「外が寒くなったから冷えている」そう思いがちですが、実は体の内側の「熱を生み出す力」が不足していることも少なくありません。今回は、40歳を過ぎると不足しがちな「熱を生む力」を高める方法を看護師で薬膳師の薬膳ナースけいこがお伝えします。
熱を作る力ってなぜ落ちるの?
東洋医学では、体の中で熱やエネルギーを生み出す力を「陽気(ようき)」と呼びます。この陽気がしっかり働いていれば、冷たい空気の中でも体は自然にポカポカと温まります。しかし40代を過ぎると、ホルモンバランスなどの影響で熱を生み巡らせる役割を担う筋肉量が減ったり、ストレスや睡眠不足などが重なり、熱を生み巡らせる力が弱まりやすくなります。
つまり、「温めても温まらない」状態。外側からのケアだけでは、根本的な冷えを解消できないのです。
食べて熱を育てる
■巡りを良くして温める
体の中で熱が作られても、巡らなければ温まりません。
おすすめは、生姜・ねぎ・にんにく・シナモン・八角・羊肉など。
香りや辛味の力で巡りを促し、手足まで血流を届けます。
■血を元気にして冷えを防ぐ
血の元気度が不足していると、せっかく作った熱が全身に届きません。
黒豆・なつめ・鶏肉・かぼちゃは「血を元気にしながら温める」代表食材です。
貧血ぎみの人や、疲れが抜けない人にもおすすめです。
■エネルギーを補給する
いくら代謝を高めようとしても、燃料がなければ火はつきません。
もち米・さつまいも・山芋・栗などの「自然な甘味のある食材」は、消化器系を整え、エネルギーを生み出す土台になります。
糖質を極端に減らすより、温かい主食をほどよくとることが、冬の冷え対策の近道です。
■筋肉の力を活用することも大切
筋肉は、熱を生み出す働きと、ポンプのように血液を循環させて熱を巡らせる働きを持っています。つまり、筋力の低下は熱を生む力の低下と直結します。
パーソナルトレーナーについてもらって、筋トレをして鍛えるといったことができれば理想的ですが、年末が近づき忙しくなると、なかなか叶わないのが現実…といった方もいると思います。
日常生活の中で、空いた時間にできる筋肉を刺激して巡りを促す方法をお伝えしますね。

