TikTokフォロワー20万人を超える人気アカウントを運営していた動画配信者の男性2人が監禁、威力業務妨害の罪に問われた裁判で、大阪地裁は9月18日、それぞれ懲役1年(求刑同じ)、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。
犯行は、動画撮影中のことだった。一時期よりも「迷惑系」と呼ばれる配信者やコンテンツが表に出なくなったように感じるが、撮影の許可やコンテンツ収益が話題に上がるなど、まさに現代を象徴する裁判となった。(裁判ライター・普通)
●「ドッキリ動画」で店員を車に閉じ込め
被告人A、Bは小学生から友人で、ともに20代前半。エネルギッシュな外見のAが出演者で、長身のパーマで髭を整えたBが撮影や企画を担当していた。
起訴状によると、2人はガソリンスタンドで「給油口のレバーが後部座席付近にあるので確認してほしい」と言って、女性従業員を車内に呼び入れた。
そのうえでドアを閉め、チャイルドロックをかけて発進。女性従業員を閉じ込めて業務を妨害したとされる。
車に閉じ込められた従業員が困惑する様子を撮影し、動画に残していたが、事前の許可は一切とっていなかった。
●「泣きじゃくるほどの恐怖」被害証言
検察官の冒頭陳述などによると、2人はTikTokなどで生計を立てており、同じような迷惑行為で、罰金や逮捕歴があった。そのわずか約3カ月後に今回の事件を起こした。
法廷で上映された映像には、被害者の必死の拒絶をよそに「日本トップのライバー事務所で稼ぎたいでしょ?」「今、何歳?」などと問いかける場面が残っていた(傍聴席は音声のみ)。
被害者の上司は、被害者が「見たことないくらい泣きじゃくっていた」と証言。本人も「どこかに連れて行かれるのかと思った」と語り、その後半月ほど勤務できなかったという。

