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公開 2021年02月18日   更新 2022年02月25日

就職活動と保活に奔走。不安から救ってくれた、保育士さんからの言葉は

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双子が3歳の春、引越し先で子連れの再就職と保育園探しをしたときのこと。不安だらけの毎日に、先生がかけてくれた言葉が救いでした。


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我が家には小学校2年生の男女の双子がいます。

私は今、週4日×6時間勤務の短時間正社員として働いているのですが、この働き方にたどり着くまでに、これまで計4回の転職をしてきました。

夫の転勤に合わせて退職したり、双子の妊娠によって退職したりと、ライフイベントに左右されながら、自分自身の働き方を模索してきたのです。

その中でも特に双子が生まれてからの再就職は、自分だけの問題ではないので、なかなか勇気がいるものでした。


はじめての保育園探し

約5年前、夫の転勤によって、3歳の双子を連れて新しい街にやってきた我が家。

引っ越してきた当初、私は子どもたちを幼稚園に通わせようと考えていたのですが、幼稚園探しは難航しました。

そこで思い切って、再就職と保育園探しをしてみることにしたのです。



半ば勢いで保育園入園へ向けて動き出したものの、初めての土地での、初めての保育園探し。

土地勘もなく、知り合いもいなかったので、何も情報がありませんでした。

区役所でもらってきた保育園入園申請のための手引を見ながら、2人分の書類を1枚1枚作成していったのです。

書類には第5希望までの保育園を記入する欄があり、市の保育園利用状況サイトを見て定員数を調べたり、なんとか入園できる園はないか?と情報収集をしました。

そして、日中は双子を自転車の前後に乗せて、地図アプリを見ながら近隣保育園の場所を確認。

当時、夫は仕事で不在にしがちで、保育園の送迎は100%私が担当することになることが目に見えていました。

加えて私は車の運転ができないので、自転車か徒歩での移動がマスト。

坂の多い街なので、地図上では近くに見えていたのに、実際に行ってみると保育園は丘の上。

たどり着くには長い坂を上る必要があり、3歳の双子を連れて通うとなると朝どれだけ時間がかかるのだろう……と気が遠くなってしまうこともありました。

そして、だんだんと希望する保育園の選択肢が絞られていったのでした。


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まさかのタイミングで、保育園内定


保育園探しと並行して自分の就職活動をしていた私は、保育園が決まるか、自分の再就職先が決まるか、まるでニワトリ卵の状態でしたが、まずはどちらかを先に決めなければ!と、日々準備を進めました。

理想を言えば実際に保育園を見学し、園の雰囲気や子ども達の様子などを確認したほうがよかったのかもしれません。

でも当時は、双子連れて日時が決まった約束を取りつけるということ自体ハードルが高く、全ての園を見学となると、いつ終えることができるやら……という状況でした。

そこで、なるべく早く申請書類を出すことを優先し、見学はせずに、日中リサーチしてきた通えそうな保育園をピックアップして申込みました。


そんなある日、区役所の子育て支援課から

「第一希望の園ではないですが、双子ちゃんの入園が可能な保育園があります」

との連絡が入りました。

まさか!

区役所の担当の方からは「正直この状況での入園は厳しいと思います」と言われながらの申込み。

しかも、まだ自分の仕事が決まっていない状態で、2人とも同じ保育園の利用が決まるなんて!

思ってもみないことでした。

びっくりしながらも、入園が決まれば再就職活動に注力することもできると思い、ありがたくその園を利用させてもらう方向で手続きを進めました。

そして実際の見学に行っていなかったこともあり、見学も兼ねて、保育園を訪ねることにしました。


保育園という施設に足を踏み入れたのは、自分が保育園を卒園してから数十年ぶりのこと。

どこか懐かしさを感じる消毒のにおい。

給食室から聞こえてくる調理の音。

子どもたちの声やピアノの音。

ここに双子たちが通うことになるのかと少し感慨深くなりながら、保育園の門をくぐりました。


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心が軽くなった先生のことば


玄関で入館の手続きをしていると、「誰かきたー」と年長さんと思われる大きいお兄さんやお姉さんたちがのぞきにきました。

それを見て、双子たちは少し緊張した表情を見せました。

双子たちは、引越し前に1年間プレ幼稚園に通っていたものの、週1回数時間、母子一緒に参加するプログラムだったため、母子分離を経験したことがありませんでした。

さらに小さい頃から、児童館や公園といった同年齢の子どもたちが集まる場所に行った経験も少なかった双子たち。

果たして保育園生活はやっていけるのだろうか……と急に不安に募りました。


応接間に通されると、その部屋にはおままごとキッチンがおいてあり「自由に遊んでいいよ」と言われたので、双子たちはすぐにおままごとをはじめました。

場所見知りをするかな?と思っていたので、自然と遊びだす様子を見て一安心していたところに、1人の先生が入ってきました。

ニコニコした笑顔がとってもすてきなポニーテールのよく似合う、優しそうな先生でした。

するとその先生は、双子たちを見るなり「かわいい、かわいい、本当にかわいい〜!」と駆け寄って下さったのです。

私は予想外の先生の言葉に呆気にとられつつ、緊張や不安が一気に解けていくのを感じました。

「かわいい」

その言葉は、慣れない土地で、双子を抱えての職探しと保育園探しに奔走していた当時の私にとって、失っていた感覚だったのかもしれません。

先生のこの言葉は、3年ぶりの仕事復帰や双子の集団生活という不安の中にいた私にとって、緊張していた心を解きほぐし、さらには「大丈夫だよ」と後押ししてくれるような、とても心強い言葉でした。


その後、制服の採寸をしたり、持ち物や袋もの説明を受けて、いよいよ入園するんだな〜と気持ちが高まりました。

見学が終わる頃には、双子たちはまだ遊びたい!というほど先生と打ち解けていて、私の不安だった気持ちはどこかへ行き、この園なら安心できると感じて帰宅したのでした。


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いざ、復職へ


時を同じくして、私の再就職先も決まりました。

慣らし保育と同じタイミングで、自分の新しい仕事もスタートする。

新たな生活が始まったのです。

そして見学に行った日に出会ったあの先生は、双子たちの担任の先生になりました。

いざ保育園が始まると、双子たちは登園時に涙することになりました。

でも、そんなときも、初めて保育園を訪れたときと同じあの笑顔で、先生が出迎えてくれました。

そして、迎えに行くと「今日はこんなことがあったんですよ〜。本当にかわいい。大好きなんです!」と教えてくれました。


親の私と同じように、もしくはそれ以上に双子たちをかわいいと言って、大事にしてくれる人がいる。

その存在にとても救われて、双子たちの毎朝の涙に後ろ髪をひかれながらも

「この園であれば安心して子どもたちを預けられる」

そう思って、日々仕事に向かうことができたのでした。


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※ この記事は2024年02月27日に再公開された記事です。

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