女性は、毎月の生理で血液が失われるため、もともと男性に比べて貧血になりやすいもの。とはいっても「私は貧血」と、自覚している人は少ないのでは。実は、血液検査で「正常」とされていても、血液の原料である鉄分の不足した「隠れ貧血」の人が多いので、要注意です。
血液検査では正常でも貧血の可能性が
体中を巡る血液の役目は、体のすみずみに酸素や栄養を運ぶこと。だから血液が十分に行き渡らないと、さまざまな不調が現れます。疲れやすい、やる気が出ない、冷え性、肩こり、頭痛、めまいや立ちくらみ…。こうしたプチ不調の原因は「貧血」かもしれません。
ところで、一般的な血液検査では「ヘモグロビン」の値で、血液がしっかり働いているかどうかを判断します。
基準になるのは「ヘモグロビン値12g/dl」。これ以下だと「貧血」と診断され、ヘモグロビンを作るために必要な「鉄分」の薬剤を処方されることになります。
そして「ヘモグロビン値12g/dl」以上の人は、異常なしという判断に。ところが、この数値をクリアしていても、実は隠れた貧血状態の女性はとても多いのです。
隠れ貧血がわかるフェリチン値のこと
最初にお話ししたように、女性は生理があるため、ヘモグロビンの元になる鉄分を失う割合は、なんと男性の2倍も。だからといって、鉄分の多い肉類やほうれん草を、男性の2倍食べている人は少ないですよね。
体の中で、鉄はまずヘモグロビンを作ることに使われます。そして余った分は「フェリチン」という、いわば“鉄の貯蔵庫”で貯めておきます。ヘモグロビンにするための鉄が不足すると、体はフェリチンから鉄を使います。だから貯蔵庫であるフェリチンに鉄がたまっていない人は、貧血になりやすい“隠れ貧血”なのです。女性の3人に1人は、この隠れ貧血と考えられるのです。
このフェリチンは健康診断などの血液検査では調べられません。そのため、自分が隠れ貧血かどうか知っている女性はとても少ないはず。血液検査で「私は正常」と思っている人にも、実はたくさんいるのですが…。
体調不良の原因として貧血が疑われる場合は、このフェリチン値の検査も保険適用になるので、内科を受診してみましょう。
配信: カラダのキモチ