小学4年生の娘を育てるユズハさんは、隣町のダンススクールへ娘を通わせることに。そこで、ダンスの先生が娘と同じだというママ・カキエさん、モモさん、ミカさんの3人と知り合います。
小学4年生の娘を育てるユズハさんは、隣町のダンススクールへ娘を通わせることに。そこで、ダンスの先生が娘と同じだというママ・カキエさん、モモさん、ミカさんの3人と知り合います。
モモさんとミカさんは思いやりや常識もあるいい人ですが、カキエさんは明らかに見下した態度で接してきて、いい印象はありません。とうとう我慢の限界を迎え、非常識な言動について迷惑だと伝えたユズハさん。しかし、迷惑な言動は相変わらず続き、無茶な要求を繰り返すように……。ユズハさんが要求を断ると「今後一切話しかけないで」と、カキエさんは激怒。
ユズハさんが、モモさんやミカさんにこれまでのことを打ち明けると、2人はビックリ。ミカさんが「やばい思考を持った人の子どもとは関わらせたくない」と言ったカキエさんの言葉を引用して「それならうちの子を関わらせたくない」と言うと、カキエさんは焦って謝罪の言葉を述べますが、そこに娘のチエちゃんが現れてカキエさんに詰め寄ったことで、親子げんかにまで発展。さらに、この騒ぎを目撃した誰かによって匿名掲示板に書き込まれていて、炎上してしまいます。
知らないうちにネットで晒されていた…
「これからもダンスのクラスのみんなと仲良くしたいし、この教室にも通い続けたい。」
そう思ったチエちゃんは、「今後はひとりで通う」と言い出しました。それを聞いて、まだ明るい時間とはいえ、さすがに女の子ひとりでは……と、カキエさんは困惑。すると、モモさんが「それなら、うちの子と車で送ってあげるよ!」と声をかけてくれて、チエちゃんも大喜び。すぐに話はまとまり、カキエさんが出る幕はありませんでした。
そして迎えた次のレッスン日。
送迎はモモさんがしてくれましたが、カキエさんはどうしても様子が気になってしまい、スクールまで内緒で来てしまいました。そこで、他のママたちが「カキエさんのこれ見た?」「ああ、ネットの匿名掲示板のやつ?」と話しながら、スマホを見ている姿を目撃します。
何だろうと思い、早速カキエさんも匿名掲示板を覗いてみると……。
そこには『娘が通ってる教室にモンスター級激ヤバママがいる件www』というスレッドがあり、自分の言動がネットで晒されていることを知ったのです……。











スクールにいたママたちは、匿名掲示板の書き込みを見ながら「先週のレッスン前に騒ぎになってた件だよね?」「娘から聞いた」と、話をしています。ココミ先生へ産休祝いを渡すとき、わざとユズハさんが立ち会えないようにしたことも、ユズハさんに無償で絵を描いてもらおうとしたことも、すべて知られているようでした。
ママたちは、カキエさんが近くで聞いていることも知らず、カキエさんの言動を『図々しい』と非難して「関わるのやめとこ」「話しかけられても無視しよ」と、言っていました。
「誰がこんな書き込みを……? なんで私だけ責められなきゃならないの……?」
話を聞いていたカキエさんは、怒りに震えていたのですが……。
「ひとつ聞いてもいいか?」
その夜、家事をしていたカキエさんに、夫が話しかけてきました。そして、例の匿名掲示板を見せてきて「君のことだろ?」と聞いてきたのです。カキエさんは、驚きのあまり「あっ……」と言葉を詰まらせ、夫にバレたことに青ざめたのでした。
◇ ◇ ◇
今は、ネットやSNSを通じて、私たちの言動が知らないところで広まることもある時代。そして、一度広がった情報は簡単には消えず、人間関係や社会的信用に悪い影響を及ぼすこともあります。今回のカキエさんのように、日ごろの態度が周囲の反感を買い、それがネットで話題になってしまうことは、誰にでも起こり得ることかもしれません。
どんなささいな言葉や行為も、周囲にどのような印象を与えるのかを意識し、思いやりと誠実さを忘れず、もしトラブルが起きたときには、感情的にならず、事態を冷静に受け止めて対応することが大切ですね。
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著者:マンガ家・イラストレーター しろみ

