前橋市の小川晶市長は、市幹部職員である既婚男性と複数回にわたりホテルを訪れていたとの週刊誌報道を受け、9月24日の記者会見で事実を認めて謝罪したと報じられています。
報道によると、小川市長は10回以上ホテルに行っていたことを認めつつも、あくまで打ち合わせや相談が目的であり、男女関係はなかったと釈明したといいます。
では、一般的に離婚裁判で、異性とホテルに入れば「男女関係があった」とみなされるのでしょうか。「男女関係はなかった」との主張は通用するのでしょうか。冨本和男弁護士に聞きました。
●ホテルに入った=「肉体関係があった」と推認される
──裁判になった場合、「一緒にホテルに入ったが、男女関係はなかった」という主張は通用するのでしょうか。
裁判で慰謝料や離婚を請求する場合、請求する側が相手の不貞行為(肉体関係があったこと)を立証する必要があります。
証拠として有効なのは、メールやSNSでのやりとり、肉体関係をうかがわせる写真などです。
ただし、今回のケースのように、既婚の異性と2人でホテルに入った場合、「相談していただけ」「打ち合わせをしていただけ」という状況は社会通念上きわめて不自然です。
したがって、話し合い目的だったというよりも「男女関係があった」という強い推認が働くと考えられます。
●ラブホテルなら不貞と判断される可能性がさらに高い
──週刊誌では「ラブホテルだった」と報じられています。それでも「何もしていない」と主張すれば通るのでしょうか。
男女関係がなかったとする当事者の主張は、推認を覆さない限り認められません。「部屋で相談をしていただけ」といった説明では足りず、特にラブホテルだった場合には不貞行為があったと認定される可能性が高いといえます。
また、仮に本当に男女関係がなかったとしても、既婚者とホテルに入った事実事態が相手の夫婦関係を悪化させたと認められる場合には、相手配偶者から慰謝料請求を受ける可能性もあります。
【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp

