
一昔前までは、遠方に住む親の介護のために、離職して実家に帰る…という人が多かったものです。でも、今では離れた場所で暮らしながら親の介護をしている人がたくさんいますし、そのためのサービスも充実しています。次に挙げる7つのアイディアを参考に、自分の生活を大事にしながら、離れて暮らす親のサポートをしてみませんか?

教えてくれたのは…
▷介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子さん
1993年より老親介護の現場を取材。『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(共著、KADOKAWA)など、著書多数。
https://www.ota-saeko.com/
介護のプロの手は借りてもすべて“お任せします”はNG
親が自分で快適に暮らす環境を整えるのは、離れて暮らす子どもができる、親孝行の一つ。「親の状況は常に変化していきます。一度整えたらOKではなく、こまめに確認して、常にアップデートをする必要があります。最近は公的なサービスだけでなく、民間のサービスも充実しています。介護未満の親でも、何か困り事があった場合に役立つことがあるので、参考にしてください」(太田さん)
その1 遠距離介護の交通費は割引制度を活用
遠距離介護の場合、交通費は大きな課題に。「急なことが多く、早割を使えないことも。日本航空やスターフライヤー、ソラシドエアなど、いくつかの航空会社では介護帰省割引を設けています。事前登録が必要なので確認を」

その2 見守りサービスは、まずは試して相性がいいものを
「昼食を手渡しすることで安否確認してくれる自治体や、地域ボランティアが月に数回訪問してくれる社会福祉協議会のサービスがあります。郵便局や警備会社などもさまざまなサービスを展開。適しているか、実際に試してみて」
その3 食事の配達サービスは量や味の選択肢が拡大中
「管理栄養士監修のもの、1食分から注文可能なもの、介護食を選べるものなど、ここ数年で宅配弁当、宅食サービスは充実してきました。WEB注文など、親には難しいことも多いので、積極的に子どもがリサーチしましょう」
その4 服薬の管理はロボットに頼るのもアリ
設定した時間になると服薬するように声をかけ、薬を出してくれる機器などに頼るのもあり。「例えば『FUKU助』という服薬支援ロボットは、アプリと連携して服薬履歴や薬の在庫も確認できます」

その5 庭木や雑草のケアを定期的に依頼する
庭木のせんていは、転倒したり、熱中症になったりと、高齢の親には危険な作業です。今は親が元気だとしても、なるべく外注するのがおすすめ。「親の住む市町村にあるシルバー人材センターに連絡し、依頼するのが手ごろです」
その6 ニオイの対策を考えておく
「排せつの失敗があっても、こまめに洗濯や掃除ができないと、どうしてもニオイの問題が出てしまいます。 実家のニオイが気になったら“介護用”と表示された洗剤や消臭剤、臭わないゴミ袋を実家に常備するのもいいと思います」
その7 緊急時に誰でも家に入れるような対策を考えておく
緊急のときに、近所の人や介護者、救急隊が家に入れるように、事前に対策を取っておくのも大事。「鍵を入れてダイヤル錠でロックして保管するキーボックスを設置しておく、または施・解錠を遠隔操作できるスマートロックにするなど、検討しましょう」
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自分の生活を犠牲にして介護…というのは心身ともに長続きしにくいもの。積極的に情報を集め、使えるサービスをすべて駆使して、賢い遠距離介護の司令塔をめざしましょう!
イラスト/髙栁浩太郎
文=高梨奈々

