これからの時代を生きる子どもたちの未来を考えると、「英語が話せる方が可能性は広がる」と感じることもあるのではないでしょうか。
早めの英語教育は日本語にも好影響!? 幼児教育のプロにママの疑問を聞いてみた。
12,695 Viewこれからのグローバル社会や2020年の教育改革を考えると、英語教育の重要性はますます増しています。でも日本語も習得できていない時期から英語教育を始めてもいいものなのでしょうか? 今回は、「えいごであそぼ with Orton」の総合指導などを務める玉川大学大学院教育学研究科の佐藤久美子教授に話を聞いて来ました。
英語教育、いつから始めよう?
2020年の教育改革では、小学3・4年生からの英語必修化も始まり、今まで以上に注目が集まる英語教育。
最近、「英語を始めるなら早い方がいい!」という声を耳にする機会も多くありますが、果たしてそれは本当のことなのでしょうか?
その理由は何なのか。いつから始めるのが一番いいのか、始める時に親はどんな関わり方をすればいいのか…。
今回は乳幼児の言語発達などに詳しい英語教育の専門家に、ママたちの疑問を聞いてきました。
<プロフィール>
佐藤 久美子(さとう くみこ)
玉川大学大学院教育学研究科教授。
専門は乳幼児の言語獲得・発達研究、英語教育など。
NHK Eテレ「えいごであそぼ withOrton」総合指導をはじめ、過去にもNHKラジオ「基礎英語3」「基礎英語2」の講師を8年間務めた英語教育のスペシャリスト。
ママの疑問① 英語に早く慣れた方がいい本当の理由って?
ーー佐藤先生、今日はよろしくお願いします。
さっそくですが、最近「英語を始めるなら早い方がいい」という話をよく耳にするようになりました。どういった理由からそのように言われているのでしょうか?
まず誤解してほしくないのは、英語を始めるのに遅すぎるということはないということです。
その上で早い段階から英語に触れるということには、幅広い音を聞き分けられる耳を育てるということに役立つ部分があると思います。
ーー幅広い音を聞き分ける…?どういうことでしょうか。
赤ちゃんは生後2〜3日でママとそれ以外の人の声は聞き分けることができ、だんだん単語の発音の聞き分けができるようになりますが、聞き取りやすい音と聞き取りにくい音があります。
赤ちゃんの言語習得の研究をしているパトリシア・クール氏は、たとえば英語の「R」と「L」の聞き分けが10ヶ月ごろにできるようなることを、調査から明らかにしています。
(参考:パトリシア・クール氏 「スピーチ・コードを解読する : 乳児はどのように言語を学習するか」2007年)
日本語でも同様のことが言えて、たとえば生後5〜6ヶ月で「ら」と、「は」や「わ」のように明確に異なる音は聞き分けられますが、「ら」と「だ」のような似た音は聞き取れません。
10ヶ月頃になると「R」と「L」の聞き分けができるようになるのと同じように、日本語で言えば「ら」と「だ」など、似た音も違うものだと認識できるようになるということが、私たち赤ちゃんラボの実験などから分かっています。
つまり、1歳くらいで母語の理解に必要な音を獲得しますので、1歳になる前からいろいろな音に触れていると、音を聞き分ける能力が育まれるというわけです。
ーーなるほど。そういった理由から、早めの英語教育が良いと言われている、と。
その後も、5〜6歳頃までは日本語のフィルターを通さず、聞いたままの音を真似しやすいので、英語の聞き分けが比較的スムーズにおこなえることが多いようです。
このように早い時期から英語に慣れておく方が、幅広い音を聞く耳を育ててくれるのは事実です。
だからと言って大きくなってからの英語教育が遅すぎるわけではありません。
年齢によって学び方が変わってくるだけですので、安心してくださいね。
ーー遅すぎることはないとのことですが、一方で早すぎるということもないのでしょうか?
まだ日本語も話せないうちから英語教育を始めてしまうと、逆に日本語が不自由になってしまうのではないかと不安で…。
0歳頃から英語を聞き始めたお子さんはその後、英語と日本語を混ぜて話すことが多いですね。
おそらく聞き取りやすい、自分が発音しやすい言葉で話すからでしょう。
でもそうやって話すこと自体は、全く心配する必要はありません。
自分が発音しやすい言葉で話したがるのは、英語教育を受けていないお子さんも一緒ですから。
むしろ私は、日本語を話す上でもいい影響があると考えています。
ーー日本語にもいい影響…?一体どういうことでしょうか。
0歳の頃から「ベネッセ」の英語教育を受けているお子さんと、そうではないお子さんそれぞれ20名を追従調査して4年になりますが、ある実験(※)を行ったことがあります。
(※ Worldwide Kidsを用いて検証)
それは、こちらが発する日本語の未知語(たとえば「かがみ」を「みかが」、「まねきねこ」を「ねきねこま」と語順を変えて提示する単語)を正しく真似できるか、というもの。
この実験は、「初めて接する言葉をどれくらい反復できるか」を比較するもので、結果的に0歳から英語教育をおこなっているお子さんはそうでないお子さんに比べて、3歳くらいの時点で「反復能力」が3倍ほど発達していました。
3歳としての語彙力には大きな差が見られなかったのに、「反復能力」についてこれほど違いが出たのは、おそらく英語教育を受けているお子さんの方が、DVDなどから聞こえる音を集中して聞いたり、音の真似をしたりするなどの経験を多く積んでいるからと考えられます。
ーー「反復能力」、ですか。それが日本語の発達にどのような影響が…?
反復能力が高いお子さんは、注意して音を聞いて覚え、それを再現するということができています。
すなわち短期記憶の部分が鍛えられており、結果的に語彙力もついています。
5歳くらいまでの子どもを調べると、未知語の反復力と語彙力には相関があります。
語彙力は発話力にもつながりますので、コミュニケーション力が発達する可能性も生まれます。
将来英語を使わない職業に就いたとしても、そのコミュニケーション能力はきっと役立つはずですよ。
単純に英語を話せるようになるというだけでなく、語彙力を鍛えたりコミュニケーション能力を育んだりするという意味で、早く英語教育を始めるメリットはあると言えるでしょう。
ママの疑問② 英語を始めるならどういう方法がいいの?
ーー先ほど、「英語を始めるのに遅すぎることはない」「年齢によって学び方が異なる」というようなお話がありましたが、この年齢にはこういう学び方がいいというような目安はあるのでしょうか?
そうですね、お子さんが歩けない年齢から英語教室に無理をして通う必要はないかなと思います。
2歳くらいまではママと楽しいひとときをすごしたい年頃ですし、おうちでの学習もいいと思います。
たとえば、絵本を読んだりCDを聞いたり、DVDを一緒に見たり、といった方法が考えられますね。
人見知りがおさまって、お友だちとも仲良く遊べるくらいの年齢になってきてから、英語教室に通うかどうかを検討しても十分遅くはありません。
ただし教室を選ぶ際は、ネイティブの先生がいるかどうか、といった学習面を重視しすぎるのではなく、「子どもとの関わり方が上手な先生かどうか」「子ども自身が楽しんで通えるかどうか」といった、お子さんに負担のない環境を重視した方がいいですね。
もし合う教室がないのであれば、焦って合わない教室に通う必要はないと思います。
ーー英語教育というと、やっぱり教室に通って外国人の先生から本場の発音を学ぶべき、と思っていたんですが、家でもできることはあるんですね。
もちろん!特に0〜1歳くらいの間は、外に出て教室に通い続けるというのはママもお子さんも大変でしょう。
自宅での学習も十分役に立ちますよ。
DVDを見ながらママも一緒に楽しむという方法がおすすめです。
ーーDVDやCDを流しているだけではだめなんでしょうか?
DVDやCDを流しているだけだと、お子さんは自発的に真似をしようとは思いませんね。
でもママや周りの大人が「これが〇〇だね」「あれは何かな」と、話しかけることで発語や真似を引き出すことができます。
私たちが行った絵本の読み聞かせに関する調査において、コミュニケーションは、「言語・視線・タッチ(触れ合い)」がそろっていると取りやすいと思われます。
たとえばキャラクターが出てくるDVDを一緒に見ながら、お子さんと視線を合わせてキャラクターにタッチしたり真似したりしながら、親子でコミュニケーションを取ることをおすすめします。
ママの疑問③ 親ができることって…なに!?
ーー実は私、英語の発音に自信がなくて…。英語を子どもと一緒に楽しもうと思っても、どうしても苦手意識があるのですが…。
そういうママも多いですね。でも大丈夫!
先ほどお話したベネッセの実験(※)では、ママの語彙力や発音力とお子さんの語彙力や発音力には全く相関関係がないことが分かっています。
(※ Worldwide Kidsを用いて検証)
聞き分ける耳が発達しているお子さんは、たとえママの発音が間違っていたとしても、DVDなどから正しい発音を聞き分け、それを話すことができるんです。
ーーわ、そうなんですね!ちょっと安心しました。
子どもがある程度大きくなったら、「ママの発音、違うよ!」って指摘されることもありそうですが…。(苦笑)
確かにそういうこともあるかもしれませんね。
ママの語彙力や発音力よりも、積極的に言葉を真似したとか、英語を一緒に楽しもうとしたとか、保護者がどのようにお子さんに関わってきたかということの方が、お子さんの英語習得に関して影響がありそうということも、同じ実験から分かっています。
大切なのは、ママ自身が子どもと一緒に英語を楽しむ気持ちを持つということ。
子どもを楽しませようとするのではなく、まず自分がどうすれば英語を楽しめるのか考えてみましょう。
ママが歌が好きなら一緒に英語の歌を歌ったらいいし、絵が好きだったらABCを一緒に描いてもいい。
料理が好きならABC型のクッキーを作るという楽しみ方もありますね。
ママが楽しんでいることが伝われば、お子さんもそれを真似して一緒に楽しんでくれるはずです。
ーーまずは親自身が英語を「勉強する」という意識ではなく、英語を「一緒に楽しむ」という姿勢で向き合うことが大切ということですね。
そうですね。DVDを見る時も英語の絵本を読む時も、言葉や体の動きを真似してみること。
お子さんにインプットするばかりでなく、アウトプットを引き出して、一緒に楽しむことが大切です。
「英語教育」を難しく考える必要はありません。
英語の単語が話せるようになった、新しいことが通じるようになったといった、お子さんの成長を感じる機会も増えるでしょう。
コミュニケーションの一つとして、またお子さんの成長を感じ、褒めるきっかけが増えたと捉えて、親子で一緒に英語を好きになってみてはいかがでしょうか。
1歳からの英語教育。始めるなら今がチャンス!
佐藤先生のお話を通して、早い時期から英語に触れることは子どもの将来的な語学力に役立つだけでなく、親子のコミュニケーションとしても効果的なことが分かりました。
まずは英語を楽しむ環境をつくりたい!
1歳くらいになって、子どもと何か新しいことを始めたい…!
そう思ったなら、〈こどもちゃれんじぷち English〉がおすすめです。
「英語が楽しい、もっと聞きたい・覚えたい!」と感じる子どもたちのワクワクした心=「えいごころ」をもっと育みたい。
そんな思いから、1歳からの英語コースとして2018年3月に新しく開講するのがこの〈こどもちゃれんじぷち English〉です。
1歳から英語を始める時、特に役立つ3つのポイントに絞ってご紹介しましょう。
ポイント1. 音・リズムから学ぶ
英語と日本語は全く違うリズムや音のおもしろさを持っています。
英語特有の音・リズムで遊ぶために、ベネッセが着目したのは「マザーグース」。
英語圏の子どもたちも言葉は「マザーグース」から学ぶことも多いそうですが、〈こどもちゃれんじぷち English〉も同じような音・リズムで英語に親しみ始めることができます。
映像や絵本、おもちゃなど多彩な遊びを通して、楽しく英語の音やリズムと触れ合うことで、自然と英語特有の音やリズムが身についていきます。
ポイント2. 日常の中でくり返しふれる
1歳の頃は特に、「英語を勉強する時間」を設けるよりも、日々の生活や遊びの中で自然と英語に触れあうことが大切です。
教材の中では、身近なシーンの会話を厳選してお届け。
子どもたちが大好きなしまじろうも登場するので、動きと合わせて英語も真似がしやすいかもしれません。
ポイント3. 親子のふれあいの中で楽しむ
佐藤先生のお話の中にもあったように、まず親子で一緒に英語を楽しむ時間が大切。
英語は話せないから…と不安に思っているママも、〈こどもちゃれんじぷち English〉なら大丈夫!
スキンシップを取ったり遊んだりしながら、自然と英語が楽しめる教材づくりで、英語が苦手なママも無理なく続けられるはずです。
子どもにも、それを見守りサポートするママ・パパにもうれしい秘密がいっぱいの〈こどもちゃれんじぷち English〉。
1回あたり2,880円(税込)から始められるコスパの良さも魅力的です。
※〈こどもちゃれんじ〉会員特別価格。通常価格は1回あたり3,571円から。いずれも一括払いの場合。
※1回のみのご受講はできません。
「英語教育を早く始めなきゃ!」と身構えるのではなく、親子で一緒に何かを楽しみ、分からないことが分かるようになる喜びを子どもに味わってもらうために、まずは英語に触れあう時間を作ってみませんか?
学生時代、英語がずっと苦手だったというママも、子どもと一緒に楽しむことで新たな発見にきっと出会えるはずです。
※ 今回の記事は佐藤 久美子先生への取材を元に、記事について監修いただいております。内容につきましては一部個人の見解を含みます。
※ こどもちゃれんじぷち English〉の資料請求・入会申し込みには、氏名や住所など個人情報の提供が必要となります。詳しい条件につきましてはリンク先をご確認ください。
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