我が家には、小学校2年生の男女の双子がいます。
今年の夏休みは2週間。
短い夏休みでも宿題はしっかりと課されていたので、双子たちは日々これらに取り組んでいました。
夏休みも残り数日となったある日のこと。
「はいこれ、丸付けお願いします!」と言って、双子が夏休みの宿題のワークブックを持ってきました。
双子が通う小学校では、夏休みの宿題の丸付けは保護者がしなければなりません。
国語と算数で40ページほどのワークブックと、解答シート。
ここからはまさに私の宿題です……。しかも2人分……。
いざ丸付けをしてみると、いくつか分かったことがありました。
それぞれが苦手としている問題や、漢字のまちがい、そもそも問題文の理解が足りていないこと……。
2人ともまちがっている問題も多かったので、「これはみんなが引っかかりやすい問題なのかもしれない」というような傾向も見えてきました。
だとすると、大切なのは「まちがいの理由を分かった上で、正しく理解する」ということ。
まちがいをポジティブに捉えて、学ぶチャンスにしてもらえたら……。
これまでも問題集の丸付けをしていたのですが、私がまちがいを指摘すると、双子はすねたり、怒ったり、泣いたりすることがありました。
まちがえたことが恥ずかしいのか、または悔しいのか、意固地になってやり直しに応じないこともあったのです。
でも私は、子どもたちには宿題を通して「まちがってもいい」「自分はやればできる」ということを感じてほしいと思いました。
せっかくの機会なので、今回は関わり方を変えてみることにしました。
解答シートを見ながら、まちがえている箇所にチェックをつけていくことは簡単です。
これまでは、2人分の丸付けを効率良く進めることを重視して、「◯」「✕」をつけていました。
でも、今回はまちがえている箇所に✕をつけずに、付箋を貼ってもう一度考え直してみるよう促すことにしました。
その際、少しでも楽しく取り組めるように、私の文房具コレクションからかわいい動物の付箋を選んで貼るようにしました。
これには、子どもたちも大喜び。
「かわいい付箋の数が、どっちがどれだけ多いか」を競うという“新たな火種”になったのは双子ならではの誤算でしたが、付箋がついた後の問題への取り組み方には、様々な工夫をするようにしました。
まずは、丸付けが終わって付箋のついた宿題を受け取った後の、最初の声かけが大切です。
「まちがえたっていいんだよ」
「問題を解いてみないと、自分の分からないところは分からないままだから、最初から全部◯じゃなくていいんだよ」
そう伝えることをコツコツ心がけていると、子どもたちはどことなく不満そうな顔はしつつも、やり直しに取り組むようになりました。
算数の問題は、ゆっくり声に出して読んでみると理解できることが多く、漢字の問題は「分からない時は辞書を引いてみる」というルールを提案してみました。
やり直したらもう一度私のところに持ってきて、どうやって考えたのかを自分の言葉で説明してもらいます。
そして理解しているようであれば、◯をつけるようにしました。
単に◯と✕をつけていくだけではなく、一度はつまづいた問題も“最終的に◯を目指す”ことで、「自分はやればできる」というプラスイメージが持ってくれたように思います。
子どもたちに「間違えてもいい」の気持ちを持ってもらうために、我が家で取り組んでみたことがもうひとつあります。
それは、双子たちが大量に持ち帰ってきた1学期のテストの復習。
今までは、持ち帰ったテストは内容を確認したら終わりにしていたのですが、これを「楽しく学び直す」ためのきっかけにできないかと考えたのです。
持ち帰ったテストの内容を見ていると、ここでもやはり、2人して同じような問題でつまづいていることに気付きました。
このままスルーすることもできるけど、せっかく間違えたのは「チャンス」でもある。
でも、テスト用紙にそのまま書き直しを命じても、「もう学校で見直ししてきたし……」とイヤイヤ取り組むことになりそうだったので、趣向を変えてクイズとして出題してみることにしました。
すると、このクイズ形式が楽しいようで、「もっと問題だして!」と何度も頼まれるようになりました。
2人して競って問題を解くので、クイズの時間が盛り上がるというのは、双子ならではの良さかもしれません。
盛り上がりすぎて問題を出す方が大変なくらいだったのですが、結果的に、テストに出題されている漢字や計算問題をもう一度取り組むことができました。
そして、双子たちのそんな様子を見ていて、私はあることに気付いたのです。
同じように間違えた問題の解き直しをするにしても、私が関わり方を変えるだけで、子どもたちの意欲がこんなにも変わる。
……ということは、私は今まで「なんで間違えたの?」というように、無意識に双子たちを追い込むような質問をしてしまっていたのかもしれません。
私は決して、まちがったことを詰問したいわけではありませんでした。
「どんな風に考えてまちがえたのかを知りたい」という意図だったのですが、双子たちにとっては、ネガティブな問いかけのように映っていたのかもしれません。
宿題の丸付けをすることは、子どもが取り組んだ問題のまちがいに気付くということでもあります。
その時の関わり方ひとつで、「まちがえる」ということについての子どもの意識付けが変わるのだと、今回の経験を通して学びました。
短い夏休みの中でたくさんの宿題に取り組むことも、その解き直しと向き合うことも大変ではありました。
でも、「まちがってもいい」「まちがったらやり直せばいいよね」といった会話ができるようになったのは、この夏の大きな収穫だったように思います。