子どもの頃、何かとからかってくる男子への不満を大人に訴えたら
「その子はあなたのことが好きなんだよ」
と返された経験がある人もいるのではないでしょうか。
また、昔クラスで男子が女子のスカートをめくるのが流行ったという人もいるかもしれません。
そのとき、スカートめくりをした男子は周囲の大人たちに真剣に注意されていましたか?
「まったく男の子はおバカなんだから……」
のように、なぁなぁにされたケースもありそうです。
SNS上では、「男子にスカートをめくられるのが本気で嫌だった」という体験談がたびたび話題になります。
「その子はあなたのことが好きだから、ちょっかいをかけてしまうんだよ」
という慰め方も不評で
「嫌な思いをさせられた側からすると、『だから何?』と感じる」
「せっかく勇気を出して相談したのに、大人にこう言われて絶望したのを覚えている」
といった声が上がっています。
どうしても大人目線だと、悪気はないことがわかるからこそ、女子にちょっかいをかける男子を微笑ましく感じてしまう部分はあります。
ですが、まずは「嫌な思いをさせられた」という気持ちに寄り添ってあげないと、子どもに「大人は助けてくれない」と思わせる結果になりかねないようです。
男子のちょっかいを、大人が大目に見ることの問題点はかねてより取り上げられています。
ジェンダー平等時代の子育て論をつづり、今年8月時点で第10刷という反響を招いている書籍『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』(著:太田啓子、大月書店)でも、この問題に触れています。
著者である太田氏は、嫌な思いをさせても相手に対する好意があればいいんだと子どもに勘違いさせてしまうリスクを指摘し、周囲の大人が
「仲良くしたいなら、相手が嫌がることをしてはいけない」
としっかり教える重要性を説いています。
「ただの悪ふざけだから仕方ない」
「好意の裏返しだから仕方ない」
は大人の世界では通用しない言い訳ですよね。
ダメなことはダメとしっかり叱るのが、子どもの健やかな成長を育むのかもしれませんね。