作家は編集者からの提案にどう答えるのですか?
新米I では、2作目(『片見里荒川コネクション』)はどんな感じで決まっていったんでしょうか。
担当K その頃オレオレ詐欺とかが流行ってたので、お年寄りが出てきてちょっとした事件に巻き込まれる話を、ってお願いしたと思います。
小野寺 そうそう。それもまあ、1作目と同じようにもちろん実際そんな酷いことにはならないんだけど。おじいさんをって言われて、僕はシリーズっていう感じで、やっぱり2人立てたかったんです。で、じゃあもう一人はどうするかなってなって、若いヤツがいいなと。孫くらい離れてた方がいいかなって。それで、継男と海平の2人が主人公になりました。
新米I 荒川はどこから……?
小野寺 徳弥と一時は出したかったけど、片見里の話だけじゃなくて東京も絡めたくて。それで、荒川区の路面電車のあたりを描いてみたかったので荒川区に。継男と海平は、片見里出身の2人で、ちょっとした事件があって、徳弥と一時も関わってくるお話にできました。
新米I 担当者から「オレオレ詐欺が流行ってるから、年寄りを素材にした話を書いてほしい」って言われて、その時は持ち帰るわけですよね?
小野寺 流れは当然そうですね。で、持ち帰って考えて。そうやったご提案をもちろん、あ、無理だなって思ったら言いますけど、でもそれは全然無理じゃないって思ったので。さらにちょうどいいなって思ったのは、受け子が年寄りだったらあんまり怪しまれないし、ちょっとありそうだし、と。
プロットは作るのですか?
新米I 一作作るのに何回ぐらい打ち合わせをするんですか?
担当K 人や作品によりけりですが、小野寺さんの場合は最初に設定の打ち合わせでお目にかかって、そのあとは出来上がった原稿についてお目にかかる感じです。
新米I プロットは作られるんですか?
担当K 小野寺さんの場合は、最初に登場人物の名前表があります。
小野寺 僕、最初に名前を全部バーッと決めちゃうんです。役割が決まってない人まで全部。40人くらいのフルネーム。やっぱり名前をダブらせたくないじゃないですか。
担当K 1回しか出てこない人でもちゃんとフルネームで書かれてて、ルビ(読み仮名)も振られてます。
小野寺 それよく言われるんです。僕、話を進めるだけに都合よく出てくる人っていうのを絶対出したくないんです。出てきた時には、とにかくちっちゃいことでもいいから、何かしら残させたいんです。
担当K その人は、どこか違う場面ではその人の人生があって、その人は生きているってことですよね。
小野寺 はい。それを何となく感じさせられるようにしたいです。
新米I では、3作目もその人物表があって。設定はどうやって決めたんですか?
担当K 3作目は打ち合わせ前に小野寺さんの中で決まっていましたね。洋と央という姉弟がいます、この2人の恋愛の話ですって。そして、1月から12月まで構成は決まっていて、それを口頭で伺いました。
小野寺 同級生の男同士やって、おじいさんと若者やって、女性が出てきてないなっていうのがあって。せっかく女性だから、ちょっと無茶な人にしたくて。そうすると男はちょっと歳の離れた弟で、タイプ的には一時に近い、頭のいい人がいいなと思って。そこに徳弥や一時だけじゃなく、2作目の継男さんや海平も登場して、さらに片見里の新しい人物も登場します。
担当K 構成には特にリクエストすることなく、原稿が上がってきました。私としては片見里シリーズの登場人物たちが大好きなので、みんなが出てきて、お互いを不器用なりに思い合って、この2人を何とかしてやろうっていう感じで。地味ながら読んでいて楽しくて。もうただただ幸せでしたし、登場人物みんながハッピーでありますように、と思いました。
新米I ありがとうございました。次回は僭越ながら私が『片見里足立アフェクション』について著者インタビューをさせていただきます!

