高校時代の友人と久しぶりに飲む約束をしました。地元の居酒屋で待ち合わせをしてお酒を飲むことに。そのお店は掘りごたつ式で、席と席の間は暖簾(のれん)のような布で仕切られている造りでした。数年ぶりの再会を喜び、おしゃべりに花を咲かせていたのですが、友人がトイレに立ったときのこと。隣の席から聞こえてくる男性の声が、なぜか気になり……。
隣の席から聞こえた“声の主”は…!?
私たちがお店に入ったとき、隣は空席だったため気づきませんでしたが、いつの間にか2人組が座っていて、男性の声に聞き覚えがあったのです。悪いなと思いつつ、布の隙間から隣の席を見ると——それは子どもを通じて面識のある“パパさん”でした。
そのパパの子どもとうちの子は仲が良く、ママとも親しくしています。ですが、その隣にいる女性は見たことがありません。しかも、ひと回り以上年下に見える若い女性。仕事関係という雰囲気でもなく、どこか怪しい……。耳を澄ませていると、女性はそのパパのことをまったく違う名前で呼んでいたのです。
その場で問い詰めることもできましたが、冷静に考えた末、後日ママに「ご主人が偽名を使って若い女性と会っているかも」とさりげなく見たことを伝えました。ママは薄々気づいていたようです。その後、不倫の証拠をつかんで離婚、そして慰謝料請求することにしたと聞きました。自分の行動が正しかったのかはわかりませんが、今でもあのときの“正解”は何だったのだろうと考えてしまいます。
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思いがけず他人の秘密を知ってしまったとき、どう行動するかは本当に難しいもの。感情的にならず、冷静に判断したいですよね。誰かを思いやる気持ちがあっても、その伝え方やタイミングによって結果は大きく変わります。
だからこそ、最終的には自分が考える“最善の選択”を信じて行動し、その先の未来が少しでも好転すると願いたいですね。
著者:阿部哲子/40代 女性・自営業。小学生の男子と中学生の女子を育てる母。食べることが好き。おいしいものを囲んで笑う時間が、いちばんの癒やし。
イラスト:ホッター
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)

