抗がん剤のクールとは?メディカルドック監修医が抗がん剤のクールの数え方・間隔・抗がん剤投与が長くなりやすい病気・疾患などを解説します。

監修医師:
横田 小百合(医師)
都内の大学病院・がんセンターにてがん治療と緩和ケア診療に従事。現在はがん専門病院にて緩和ケア診療を行っている。
保有資格:医師、がん治療認定医、総合内科専門医、日本緩和医療学会認定医
「抗がん剤」とは?
抗がん剤は、がん細胞の増殖・進行を防いで死滅に導くための薬剤です。抗がん剤を使用した治療は化学療法とも呼ばれ、外科手術・放射線治療と並ぶがんの主な治療法のひとつです。また、がん治療はこれらの治療を組み合わせることが多いです。
抗がん剤のみで完治を目指す場合もありますが、手術前に病巣を小さくする目的で抗がん剤を使用したり、術後の転移・再発を防ぐ目的で抗がん剤を使用したりするなど、補助的な役割で用いられることも多くあります。
「抗がん剤のクール」とは?
がん薬物療法は、レジメンという投与計画書に則って行います。レジメンでは、治療に必要な抗がん剤の投与量・投与順序・投与速度のほか、何日間かけて・何日おきになどの治療の間隔も、がんの種類やがんの拡がりの程度によって決められています。
抗がん剤をつかった治療は1日や1回で終わるものではなく、レジメンで決められた投与過程を1〜2週間かけて行い、その後1〜2週間程度休薬します。これを複数回繰り返して行います。この1〜4週間かけて行う投与と休薬の1セットの抗がん剤治療の過程がクールと呼ばれます。
抗がん剤治療のレジメンは理論と経験則に基づいて決定され、実臨床の現場で世界的にデータが蓄積されて改良されて決められています。