「ずりばい」は、うつぶせの状態から自力で首や上体を起こし、腕や上半身、足の裏の力を使いながら前に進んでいく状態のことを指します。
体を連動させて動かすことに慣れていないと、前ではなく後ろに下がったり、同じ場所でくるくると回ったりという姿が見られます。
このような経験も無駄なことはなく、赤ちゃんの成長にとって経験の積み重ねは必要なものとなります。
ずりばいは、赤ちゃんが床の平面上で自由に動ける状態になったということです。
上や下だけだった赤ちゃん自身の見える世界が、前や横などへ大きく変わります。
しかし、発達には個人差があるため、必ずしも「この時期にこれができるようになる」ということはありません。
赤ちゃんそれぞれにペースがありますので、焦らず見守ってあげましょう。
ずりばいの時期はいつから?寝返りからずりばい前後の赤ちゃんの発達を紹介
9,231 View首がすわり寝返りを打てるようになった赤ちゃんは、うつぶせの状態から自分の体を上あげられるようになります。その状態で、腕や上半身、足の裏の力を使って前に進んでいくことを「ずりばい」といいます。ずりばいを始める時期や行う期間や頻度は、個人差がとても大きいとされています。今回の記事では、ずりばいをする時期の前後の発達の特徴も交えて、赤ちゃんの発達を紹介します。
ずりばいとは?
首や上半身がしっかりしてくる
赤ちゃんによって個人差があり時期は異なりますが、生後5ヶ月頃になると首や上半身の力がついていきます。
赤ちゃんの様子に合わせて少しずつうつぶせの時間を取り入れながら、うつぶせの状態に慣れるように促していくのも良いでしょう。
慣れていない最初の頃は、うつぶせで顔を伏せたままどうしたら良いのか分からない素ぶりを見せることもあります。
しかし何度も経験していくにつれ、手を前に出して顔をあげ、首を左右に動かせるようになっていきます。
うつぶせで首や顔を動かすことができない間は、赤ちゃんが苦しくなってしまうので十分な見守りが必要。
目を離さずにサポートしてあげ、うつぶせの状態が長時間になってしまい赤ちゃんの負担にならないようにしましょう。
この時期には、あおむけの状態で足を上げたりつかんだりする子もいます。
あおむけからうつぶせへと寝返りができるようになるという姿が見られることもあり、赤ちゃんの世界が大きく広がります。
ずりばいやおすわりで動きが活発に
うつぶせに慣れてくると、一定の時間首をあげた状態を維持できるようになるでしょう。
腕や上半身、足の裏などを使って前へ進むずりばいをしたり、寝返りを繰り返すことで横に移動したりと行動範囲が拡大。
仰向けに寝ている状態だった間にも、赤ちゃんは体を動かしているので、日々少しずつ筋肉がついています。
上しか見ることのできなかった状態から、前方や下も見ることができるようになり、赤ちゃんの見える世界がさらに大きく広がっていきます。
上半身だけでなく、背骨や足腰など下半身の力もついていくことで、徐々におすわりの姿勢ができるようになります。
おすわりの初めの時期には、前に手をついたり何かに寄りかかったりしなければ座る姿勢を維持することができません。
座っている状態を保つことができず安定しないため、前後左右に転んでしまうこともあります。
頭を床に強く打ったり、床に落ちてあるものにぶつかったりする危険があるので、赤ちゃんの周りに危険なものがないか確認しておきましょう。
十分に動き回ることができるように広いスペースを確保し、安全面に気をつけた環境作りを心がけてください。
ずりばいの時期を経て好奇心旺盛に
ずりばいやおすわりの時期を経て、体全体の力がついていきます。
前にもたれたり後ろに倒れたりという経験や日々の繰り返しの運動が、その後の一人すわりやハイハイへとつながる大切な時期でもあります。
一人すわりとは、寝転がっている状態から座る状態になり、支えなしで座っていられることを指します。
赤ちゃんが自分でできることが増えてくると行動範囲が広がるので、ますます活発になっていくでしょう。
身体全体から細部へと発達が広がり、指先や手を器用に使えるようにもなります。
好奇心が旺盛になって、座りながら近くにあるおもちゃを手に取って遊んだり、片方の手からもう片方の手へとおもちゃを移動させたりします。
目と手の動きが連動してくると、興味のあるものに手を伸ばして掴んで取ることができるようになります。
ティッシュやおしりふきなどを一枚一枚取り出して遊ぶこともあるでしょう。
この時期に必要なのは事故予防です。
自分の手が届くものは何でも口に入れて、感触を確かめるので、誤飲に十分に気を付けてあげる必要があります。
赤ちゃんの口に入ってしまいそうな大きさのものは、手の届かない場所に片づけておきましょう。
目安としてはゴルフボールくらいのものとされています。
これを機に、赤ちゃんが過ごす環境を見直してみるのも良いですね。
ずりばいとハイハイの違い
腕や上半身、足の裏などを使ってお腹を床につけたまま前に進もうとする姿を「ずりばい」といいます。
「ハイハイ」とは、両手で上半身を支えながら、四つん這いの姿勢のまま両手足を連動させて前に進んでいく姿です。
ハイハイを速いスピードでできる子、ずりばいやハイハイをせずに立つ子など様々です。我が子がしないからといって焦ることなく見守りましょう。
ずりばい、ハイハイの時期には個人差がある
乳幼児期の子どもの成長発達は、一人ひとりの個人差が顕著であり、年長児でも小学生でも個人差は見られます。
年齢が小さければ小さいほどその差は大きいものです。
赤ちゃんは、1ヶ月ごとの月齢に沿っておおまかな指標が示されていますが、「この時期に絶対にできなければいけない」というものではありません。
あくまでも目安として考えましょう。
ずりばい、ハイハイなどそれぞれの動きをどのくらいの期間するのか、どの程度の頻度でするのか、ということも赤ちゃん一人ひとりによって異なります。
平均や標準といった考えにとらわれすぎたり、他の子どもと比べたりすると、パパやママ自身のストレスやプレッシャーになってしまうことも。
そして赤ちゃんはパパやママの気持ちを敏感に感じ取ります。
赤ちゃんのためにもゆったりとした気持ちで関わってあげたいですよね。
動き回るのが好きな子もいれば、ゆっくりと時間をかけて成長していく子もいるので、赤ちゃんのペースに合わせて成長を見守っていくことが大切です。
赤ちゃんへの関わり方
赤ちゃんが安心して過ごすためには、身近にいる人との関係をつくっていくことが必要です。
赤ちゃんの顔を見ながら優しく話しかけたり、童謡や子守唄などの歌を歌ったりしてみましょう。
「いつも一緒にいてくれる人」と認識し安心感を感じることで、信頼関係や愛着関係を築いていきます。
うつぶせ、ずりばい、おすわりなどができないから、他の子と比べて遅れていると感じて焦る必要はありません。
何かを特別に用意するのではなく、遊びの場面を上手に活用して身体の発達を促してあげると良いでしょう。
赤ちゃんがのびのびと遊び、生活することができるよう、事故や怪我には十分に気をつけながらその時期に適した環境を作ってくださいね。
赤ちゃんの発達段階を理解し、発達に合った関わり方を
赤ちゃんの寝返りからずりばい、そしておすわりへと移行していく段階の発達について紹介しました。
赤ちゃんの成長はとても早いため、いつの間にかできるようになっていることも多いものです。
「もうできるようになったの?」「いつできるようになったの?」と大人が驚くこともしばしば。
大きくなった時に、「ずりばい時期の姿がもう一度見たい」「あの頃の姿がもう一度見たい」と思っても、時間を戻して見ることはできません。
他の子と成長のスピードを比べてしまうと、我が子の成長を素直に喜ぶ余裕がなくなり焦ってしまうでしょう。
「今」しか見ることのできない赤ちゃんの貴重な姿を噛みしめて忘れないようにしながら、大切な我が子との時間を大切に過ごしていきたいですね。
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