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公開 2022年10月26日  

「ノートもうすぐ無いよ」と言われてたのに…!忘れ続けた母は、早朝パジャマで疾走した

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学習ノートの存在感をもっと上げていくといいのかもしれないです。


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「夜遅くに”算数のノートなくなった”と子どもが言う」というのはSNSで何度でも見た。

そうか、そういうことがあるのかと覚悟を決めて、子どもたちの小学校入学を迎えたんだけれど、今の所そういった夜にぶち当たることがないまま長女は4年生、長男は2年生になった。


少し前のこと。

長女が何日も前から「もうすぐ算数のノートがなくなるから買っておいてくれない?」と伝えてくれていた。

ジェントルでスマート。

長女はお利口だった。


なのに、なんてことだろう。

私は非お利口だった。


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「明日買うね!」と言い置いて、すっかり忘れていた。

そして、その間も長女は「算数のノートなんだけど、あと3ページになっちゃったから」とリマインドし続けてくれていた。

そのたび私は「あああ!忘れてた!買う!明日こそ!」と言いながら、やはり忘れ続けていた。

なんてこった。


いよいよの朝。

「ママ、もうノートがないんだけど。ノートある?」

大きく息を飲んで絶望した。

忘れていた。

やっぱり私は忘れていた。

昨日の夜も長女は言っていたのに。

なのに、私は夜遅くまでやっているドラッグストアに買いに行くと宣言して、寝落ちしてしまったんだったか。

寝巻のままで絶望的な気持ちになって、早朝、車をコンビニへ走らせた。


お願い、ねえ、願いだから学習ノートを置いていますように。


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小学校の隣のコンビニならばと一縷の望みをかけて、入店。

ない。


では、小学校の向こう側のコンビニ。

もない。

あるのは大学ノートのみ。


大学生なら大学生協があるでしょうに。

大学ノートが急に必要になることよりも、算数のノートが急に必要になることのほうが世の中には多いのだと、自分の不祥事を棚に上げたうえで声を大にして言いたい。


とんでもない非難を受けるのを覚悟でいうけれど、教室にはノートがなくなった生徒用にノートと同じ方眼の紙がいくらかあって、ここ数日、長女はそれでしばらく凌いでいたらしい。

今この時にいよいよ手に入れて持たせてやりたい。

ごめん長女、走れ私。


ひらめいた。

校区の一番端っこのコンビニ。

あそこならどうだ。

あのあたりにはそのコンビニが1店舗ある以外に商店らしきものがほとんどなく、市街地からも少し遠い。

あのコンビニならば近隣住民のニーズを汲んで学用品を多少なら揃えているのでは。

お願いだからノートを。


パジャマに眼鏡のままで滑り込んだコンビニでそれはひときわ光を放っていた。

そのノートは大学ノートではあるけれど、長女が必要としていた「5㎜方眼のノート」だった。

ありがとう世界。

これで長女を幸せにできる。


急いで自宅に戻り、長女にノートを見せると「ママありがとう!」と眩しい笑顔。

なんていい子なのだ。

1ミリも相手を責めることなく感謝することができる。

親の顔が見てみたいですね。


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こんな体たらくで私こそ子どものころに「お母さん、新しい算数のノートいる。明日」と言う子どもだったと思われた方もいるかもしれない。

ところが、私が通っていた小学校には立派な購買部があって、学校で必要になるあらゆるものが売っていたのだ。本当に驚くほどなんでも売っていた。

ノートや鉛筆なんてのはもちろん、コンパスや三角定規、縄跳びやクレヨンなど、6年間に何度も買わないだろうと思われるものもちゃんと売っていた。

公立小学校だったにもかかわらず制服があったので、名札やネクタイなど制服にまつわる小物もきちんと揃っていた。


運営するのは5、6年生の生徒で、当番の日には少し早く登校して購買部のシャッターを開けてくれる。

私も委員を経験したことがあるが、オープンは朝だけなこともあり、それなりにお客さんが来てそれなりに忙しかった。

売り上げの記録をノートにつけて、お金の計算をして、時間が来たらシャッターを下ろして職員室にお金と鍵を返しに行った。


どうやらこういった購買部はかつて全国のそこかしこにあったらしいのだけど、時代とともに減っていったということらしい。

「ノートがない」と言われたら小銭を握らせれば済んだあのシステムが現代にもあればいいのに、と思わずにはいられない。


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私が忘れん坊でなんでも後回しにするのが一番よくないのはもちろん分かっている。

でも、日々、トイレットペーパーが、洗濯洗剤が、ゴミ袋が、ティッシュが、お味噌が、ケチャップが、色んなアレがソレがなくなっている。

それらを補充したりしそびれたりする暮らしの中に、皆さんどうやって上手に学習ノートをねじ込んでいるんだろう。


我が家の目の間に文房具屋さんでもあれば、窓から見るたびに、洗濯物を干すたびに「ああ、ノートがないのであった」と思い出すことができるのだけど、普通に暮らしていたらどうにも脳のストレージから学習ノートがはじき出されてしまうらしい。

だって、ほんの数年前まではかれこれ20年近く学習ノートなんて存在すら忘れて生きていたんだから、急に現れたところでいささか影が薄い。

上靴みたいに、向こう数センチ先まで買い置きをしておく、みたいなことができたらいいのだけど、いかんせん教科によってノートの減りが違うし、次年度にはノートの規格が変わってしまうし、ノートに関しては生もの感が否めない。

余らせてしまうと学習ノートってほんとうに使い道がないじゃない。

早い話が屁理屈をこねているだけなんだけど、気づいた方はとても賢くて聡明だと思うので寛容なまなざしでどうかひとつ。


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このあたりでそろそろ「さて、そんなわけで私はこのように革命的な進歩を遂げました!お悩み解決!」みたいな展開を差し出したいところなのだけど、お察しの通り、生憎そんなカードは1枚もない。

なんなら、今もこれを書きながら、「長男の連絡帳がもうなくなるのだった」と思い出している。

スーパーやドラッグストアのレジに「学習ノートのお買い忘れはないですか」ってポップがあったら最高なのに、とどこまでも他力本願なことを考えているので、ほんとうに救いがないと思う。


来年の新年の抱負は「ノートを切らさずに買う」にしようか。

とりあえず、強い心で今日中に連絡帳を買ってくる。


※ この記事は2024年10月25日に再公開された記事です。

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