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公開 2020年09月15日   更新 2020年09月16日

息子が語った念願の胎内記憶。たとえ気まぐれだったとしても、私には救いだった

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3歳になったら、息子に聞いてみたかったこと。
それは常位胎盤早期剥離で産まれてきた息子の「胎内記憶」。思いがけない言葉が、私のツライ出産の思い出を塗り替えてくれました。


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「ママのお腹にいた時のこと、覚えてる?」

3人に1人の子どもはお母さんのお腹の中にいた時のことを記憶しているという「胎内記憶」。

そしてそれは、4歳以降徐々に薄れていく…。

迷信のような話ですが、なんとなくファンタジーを感じていた私。


子どもがいない時から、いつか自分の子どもに聞いてみたい!と思っていました。

そしてついにわが家の息子が3歳に!


ワクワクしながら聞いてみるものの、その頃の息子はちょうど深刻なママイヤ期。

結局、ハッキリとした返事はもらえなかった私は、かなり落胆しました。


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息子にどうしても聞いてみたかったこと


というのも、私には、ずっと息子に聞いてみたい事があったからです。


結婚して5年、やっと授かった命。

幸せな出産を夢見ていた私でしたが、息子は常位胎盤早期剥離で1ヶ月ほど早く産まれてきました。

原因は、不明。


母子ともに危険な状態での、緊急帝王切開。

3年以上経った今でも、時間との戦いの中、気持ちが全く追いつかないまま出産することになった、あの体験を思い出すと恐怖と悲しみで涙が出そうになります。
(幸い、今は私も息子も健康そのものです。)


息子は低体重のため、その後NICUへ。

たくさんの管に繋がれていた姿を初めて見た時は衝撃を受け、涙が止まりませんでした。

「息子は、お腹の中で苦しかったのかな?」

「どうして早く産まれてきたのかな?」


悲しい気持ちを引きずったままの私は、それを確認したくてたまりませんでした。


「息子に直接聞いてみたい」という思いは自分が意識している以上に強くなっていたようで、返事がもらえないことに驚くほど残念な気持ちになっていました。


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息子から返ってきた、驚くべき言葉


ですがここ1ヶ月ほど、ママイヤ期がずいぶんと落ち着いてきた息子。

そこで、思い切って再チャレンジ!


「息子くん、ママのお腹にいたときのこと覚えてる?」

すると、息子から思いもよらない言葉が返ってきました。


「僕ね、早く外に出たかったんだよ。ママに会いたかったから」



その言葉を聞いた時、一瞬、驚きで固まりました。


そして、涙が出そうなのを必死でこらえて、「そっかー、ママも早く会いたかったよ」となるべく自然に答え、息子を強く抱きしめました。


息子は何でもないことのように、「そうなんだよー」とサラッと返事を返し、すぐに腕の中から離れていきました。



私はその後ろ姿を見ながら、「そっかそっか。そうだったのか…」と何度も1人で繰り返しました。



私を救った、息子の言葉


急な腹痛で、クリニックに行ったあの雨の日。

「このままじゃ、2人とも死ぬよ」と医師に言われたあの日。

さらに産後は、子どもに脳性麻痺などの後遺症が残る可能性があることを知り、不安に悩まされることになりました。


あまりに衝撃的な体験で、出産の時のことを思い出すと、いつも悲しい気持ちになっていました。

出産時の一連の出来事は、ずっとトラウマのように私の心を重くしていて、いつしか私は「自分と息子は大変だった。かわいそうだった」というラベルを貼り付けていました。

今、2人とも健康に、幸せに暮らしているのに、いつまでもその記憶を乗り越えられることができずにいたのです。



でも息子の言葉を聞いて、「勝手に自分たちをかわいそうにしていた自分」に気付くことができました。

あの出産の体験を「息子は、私に早く会いたかったんだ!」と思えるようになったことで、ずいぶんと気持ちがラクに。

息子への愛情も増したように思います。


あの発言が、真実なのかはわかりません。

最近では「僕は卵から産まれてきたんだよ〜」なんて話しているので、あの時の発言はもしかしたら息子のリップサービスだったのかもしれません。



でも息子のおかげで、私は出産のトラウマをようやく乗り越えられたように思います。

改めて、子どもからたくさんのものを与えてもらっているんだなぁと思った出来事でした。


※ この記事は2024年10月04日に再公開された記事です。

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