突然ですが、あなたが強盗や空き巣犯だったら、どんな家の外観だと近づきたくないと思うでしょうか。
犯人の立場になって、ちょっと考えてみてください。
元警察官である筆者は、防犯の基本は犯罪者の視点で自分の家を見直すことだと思っています。
庭や塀、外構のちょっとした工夫が、犯人に「入りにくい家」という印象を与え、狙われにくさにつながるのです。
本記事では『見られる・光る・整える』という3つを軸に、自宅周辺でできる防犯対策を紹介します。
庭は見える程度にする!生垣や塀は高さに注意
高い生垣や塀はプライバシーを守ってくれるように思えますが、防犯の視点では必ずしもよいとは限りません。
空き巣犯は宅配業者などを装って下見を行うため、高い塀でも不審がられず敷地に近づくことができます。
むしろ強盗や空き巣犯は、侵入後に周囲から見られない環境を好むため、外から人影が見えないほどの塀は狙われやすくなるのです。
※写真はイメージ
一般的に、生垣は150cm程度まで、フェンスは外から人影が確認できる格子状が望ましいとされています。
枝葉はこまめに刈り込み、見通しを確保することが『入りにくい家』に見せるポイント。
実際、筆者が警察官時代に担当した窃盗事件でも、高い生垣に囲まれた家が狙われました。
犯人は「周りからバレなさそうだった」と供述しており、やはり『見られにくさ』が犯行を後押ししていたのです。
光と記録で威嚇する!センサーライト・防犯カメラ
強盗や空き巣犯にとって、一番避けたいのは当然捕まることです。
そのためには証拠を残さないことが最優先。顔を映される、行動を記録されるといったリスクを極端に嫌います。
この心理を突くのが、センサーライトや防犯カメラの設置です。
暗闇で動いた瞬間に光が当たるだけで「見られている」と感じさせることができ、カメラのレンズがあるだけで「証拠が残るかもしれない」という不安を与えます。
もちろん性能の高い機器であればより安心ですが、ダミーカメラや安価なセンサーライトでも一定の抑止効果があります。
※写真はイメージ
実際に、筆者が勤務していた警察署管内でも、のどかな住宅街で空き巣が連続発生したことがありました。
数週間で10件以上の被害が出ましたが、検挙までに時間を要した大きな要因は『証拠の少なさ』でした。
被害に遭った家はいずれもカメラを設置しておらず、近くにコンビニエンスストアなどもなかったため、有効な映像が入手できなかったのです。
カメラを自宅に設置することは、自分の家の被害を防ぐだけではありません。地域全体の防犯にもつながる、大きな意味を持つ対策なのです。
配信: grape [グレイプ]