出産後の心身の変化は、女性にとって大きな負担となります。気持ちが沈んだり、涙もろくなったり、さらに長引く場合は「産後うつ」の可能性も。また、近年では、夫やパートナーにも同様の症状が出ることもあると言われています。今回は、産後うつは夫にも起こるのかなどについて、「秋葉産婦人科」の秋葉先生に解説していただきました。

監修医師:
秋葉 直也(秋葉産婦人科)
順天堂大学医学部卒業。その後、東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センター、焼津市立総合病院、愛育病院、国際医療福祉大学成田病院などで産婦人科医として経験を積む。2024年、茨城県古河市に位置する「秋葉産婦人科」の院長に就任。医学博士。日本産科婦人科学会専門医・指導医、日本人類遺伝学会専門医、日本周産期・新生児医学会専門医(母体・胎児)。母体保護法指定医師。
編集部
「産後うつは夫にも起こる」というのは本当ですか?
秋葉先生
そのように言われていますね。出産後の女性を支えるパートナーにも精神的ストレスがかかることがあり、うつ症状が出ることもあります。特に仕事と育児の両立やパートナーとの視点の違い、無力感などに悩むケースが多いですね。
編集部
具体的に、どのような症状がみられるのでしょうか?
秋葉先生
パートナーに起こる症状も、女性の産後うつと似ています。イライラしやすくなったり、不安感が強くなったり、やる気が出ない、眠れないといった症状が挙げられます。また、気分の落ち込みとは逆に、怒りとなって症状が出ることもあり、自分が産後うつ状態にあるとは気づかない人も多いのが特徴です。
編集部
どちらもなってしまうこともあるのですか?
秋葉先生
そうですね。夫婦それぞれが心身ともに疲弊している場合、互いの変化に気づけないまま症状が悪化することもあります。特にコミュニケーション不足や育児・家事への意識の違いから孤独感が生じ、精神的負担を感じる人も少なくありません。パートナーシップの考え方として「どちらかの精神状態が不安定だと引っ張られる」という報告もあります。
編集部
産後うつの予防法はありますか?
秋葉先生
産後うつの予防の第一歩は、妊娠中から産後の生活を見据え、夫婦で役割分担やサポート体制について話し合っておくことです。また、家族や周囲の協力を得られる環境を整えることや、無理せず自分の時間を持つことも重要です。最近は産後ケア施設なども少しずつ増えているので、利用するのもいいでしょう。些細な不安や心配事でも、ためらわずに相談したり頼ったりする習慣を持つことが、何よりの予防になります。
※この記事はメディカルドックにて<「産後うつ」は母親だけじゃない? 父親も抱える“孤独やストレス”原因・対処法を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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