●中傷を知りつつ配信を続けた責任
もう一つの争点が、公開後の対応だ。
女性側は、受忍限度を超える侮辱にあたる書き込みがあると認識しながら動画を公開し続けた行為について、投稿者の侮辱に手を貸す「幇助」(民法719条2項)にあたると主張。
また、配信会社だけでなく、その代表者個人についても会社法に基づく責任を追及している。弁護士ドットコムニュースは被告側に問い合わせたが、返答はなかった。
●放送の「外側」にあるネット動画
この裁判は、出演契約や個別の投稿の違法性を超えた論点も浮かび上がらせる。
テレビなどの放送事業者は、放送法や放送倫理・番組向上機構(BPO)の枠組みのもとで、出演者の権利保護や放送後の中傷への配慮を一定程度求められてきた。
一方、街頭で撮影し、YouTubeやTikTokで発信する配信者は、そうした枠組みの外側にある。影響力は放送に匹敵する場合もある一方で、取材倫理や被害救済の仕組みは十分整備されているとは言い難い。
BPOの放送倫理検証委員会委員で、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所准教授の水谷瑛嗣郎さんに聞いた。

