある病院を受診して検査を受けることが必要です。
腰や背中の痛み
膵臓がんの初発症状として9%程度の方に腰や背中の痛みが見られます。膵臓がんは腹部の後ろ側に位置している臓器なので、腹部の痛みだけではなく腰や背中の痛みとして発症することがあるのです。腰や背中の痛みで多い病気は腰痛、尿管結石などの病気ですが、これらは安静時には痛くないことや突然発症することが特徴です。そのため、慢性的に背中が痛く、安静にしていても良くならない場合には膵臓がんを念頭において病院を受診することがおすすめです。
配信: Medical DOC