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公開 2022年06月29日  

授業参観の日、我が子の手は挙がらない。「挙手したくない今」があってもいいと思えたワケ

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久しぶりの授業参観。手を挙げない双子たちには、それぞれの理由がありました。


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日常の戻ってきた小学校


我が家には小学校4年生の男女の双子がいます。

4年生になってから、遠足や校外学習など子どもたちが楽しみにしていたイベントも復活。

だんだんと日常が戻ってきた日々の中で、先日久しぶりの授業参観がありました。


新型ウィルスの状況も鑑みて各家庭保護者は1名、クラスを半分に分けて、短時間入れ替え制の授業参観でした。

ここ2年ほど小学校に行く機会も減っていたので、双子たちのクラスの場所がどこだったかな〜?

と若干迷子になりながら校内を歩いていると、1年生の子供たちが、初めての授業参観にそわそわした様子で廊下にでてきていました。

あどけなさの残る1年生を見ていると、なんだかあっという間に4年生になったように感じました。

保育園は年少・年中・年長と3年間通ったのですが、小学校もすでに3年間。

同じだけのときを過ごしたと考えれば、それは成長するか。

と納得なのですが、新型ウィルスで休校期間もあったせいか、一足飛びに4年生になってしまった感覚がありました。


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娘のクラスへ


校内に掲示された1年生から6年生までの図画工作の作品や、書道の作品を見ながら歩いていると、双子たちの教室に到着しました。

4年生ともなると、身長の大きい子はもう大人のような背丈になっており、あぁ、本当にもう高学年側になったんだな〜と実感しました。

双子はクラスが別れているので、私は決められた時間内に2クラス回る必要があります。

今まで数回参加した授業参観では、欲張って二人の様子を見たいと思い、隣り合わせのクラスの中央の出入り口付近に立って2つのクラスを眺めたこともあったのですが、今回は1人ずつ時間を決めて見学することにしました。


まずは娘のクラスから見学することに。

授業は「道徳」。

テーマは「正直」についてでした。

先生が教科書のお話を読んで、生徒たちが意見を出し合っていくのですが、みんな元気に手を挙げて発言しており、とても活発な授業が行われていました。

大人でも考えてしまうようなテーマに対して

正直とは、嘘を言わないこと。
正直に謝ることはできる。
正直に言えないときもある。 

などなど…

思い思いの意見を口にしている様子を見ていると、こちらの方が勉強になるコメントがたくさんありました。


娘はどうしているかな?と見ていると、授業にはしっかり参加しているものの、自分の意見を発表する場で手を挙げる様子はありませんでした。

気になってもう少し様子を見ていたかったのですが、ちょうど半分の時間。

きっと自分の中で考えながら授業を受けているんだろうな〜と思い、娘のクラスを後にしました。


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息子のクラスへ


息子のクラスに移動すると、授業は同じく「道徳」でした。

同じ内容を学んでいるのかな?と思っていると、こちらのテーマは「多様性」。

外国からやってきた転校生のお話で、それぞれの価値観の違いについて学ぶ授業でした。

こちらも、教科書のお話を元に、先生からの問いかけに対してクラスのみんなが元気に手を挙げて発表していました。

お話の中の登場人物の視点に立って、A君の気持ちになってみたり、B君の気持ちになってみたりと考える授業。

「Aくんは◯◯だから◯◯したんだと思う」
「Bくんはもっと◯◯したらよかったのにね」

など、素直に思ったことを表現する子どもたち。

いろんな意見が飛び交い、4年生ともなるとさすがだなと感心するばかりでした。

さて、息子は?と見ていると……娘と同じくこちらも全く手を挙げる様子がありませんでした。


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娘の行動の裏には


娘が手を挙げないことは想定の範囲内でした。

というのも、娘は低学年の頃から意見は持っているのに手を挙げないので「もう少し積極性がでてくるといいですね」と個人面談のたびに言われていたのです。

でも息子は、むしろ先生に当ててほしい!というタイプだったので、手を挙げる様子を見せない、その様子に何かあったのかな?と疑問に感じました。


放課後、双子たちが帰ってきたので授業参観の話をしていると……

娘は「手は挙げないよ」と言いました。

手を挙げたとき、みんなの視線が集まるのが苦手だというのです。

もう少し話を聞いてみると

「紙に書く授業では、自分の意見を書けるので(評価)Aをもらえたけど、手を挙げないといけないときは(評価)Bになることは知ってる。けど、挙げたくない」

とのこと。


正直、娘のこの発言には少し驚きました。

娘は完璧主義なところがあり、テストも100点以外はダメだった…と気にするタイプなのです。

でも、こと挙手をすることについては、そこまでわかった上で挙げないことにしていたのか……と。

今まで私は「意見があるなら発言すればいいのに」と考え、「発言しなければ意見がないのと同じことになってしまうよ」という言葉をかけてきたのです。

でも頑なな娘の態度に、あえて挙げない選択をしているんだ、ということを改めて知る機会になりました。

そしてその裏にある”視線が苦手”という言葉の大きさを、私が汲み取りきれていなかったな…と反省しました。


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息子の理由に、まさか……


かたや息子。

「今日なんで僕が手を挙げなかったか、理由わかる?」と聞いてきました。

息子が手を挙げなかった理由……?さてなんだろう。

授業の前に嫌なことがあって不貞腐れていたとか、授業の内容的に意見を言いたくなかったからとか?という話をしていると

「全部、ハズレ!正解は口内炎が痛かったからでした〜。」

と言い出したのです。

なんと……口内炎……。

口内炎が痛くて物理的に口が開けなかったのか!

まさかの理由に笑ってしまいましたが、同じ手を挙げないにしても、色んな理由があるよな〜と感じた出来事でした。


双子たちは大きくなってきて、それぞれの価値観や判断で行動するようになりました。

”授業中に手を挙げない”という行動1つとっても、その理由や感じていることはそれぞれで、自分自身の中で考えた末の行動なのだなと改めて感じました。

積極性はあるに越したことはないと思いながらも、これから成長していく中で、自ずと意見を言いたい!と思うときも来るかもしれない。

今はそれぞれの「今」の気持ちを大切に聞いていきたいなと思った授業参観でした。


※ この記事は2024年11月29日に再公開された記事です。

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