我が家は、4歳の男児、3歳の男児、ワーママ、ワーパパの四人家族です。
長男は人懐っこく、誰かを喜ばせたり楽しませたりするのが好きなタイプ。
一方で繊細なところもあり人の顔を窺ってしまうことも多いです。
次男は、マイペースで自分のやりたいことは貫き通す意志の強さと、天真爛漫で笑顔が魅力な朗らかタイプ。
頑固な時は本当に頑固で、0歳時点で、もうイヤイヤ期…?と驚くぐらい、頑なところがあるような子でした。
そんな我が家の二人は、年子であることもあり、見た目もちょっと似ていて「双子みたい」とよく言われます。
でもやっぱりそれぞれ全然違って、それがいい。
そんな二人だからこその、ときめきと笑いの混ざった、エモーショナルなエピソードをご紹介します。
「ママ可愛い」甘いセリフ連発な兄の横で…弟がドヤ顔の理由<第三回投稿コンテスト NO.20>
6,287 Viewうたうたこさんは、年子の兄弟を育てられています。2人は双子に間違われることもあるものの、性格はまったく違うそう。それぞれの愛しさがギュッと詰まったお話です。
我が家の長男は3歳の頃、何故か王子様キャラになっていた時期がありました。
その頃は、ことあるごとに甘いセリフが飛び出してきていて、
「おかあちゃん、ほんとうにかわいいね」
「そのままでいいんだよ、おかあちゃんは」
「おかあちゃんがだいすき過ぎて、ぼく、うれしくて泣きそう」
「ぼくは、おかあちゃんを笑顔にしたいんだあ」
…こんな調子。(すべて実録のセリフです。)
私は、日々繰り出される甘いお言葉の数々に、「こ、これがいわゆる小さな彼氏というやつか…!」と、“男児の子育てあるある”を体感できたことに感動していました。
しかしながら連日続く王子様の素敵なセリフは、あまりに多すぎて毎回幸せな気持ちになるというより、まるでナンバーワンホストの接待を受けているよう。
キュンとときめきを覚える…を通り越して感心の域に達しておりました。
勿論嬉しい気持ちは毎回本人に伝えて、本人が嬉しそうに、顔がへにゃへにゃと崩れた笑顔になるのを見ています。
一方、マイペースな次男2歳。
彼は「おかあちゃん、おかあちゃん」と常日頃から甘えてくるタイプではありません。
むしろ「べーロベーロバー」と言いながら何故かお尻を出して逃げるような、典型的な男の子っぷりを既に発揮していました。
そして、一つ上のおにいちゃんが大好きで、やることなすこと、基本的には真似をしたくて後ろをくっつき回っていました。
おにいちゃんが絵を描けば「ぼくもー!」、歌いだせば一緒にハーモニーを奏で、踊りだせば隣で踊りだす(でも全然違う踊りなのがポ
イント)、そんな毎日。
でも、王子様のような甘い言葉を口にすることはなく、抱っこをせがんだり、怖いときには真っ先に甘えに来たりなど、彼は彼なりのやり方で母への愛を伝えてくれていました。
そんなある日、いつものように王子様な長男が、やけに真剣な瞳で、でも微笑みながら私の顔を見て言いました。
「おかあちゃん。ぼくね、おかあちゃんを守るために生まれてきたんだよ」
えー!!そのセリフと3歳児とは思えないなんだか大人びた表情に、私は正直動揺してしまいました。
…王子様を通り越して、もはやヒーローのセリフです。
もしかして未来からタイムスリップしてきてくれたのかしら?
恐らく、その時彼がハマっていたプリキュアの影響が大きかったのだと思います。
ただ、その言葉は胸キュンで済ませるにはちょっと重みがありました。
長男から伝わる深い愛情に対し、感慨深い気持ちと、「子供は守られていていいんだよ!」という親としてのプライドで焦ってしまった私。
思わず、「で、でも!おかあちゃんはお母さんだし長男くんを守る側だよ…」などと慌て始めてしまったのですが、その時。
「ぼくはね…」
違う所で遊んでいたはずの次男が、いつの間にか近くに来ていました。
そちらに顔を向けると、こちらもやや真剣な面持ちで、私をしっかり見ています。
思えばいつも王子様の隣で甘言をずっと聞いていた次男、ついにここでも真似しよう、という気持ちになったのかもしれません。
次男の甘い言葉は初めてなので、ドキドキしながら見守る私。
一体どんなことを言うんだろう?
すると、彼は今まで見たことないくらいに得意げな顔で、こう言ってくれたのでした。
「ぼくはね、おかあちゃんのおなかの中から生まれてきたんだよ!!」
間違いない。
間違いないのだけれど、ちょっと間違っている…。
それなのに次男の、「僕もおにいちゃんみたいに言えたでしょ」といわんばかりの満面の笑みで、長男の言葉に対する動揺も吹っ飛び、思わず本当に膝から崩れ落ちて笑ってしまいました。
そして、長男の言葉も純粋に「そんなふうに思うまで愛してくれて、嬉しい」と素直に思え、次男の、“兄と同じように何か言葉で伝えたかった健気さ”で胸がいっぱいになりました。
二人をギュッと抱き寄せて、「おかあさんは二人がだい、だい、大好きだよ」とゆっくり伝えたのを覚えています。
(ライター:うたうたこ)
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