山下幸輝「制服はまだまだいけます!」 仁菜子(福本莉子)に恋心を抱く安堂役「ストロボ・エッジ」インタビュー

山下幸輝「制服はまだまだいけます!」 仁菜子(福本莉子)に恋心を抱く安堂役「ストロボ・エッジ」インタビュー

WOWOWで放送・配信中の連続ドラマW-30「ストロボ・エッジ Season1」。女優の福本莉子と、なにわ男子の高橋恭平がダブル主演を務める本作で、俳優の山下幸輝が小気味いい芝居で存在感を放っている。

原作は咲坂伊緒さんによる大ヒット漫画「ストロボ・エッジ」。まっすぐで切ない初恋の気持ちを丁寧に描いた純愛ラブストーリーで、山下は、木下仁菜子(福本)と、その初恋の相手である一ノ瀬蓮(高橋)の同級生、安堂拓海を演じている。軟派な性格で遊び相手の女性が多かった安堂だが、仁菜子の蓮への想いを知りながらも、次第に彼女を本気で好きになり、やがて一途な想いを見せていく。今回の出演者は関西出身者が多く、山下自身も大阪府出身。そのため現場では意外な苦労があったようで、「イントネーションがおかしくなっちゃう時があるんですよね」と苦笑いする。

――安堂役が決まった時の感想は?

「主人公の“当て馬”的な役をやりたいなと思っていたので、安堂役が決まった時はうれしかったですね。『絶対これ応援されるやつやん!』と思いました。原作を読んでいた時から安堂が気になっていましたし、人気のキャラクターなので撮影が近づくにつれてプレッシャーも大きくなっていきましたが、撮影が始まれば、そんなことを考えずに、ただただ楽しくやらせていただきました」

――演じるうえで意識した点は?

「安堂はただ明るいだけじゃなく、本当は繊細なところがあるので、そこを大事にお芝居したいなと思っていました。役作りとしては、髪をブリーチして金髪にしたのですが、髪が伸びるのが早いので、維持するのが大変でした。1週間に1回毛先を切って、伸びてきた根元のリタッチをするために美容院に通いました」

――ご自身が演技面でアイデアを出したり、安堂の髪型や制服などのビジュアルで希望を伝えたりしたのでしょうか

「演技面でのアイデアは、お芝居をしていく中で提案しました。監督と話すのではなくて、撮影が始まる前のリハーサルで、例えば『このシーンは、安堂だったら指をさすかな』と思ったら、僕が考える手の動きを監督にも見てもらって、『ここの手の動きいりますか?』と確認して、了解が得られたら取り入れていました」

――制服のベストや髪色とかは?

「衣裳合わせのときは、まだ、黒髪だったのですが、安堂のミルクティーっぽい金髪に合うのはこのベストなんじゃないかという話になって、安堂がより魅力的に見えるような衣裳を選びました。制服は、僕としてはまだいけますよ! 周りの反応とかは気にしていないです。なじみすぎていると思う(笑)」 

――原作で大切にした部分や、特に意識した部分を教えていただけますか

「Season1と2の全体に、原作の名シーンや名ゼリフがふんだんに詰め込まれていて、脚本を読んだ時は『ぜいたくやなー。こんなにやるんかいっ!』と思いました(笑)。そんな魅力的なシーンとセリフを大切にしたいので、何度も原作を読んで、安堂の特徴的な仕草をつかめるように意識しました。もちろんそれだけではなくて、山下幸輝として自分のエッセンスを入れるというか、山下幸輝としての安堂を演じました」

――山下さんらしさを出すためのポイントとは?

「安堂の軽さを、音だけで表現しようと思いました。『安堂って軽いんだな…』と思わせるような軽い感じのセリフは声のトーンだけで表現するようにして、仁菜子ちゃんを想っている場面や表情とかは、安堂の芯が繊細なところを取り入れてみました」

――原作を連載当時に読まれていた方が大人世代になりました。そんな大人にも刺さるラブストーリーになっているそうですね

「そうなんです。でも、撮影中は、観ている人の年齢は考えずに、ドキドキするシチュエーションではどんな世代でも、きっとみんなドキドキするだろうなと思ったので、僕よりも上の30~40代の方たちが青春時代を思い出してもらえたらいいなと思ってました」

――福本さんと高橋さんの印象を教えてもらえますか

「福本さんは、ずっと原作の漫画を読んでいましたね。現場に持ち込んでいて、撮影中の合間とか休憩中とかに、次のシーンの大事な部分を読んでいて、原作を大事に演じていらっしゃるんだなと思いました。恭平くんとは、本作とは関係ない話をよくしていました。劇中で、蓮と安堂の関係性が中学時代から続いていることもあったので、恭平くんと他愛もない話をして築いた関係性がリアルに映像に出そうな気がしたので、そこは大事な時間だったと思います」

――BS-TBSの「夫婦の秘密」(24年)の記者会見で、臼田あさ美さんたち共演者から、現場でずっとダンスをしていたと暴露されていましたが、今回の現場でも変わらず踊っていたのでしょうか?

「踊っていたと思います。特に恭平くんもダンスやっているから、アーティスト同士、そんな話もしましたね。恭平くんは踊っていなかったけど、僕は踊っていました。音楽がなくても自然にリズムをとっていて体が動いちゃうんです。それはどの現場でも同じで、福本さんから『一生踊っているね』と言われました(笑)」

――そんな福本さんが演じられた仁菜子は、今まで軟派だった安堂が好きになるぐらい魅力的な女の子。そんな仁菜子の魅力をお願いします

「安堂が生きてきた世界線に仁菜子ちゃんは今までいなかった人なんですよ。仁菜子ちゃんという女の子は、純粋無垢でまっすぐで、安堂の考え方を変えちゃう。仁菜子ちゃんに影響を受けた安堂がまっすぐになるんですが、大げさに言うと、仁菜子ちゃんは安堂にとって人生を変えてくれた存在ですね」

――福本さんと接してみていかがでしたか?

「福本さんはめちゃくちゃ明るい方でしたが、どこかミステリアスな部分もあって、そこが魅力だなと思いました。仁菜子ちゃんと被るような部分もありましたね、天真爛漫(らんまん)で」

――関西出身の方が多い現場で、山下さんがセリフのイントネーションに沼っていたと聞きました。どういう状況だったのですか?

「関西人が多いと、お芝居をしない時間はみんな関西弁でしゃべっているんですよ。だから、それにつられてセリフのイントネーションがおかしくなっちゃう時があるんですよね(苦笑)。だんだん、何が正しいのかわからなくなっちゃって…。でも、1回ミスったら2回目はミスらないです!」

――高橋さんご自身でも人見知りって言う人もいますけど

「絶対違います! 人見知りじゃないと思いますよ。本読みの時に、『関西人っすよね?』って聞かれて『関西人っす』と答えて、2人で『がんばりましょう!』みたいな感じで打ち解けました。でも、恭平くんは、『ご飯を食べている時は、食べることに集中してしまうのでしゃべれない』と言ってきたので、おもろいなと思って、ご飯中はみんな食べることに集中することにして、しゃべらなかったです。そういうところも含めて、蓮と安堂としての関係性を作る上で、こういう相手を思いやる気持ちも大事だなと思っていました」

――他に共通の話題はあったのですか?

「ちょうど、僕が出演する映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』(12月5日公開)が情報解禁されたタイミングだったので、撮影中に『えっ? 兎耳山(丁子)くん役?』と聞かれました。恭平くんが『WIND BREAKER』を好きみたいで、俺以上に喜んでいました。『兎耳山がいるやん!』みたいな(笑)。そういう話で盛り上がって、俺もうれしかったですね」

――恋愛が軸になっている作品ですが、蓮と安堂の友情の部分もグッときますね

「Season2からさらに男の友情部分が強く描かれていきます。蓮と安堂って、性格が真逆に見えるかもしれませんが、僕は2人はとても似ていると思っています。どっちも不器用なんですよ。特に恋愛に関しては不器用な男が2人いるみたいな…。だから恭平くんとお芝居してる時間は、めっちゃ好きでした。あの時の恭平くんの、ちょっと不器用っぽくする芝居とかが蓮とリンクして見えて…。一見クールなのに。この2人の男の友情っていいなぁと思いました」

――今作で青春時代の疑似体験ができているなと感じたことがあれば。

「制服を着て学校でのシーンが多かったのですが、帰り道でのシーンも、なんかもうそれだけで青春でした。ただ制服を着てカフェから帰っている夜の匂いとか空気すらも、なんか甘酸っぱい青春を思い出すというか、疑似体験していました」

――登場人物の中で応援してあげたいなーと、背中を押してあげたいなという人は誰で、どんなエールを送りますか?

「安堂ですね。仁菜子ちゃんのまっすぐさに負けないでほしいと思います。安堂は最初は軽くて余裕な雰囲気を漂わせているけど、実は芯はまっすぐなんだって。仁菜子ちゃんと出会って、仁菜子ちゃんに自分を変えられて。で、仁菜子ちゃんのことを好きになるって…。なんかもう、本当に安堂は仁菜子ちゃんに人生を変えてもらっているので、そんなまっすぐな安堂に頑張ってほしいですね」

――そんな純粋な部分もある安堂の見どころは?

「初めて仁菜子ちゃんと出会った時は、ちょっかいをだしてからかっているだけで、元々の安堂のキャラクターだったんですけど、徐々に仁菜子ちゃんと触れ合うことが多くなって喋っていく中で、安堂の気持ちが変わっていくんですけど、第2話で2人が出会うシーンは大事に演じました。なので、僕の中では、安堂の一番の見どころというか注目ポイントが第2話です。仁菜子ちゃんと出会って想いが変わるので、第2話を見返して見てほしいです」

――Season2の注目ポイントもお願いします

「2では、蓮と安堂の過去をもっと深掘りしていきます。安堂の過去の恋愛や安堂の軽さがどこからきているのかなどもどんどん明かされてくるので、Season2も見てください。Season2を見たら、Season1を見返したくなると思いますね。それを経てきたからこういう気持ちだったのかとか、改めてわかる部分も出てくるはずです」

山下幸輝(やました・こうき) プロフィル

2001年11月7日生まれ。大阪府出身。22年、映画「女子高生に殺されたい」で俳優デビュー。同年、ドラマ「君の花になる」(TBS系)の中で登場するボーイズアイドルグループ「8LOOM」のメンバーとして、高橋文哉、宮世琉弥らと共演し話題に。「ビリオン×スクール」(24年、フジテレビ系)、「御上先生」(25年、TBS系)などの話題作に出演。11月19日スタートのドラマ「プロパカンダゲーム」(TBS系)では、松本怜生とダブル主演を務める。12月5日公開映画「WIND BREAKER/ウィンドブレイカー」では、兎耳山丁子役を担った。

取材・文:松下光恵

配信元: iza!

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