小学4年生の娘を育てるユズハさんは、隣町のダンススクールへ娘を通わせることに。そこで、ダンスの先生が娘と同じだというママ・カキエさん、モモさん、ミカさんの3人と知り合います。
モモさんとミカさんは思いやりや常識もあるいい人ですが、カキエさんは明らかに見下した態度で接してきて、いい印象はありません。とうとう我慢の限界を迎え、非常識な言動について迷惑だと伝えたユズハさん。しかし、迷惑な言動は相変わらず続き、趣味で絵を描いているユズハさんに自分にも描いてほしいと言い出しますが、あまりにも無茶な要求を繰り返すため、ユズハさんは依頼を断ることに。
相手をするだけ時間の無駄
ユズハさんは、カキエさんから絵を描いてほしいと言われたものの、ヒアリングをしても何も話が進まなかったことから、依頼を断ることにしました。しかし、カキエさんは納得せず、とにかく急ぎで作ってほしいと要求。仕方なく、アイデア出しの料金も含めて多めにもらうことにしたのですが……。
ユズハさんの提示した金額に対して、「素人の絵でそんなに取る気なの!?」とカキエさんの態度が豹変。「友だち価格の1,000円で描いて」と無茶な要求をしてきたのです……!
その金額だと割に合わないとはっきり言うと、カキエさんは先日ミカさんから作り過ぎたシュシュをタダでもらった話を引き合いに出して、まるでユズハさんを見下すように「格が違うみたいね」と、言ってきて……。










カキエさんの発言に「なんでここまで言われなきゃいけないの?」と怒りが込み上げてきたユズハさん。ミカさんの行動はご厚意からのものであって、今回のやりとりとは違うものだと説明しますが、「持論を振りかざしている」と笑われてしまいます……。
ユズハさんは、こんなに失礼な人に気を使うのも時間を割くのも馬鹿らしくなってきて、「もう、どうなってもいいや」と思えてきました。そこで、自分はその金額では絵を描く気にはなれないとはっきり伝え「お友だちでもないあなたのためには、ね」とストレートに気持ちを言葉にしました。
ここまで言われても、カキエさんは自分の言動を詫びるどころか逆ギレする始末……。「素人に毛が生えた程度の絵を買ってあげるって言ってるのに、調子に乗らないで」「友だち価格で描いてくれると思ったのに、高額な金額を要求してくるなんてびっくり」と、言いたい放題なのでした。
◇ ◇ ◇
絵を描いてほしいとお願いしたのはカキエさんのほうなのに、いつの間にか「買ってあげる」という話にすり替わっているところに驚きましたね。
人に何かをお願いするときは、気持ちよく受けてもらえるように努めることが最低限のマナーです。それを忘れてしまうと、相手を不快にさせてしまうだけでなく、自分自身も信頼を失う結果になりかねません。カキエさんは、自分がどれほど失礼な発言や行動を繰り返してきたのか、いつか気づくことができるのでしょうか……。
一方で、ユズハさんのように趣味や特技を持っていると、それを軽く扱われたり、無理なお願いをされることもありますよね。そんなときこそ、自分の時間や気持ちを大切にし、しっかりと断る勇気を持つことが大切なのかもしれません。
お互いを思いやる気持ちがあれば、こんなトラブルは防げたはず。小さな気遣いが、よい人間関係を築く一歩になるのではないでしょうか。
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著者:マンガ家・イラストレーター しろみ

