「下肢静脈瘤」になりやすい人の特徴はご存じですか? 今回は、初期症状や原因についても「湘南平塚下肢静脈瘤クリニック」の秋好先生に解説していただきました。

監修医師:
秋好 沢林(湘南平塚下肢静脈瘤クリニック)
1999年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院、富士重工業健康保険組合太田記念病院(現・SUBARU健康保険組合太田記念病院)、独立行政法人国立病院機構栃木医療センター、さいたま市立病院、ハーバード大学医学部研究員、Massachusetts General Hospital、Brigham and Women’s Hospital、平塚市民病院血管外科部長を経て、2017年5月「湘南平塚下肢静脈瘤クリニック」開院、院長就任。
編集部
下肢静脈瘤とはどのような疾患ですか?
秋好先生
下肢静脈瘤は静脈に発症する疾患のひとつで、外観的に足の静脈が太くなったり、コブ状に浮き出て見えるようになったり、なかにはコブが目立たずに足のだるさやむくみ、つりが先行して出現したり、症状は人によって異なります。必ずしも足の血管がコブのように浮き出るわけではありません。
編集部
なぜ、下肢静脈瘤が発症するのですか?
秋好先生
足は心臓よりも低い位置にあり、血液を心臓に戻すためには重力に逆らう必要があります。通常は、足の筋肉のポンプ作用で血液を心臓へ押し上げているのですが、このポンプ作用は強いものではないため、静脈には心臓に向かって一方通行に流れるようにするための弁がついていて、血液が逆流しないようになっています。
編集部
では、その弁に不具合が起きているのですか?
秋好先生
そうです。その弁が壊れると血液が重力に引っ張られ、立っているときには低い方へ落ちていってしまいます。その結果、静脈内に血液がたまってしまい、静脈壁が伸びて静脈径が太くなったり、コブ状になったりしてしまうことが多いのです。
編集部
下肢静脈瘤というと、血管がコブ状に浮き出るというイメージがありました。
秋好先生
症状は個人差が大きく、コブ状にならず静脈の圧だけが高くなり、「足が浮腫む」「足がつる」「足が重くなる」などの症状が出る場合もあります。足が浮腫んでしまうと、コブが埋もれて目立たなくなって、改善したと錯覚する人もいます。
編集部
どんな人に多く発症するのですか?
秋好先生
一般には、次のような人に多く発症するとされています。
・高齢者
・妊娠出産を経験した女性
・立ち仕事の人
・肥満の人
・家族が下肢静脈瘤を発症した人
※この記事はMedical DOCにて【下肢静脈瘤の日帰り手術・当日の流れを医師が解説 レーザー治療とは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC