●「体罰にならない雑巾掛け」とは?
——どんなケースであれば体罰にならないと考えられますか。
学校における清掃活動は徳育や勤労観を育てる上で重要です。今の時代でも、雑巾掛けは心身のバランスを整える教育的効果があると考えられています。短時間の教室内や教室前の廊下の雑巾掛けを命じることは「懲戒」として許容されるのではないかと思います。
——昔、体罰とされなかったものでも、現在では体罰とみなされるようになった行為はありますか。雑巾掛けもそうなっていく可能性はあるでしょうか。
部活のトレーニングで生徒にウサギ跳びを長時間課すことや、夏場に水を飲ませずに長時間ランニングをさせることは「体罰」とみなされるようになりました。
宿題を忘れた児童に対して、教室の後方で長時間、正座で授業を受けさせたり、直立の姿勢で授業を受けさせることも体罰とみなされるようになっています。
殴る、蹴るなどの身体に対する侵害行為だけではなく、児童生徒らに身体的苦痛を与えるような行為にあたると判断される場合は「懲戒」ではなく、「体罰」と判断されていくでしょう。
【取材協力弁護士】
柴崎 菊恵(しばさき・きくえ)弁護士
検事任官後、東京地方検察庁、千葉地方検察庁での執務を経て、2005年に弁護士登録(第一東京弁護士会)。顧問弁護士として学校法務、労働事件等を取り扱うほか、交通事故、刑事事件等も多数取り扱っている。
事務所名:ベルフラワー法律事務所
事務所URL:https://bellflower-law.jp/

