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公開 2021年03月05日  

「もう小学生になるんだから」って言うのやめた!入学前の”親の”心得

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子どもの入学。
親もなんだか、そわそわ、落ち着かない気持ちになるもの。


ちょっと待って…成長スピード


来春、我が家の第1子がついに入学を迎える。

生まれた時から身長は倍以上に、体重は5倍以上に成長。

子どもの成長は、早い。

「光陰矢の如し」を実感する日々なわけだけれども、もうその矢が母に刺さる、刺さる。

ち、ちょっと速すぎません?

うちの息子の矢には、ターボでも付いてるんですか?

それくらいの体感速度に、母、ちょっとセンチメンタルな春である。


入園当初、モタモタとしていた朝の支度も今やお手のもの。

園服のボタンもいつから自分でとめられるようになったんだっけ。

少し前まで靴下を履くたびに呼ばれていた気がするけれど、そんな息子が今は妹に靴下を履かせてくれている。

「てんとうムシさんの靴下だよー。かわいいねー」

「妹ちゃん、ムシきらい!ちゅくした、はかない!」

「あ、でもこれはムシじゃない方の、ムシだから、大丈夫だよ!かわいい方の、仲良くできる方のムシなんだよ!」

「じゃあ、はく~」

妹の扱い方も、時に母を凌駕する。

出来ることはどんどん増え、少し楽になってきたとも思う、今日この頃。


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息子もついに、小学生


それではいよいよ小学校、入学準備バッチリOKなのか、というと一筋縄ではいかないものである。

過保護だと思われるかもしれないが、息子は生まれてこの方、横断歩道を1人で渡った事がない。

現在通っている幼稚園の駐車場と園舎の間には短いながらも横断歩道がある。

毎日「はい、右見てー左見てー」と練習できる環境だ。

そういうわけで、これでもか!と口を酸っぱくして「左右見て」と言っているのに、「あ、○○くんだ!おーい!」とか平気で走り出したりする。

まったく、よく今日まで無事に生きてこれたよ、君ってヤツは……。

「生きている」って本当に幸運の連続で成り立っているな、と思わずにいられない。

そんな息子が、あと1ヶ月後にはランドセルを背負って、小学校への道を行く。

だ、大丈夫ですかね。

母の不安は尽きない。


習い事を辞めた理由に、モヤッ


先日は1年半続けてきたスイミングの習い事を、やめてしまった。

理由は「先生の声が大きくて、怖い」から。

年末に進級テストをめでたく合格したのだが、そのタイミングで先生が替わり、新しい先生になった。

どうもその新しい先生の発する声が、逐一「大きくて怖い」のだとか。


怒られているように感じる。

行きたくない。

スイミング辞めたい。


正直、私にとっては「え……」と思う理由であった。

息子個人に対し、何か言われたの?と聞いたけど、言われてない、ただ声が大きいのがイヤ、と本人談。

うむ。

小学校に上がれば、声の大きい先生もいるだろう。

厳しい、なんだかちょっと怖い、と感じる先生もいるだろう。

幼稚園の先生はみんな優しいもんなぁ……。

それから息子と話し合い、情けないくらいに息子の機嫌をとったりしつつ数回スイミングに通ったが、結局辞めた。


はあ。

こんな調子で、息子は大丈夫なのだろうか。

やはり、母の不安は尽きない。のである。


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担任の先生の言葉


そんな折、幼稚園で担任の先生と、園生活最後の面談が行われた。

最後ということもあってか、担任の先生はこれでもか、というほどに息子を褒めてくれた。

私にとって最愛の我が子である。

「いやぁ、そんな……!」とか謙遜しつつ、「ドゥフフフ」という笑いが隠し切れない。


最後に、「こちらからは以上ですが、お母さんから何かありますか?」と聞かれた。

面談時間も残っていたので、率直に息子について心配していることを相談してみた。

こちらの話を聞いているんだか、聞いていないんだか、わからない時があること。

根性がなさそうなところ。

失敗しそうなことには挑戦しないこと。


先生は「ええ、はい。うんうん」と話を聞いてくれ、随所で適切な相槌を打ってくれた。

そして、こう言った。

「お母さん、お気持ち分かります。

でも、息子君はとっても頑張っています。

親心から”出来ていないこと”に目が行きがちだとは思いますが、この時期だからこそ、どうか、”いま出来ていること”を存分に褒めてあげてください」



ズドーン!!

雷に打たれたような衝撃。

「出来ないこと」ではなく、「すでに出来ていること」に目を向ける。

そして褒める。


母だって、褒められたいもの。

6歳なんて褒められてナンボの歳じゃあないか。

来るべき新生活への気持ちばかりが焦って、目の前にいる息子の「上出来」にキチンと向き合えていなかった。


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こどもの「今」に目を向けてみたら…


「もうすぐ小学生になるんだから、それくらい自分で出来なくてどうすんの」


息子が年長になってから、実際私が何度も使ってしまっていた言葉である。

よく考えたらこの言葉でやる気が出る子どもなんていないんじゃないだろうか。

仮に、「母親なのにそれくらい出来なくてどうするの」と言われたとする。

本当だ!がんばらなくっちゃ!なんて絶対思わない。

むしろ、心のシャッター全閉鎖である。

はぁ~やっちまったな!!(だいぶ長い期間)


面談から帰宅し、早速息子を意識的に褒めてみた。

「お箸使うの、上手になったよね~!」

「お手紙、言われる前に出してくれてありがとうね」

フフン、と得意げにしていた息子だったが、ちょいちょい褒め続けているとスススーッと隣にやってきて、彼は言った。

「おかあさん、大好き」


そうだよね。

褒められると、嬉しいよね。

出来ていないことを出来るように上手に促すのも親の役目だけれど、君の頑張りを見ているよ、を伝えるのだって同じくらい大切だということに気付く。

先生、ありがとうございます!

最後の最後にまたお世話になりまして……。涙。


私の褒めモードもやっているうちに楽しくなってきたある日。

寝る前「トイレ行ってくる」という息子に「え、もしかして、ひとりで行けるの!?」と大袈裟に驚いてみせた。

息子は「行けるに決まってるでしょ、何言ってるの、ドゥフフ」とトイレの方へ消えていった。

まんざらでもない様子。

6歳のドゥフフは、とても、かわいい。


「小さい子の親」でいられる時間は、長い子育て人生の中でも短いように思う。

いつかはこの手からするり抜けていく、我が子。

そんな我が子の「今の、そのまま」を悔いの残らぬようドンドン褒めていこう、と思った出来事だった。


※ この記事は2024年03月02日に再公開された記事です。

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