夜間断乳とは赤ちゃんに母乳を与えることを完全にやめる断乳とは違い、日中の授乳は変わらず与えながら夜間の授乳のみをやめたり、回数を減らしたりしていくことを言います。
夜間断乳とは別に、部分的卒乳と呼ばれることもあります。
母乳で育てている場合多くの赤ちゃんが、生まれてから1歳前後まで夜中に2~3回程度の授乳をします。
そのため、まとまった睡眠をとることができず、慢性的に睡眠不足という方も多いのではないでしょうか。
赤ちゃんが長時間授乳なしで眠れるようになってきたら、思い切って夜間断乳を検討してもよいでしょう。
離乳食が進むことで、日中に必要な栄養を十分に摂取することができれば、夜間の授乳をやめても成長に問題はないでしょう。
夜間断乳をすることによって、日中の断乳や卒乳がスムーズになるといった声も多くあります。
一般的に夜間断乳をすることによって、その後の断乳や卒乳がスムーズになると言われています。
しかし、それらには医学的な根拠はなく特に夜間断乳が推奨されているわけでもありません。
そのため、夜間断乳は必ずしも必要というわけではなく、親子それぞれのタイミングや必要に応じてはじめると良いでしょう。
夜間断乳をいつから始めるかですが、きっかけとしては育休明けの職場復帰や保育園入園のタイミングで、ママの体力的な理由からはじめる方が多いようです。
また、赤ちゃんの頻繁な夜泣きなどで慢性的な睡眠不足となり、身体的にも精神的にもストレスの原因となることも。
そういった夜間の授乳が心身ともに負担となっている場合に、お母さんの体調を考慮して夜間断乳をする方も多く見られます。
その他には、2人目や3人目などの妊娠を考えていて徐々に断乳や卒乳をしたい場合などがあげられます。
夜間断乳をすることによってどんなメリットがあるのでしょうか?
また、反対に夜間断乳にはどんなデメリットがあるのかをそれぞれ比較してみましょう。
夜間の授乳が原因で慢性的な睡眠不足やストレスとなっている場合、夜間断乳をすることによって、睡眠不足を解消することができます。
十分な睡眠が得られるようになると、ママのストレスも軽減されイライラが少なくなり、気持ち的に楽になるでしょう。
職場復帰などをされる場合、自身の体力や体調を考慮して、夜間断乳することで負担軽減が見込めます。
医学的根拠はありませんが、夜間断乳の体験談で「日中の授乳回数も減った」「その後の卒乳がスムーズになった」と言う声も多く見られます。
卒乳や断乳のファーストステップとして、夜間断乳を取り入れるのも良いでしょう。
その他には、赤ちゃんがおっぱいがなくても入眠できるようになることで、ママ以外でも寝かしつけができるようになります。
夜間断乳を機に、パパや他の家族と寝かしつけを分担してみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんにとって、夜の授乳はママとの大切なスキンシップの時間。
夜間断乳が赤ちゃんにとって大きなストレスとなる場合もあるため注意が必要です。
授乳をすることで赤ちゃんは安心感を得ることができ、リラックスして眠ることができます。
夜中におっぱいが飲めなくなったことで、日中赤ちゃんがより一層おっぱいへの執着心が増すといった可能性もあります。
赤ちゃんの精神的な部分を考慮すると、夜間断乳は大きな負担となることが懸念されています。
また、急に授乳回数が減ることで乳腺炎になったり、さらに悪化すると乳房潰瘍になったりと、おっぱいトラブルも考えられます。
普段から頻繁に授乳をしていた方は突然授乳回数を減らすと、自分ではそんなに出ていないと思っていても、おっぱいがパンパンに張ってしまうこともあります。
乳腺炎などが心配な場合は、事前に助産院や母乳外来などに相談するのも良いでしょう。
急いで夜間断乳をしなければならない理由が特にないのであれば、赤ちゃんとママのコミュニケーションとして授乳を続けてあげるのも良いでしょう。
夜間断乳はいつからはじめるといった明確な目安はありません。
スタートするタイミングはだいたい1歳を過ぎてから、1歳2ヶ月~1歳3ヶ月ごろにはじめる方が多いようです。
離乳食が3回食となり哺乳瓶やマグなどを使って、必要な栄養や水分を十分に摂取できるようになっていることが前提です。
夜中の授乳回数が減って長時間眠れるようになったり、おっぱいがなくても眠れるようになったりしたら、夜間断乳をはじめましょう。
また、赤ちゃんがなんとなく大人の言葉を理解できるようになってからはじめると良いでしょう。
きちんと言葉にしてあげることによって、すべてが理解できなくても赤ちゃんには伝わります。
断乳や卒乳には個人差があるので、この時期に行うのが正しいといった明確な基準はありません。
夜間断乳も同様に、焦らず、赤ちゃんのタイミングや体調などに合わせて検討しましょう。
夜間断乳を成功させるやり方として、、まずは赤ちゃんに夜中におっぱいを飲まないということを言葉で伝えましょう。
この時期の赤ちゃんは、まだ完全に言葉がわかっていなくても、少しずつ理解できるようになってきています。
また、赤ちゃんがスムーズに入眠できるように生活リズムを整えるのも夜間断乳を成功させるためのポイントです。
お昼寝はダラダラとさせずに1時間程度にとどめて、日中はできるだけ体を動かして活動的に生活することを意識しましょう。
生活リズムが整うことで、赤ちゃん自身も眠る時間と活動する時間のメリハリができて、スムーズに入眠しやすくなります。
普段、添い乳などで入眠している場合は、赤ちゃんはどうやって寝たらいいのかわからなくなってしまいます。
夜眠るときや夜泣きをしたときに、おっぱいの代わりとなる寝かしつけ方法を用意しておきましょう。
背中を優しくトントンしたり腕枕をしたりしてあげる、子守歌を歌ってあげるなど、それぞれ赤ちゃんに合った入眠方法を見つけてあげるのがコツです。
また、おしゃぶりやオルゴール、お気に入りのタオルを持たせるなど、赤ちゃんのお気に入りの入眠グッズを用意するのも良いでしょう。
夜間断乳をはじめた最初のころは、夜中に目覚めた時におっぱいがもらえず、多くの赤ちゃんは大泣きをします。
大泣きする赤ちゃんを前に、心が折れてしまいそうになりますが、夜間断乳をすると決めたのであれば最低3日は断乳を続けましょう。
途中でおっぱいを与えてしまうと、夜間断乳は振り出しに戻ることとなります。
また、おっぱいを貰えたりもらえなかったりといった状況は、赤ちゃんが混乱してしまいストレスとなってしまうため注意しましょう。
泣いているわが子を見るのは最初は辛いですが、多くの方は3日~約1週間程度で夜間断乳が完了しているようです。
夜間断乳間完了を乗り越えるためにも、断乳時にはパパや他の家族に寝かしつけてもらうなど、家族の協力が得られるタイミングで行うのもひとつの方法です。
赤ちゃんにとって大切な親子のスキンシップでもある夜間の授乳。
その一方で、慢性的な睡眠不足は授乳をするママにとって大きなストレスの原因ともなります。
忙しい日々の中でなかなか思うように睡眠がとれないと、ついついイライラしてしまうことも。
少しでも楽しく子育てと向き合うためにも、夜間断乳はひとつの手段です。
いつからはじめるといった明確な目安はないので、赤ちゃんの成長やご自身の体調など、それぞれのタイミングに合わせて検討してみましょう。