「頭に直撃したらどうする?」世界陸上、砲丸がスタッフに直撃寸前 運営「防ぐべき事案」

「頭に直撃したらどうする?」世界陸上、砲丸がスタッフに直撃寸前 運営「防ぐべき事案」

東京で開催中の陸上世界選手権(世界陸上)。男子棒高跳びではアルマンド・デュプランティス選手が世界記録を樹立し、女子20キロ競歩では藤井菜々子選手が日本新記録で銅メダルを獲得するなど、日本で18年ぶりに開かれた大会は大きな盛り上がりを見せている。

しかし、9月13日に行われた男子砲丸投げ決勝で、スタッフに砲丸が当たりそうになる危険な場面が発生。あわや大事故となりかねない事態に、SNS上では「頭に直撃したらどうする?」と、批判が相次いでいた。

大会を運営する東京2025世界陸上財団は弁護士ドットコムの取材に対し、「事故につながりかねず、運営上、防ぐべき事案だった。引き続き適切な運営を目指す」とコメントした。

⚫︎スタッフの脇数十センチに砲丸が落下

問題となったのは、ナイジェリアのC.C.エネクエチ選手の5投目。SNSに投稿された映像では、エネクエチ選手の投てきした砲丸が20メートル付近に落下し、すぐ近くで整地作業をしていたとみられるスタッフの脇をかすめるように落ちた様子が映っている。

スタッフは試技が始まっていることに気づいていなかったとみられ、突然落下した砲丸に驚いた様子を見せた。サークル上のパイロンは既に取り除かれており、競技が可能な状態だった。

投てき種目には制限時間が設けられており、エネクエチ選手はスタッフの存在に気づいていたものの、制限時間を意識し、痺れを切らして投じたようにも見える。この投てきはファウルとなり、最終的にエネクエチ選手は6投目で21.52メートルを記録し5位に終わった。

⚫︎大ケガに繋がりかねないヒヤリハット、運営に批判殺到

砲丸があと数十センチずれていれば、直撃して大ケガにつながった可能性もある今回の事案。SNSでは「運営に緊張感が足りない」「危うく大事故だった」と運営側を批判する声が殺到した。

一方で「選手に非はない」「運営に抗議するためわざとファウルにしたのでは」とエネクエチ選手を擁護する意見も見られた。

東京2025世界陸上財団は「このような事案は事故につながりかねず、運営上防ぐべきものと考えています」と釈明。そのうえで「その後の競技では再発防止のため進行方法を再確認し、競技終了後も改めて周知徹底を図りました」と説明し、「引き続き適切な運営を目指す」と述べた。

大会は21日まで行われる。

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