いつまでたっても朝の送り出しがうまくやれない。
自分でもうんざりするほど毎朝ちっともうまくいかない。
子育て11年生になるけれど、こうも慣れないこととってあるかしら…とうなだれたくなるほど、いつまでたってもフレッシュに苦手でしょうがない。
まず、朝起きるのがすごく苦手だ。
私が。
夏場はまだいいのだ。
夜明けがうんと早いから朝早く起きるのもやぶさかではない。
日が昇ればそれはきちんと「朝」だから。
問題は冬。
小学生の登校時間がこんなに早いのかと驚いたのは4年前の春。
地区の登校班にの集合時刻に合わせると我が家の場合、7時25分に家を出ることになる。
7時25分というと、朝は6時頃に起きなくてはいけないし、それは夏においては朝だけど、冬においてはまだ真っ暗でつまりそれって夜だっていうことにはなりませんか。
なります。
まだ暗いうち。
私だって眠いのに、深い眠りの中にいる子どもを起こすのが忍びない。
まだ夜だと信じて疑いもしないで彼らは眠っていて、私は「ほら朝だよ」と、全然朝らしくなっていない朝に、というか夜に大ぼらをふいて子どもを起こすことになる。
そして、本当のことを言えば、私だってそんな真っ暗いうちから起きられるはずがなく、大抵は健やかに眠っている。
スマホのアラームが6時15分をお知らせしても「そんなわけがないでしょう。まだ夜よ」と二度寝を決め込んでしまう。
だってまだこんなに暗いじゃない。
6時40分。
ぎりぎりの理性を振り絞ってお布団から這い出て強い気持ちで子どもたちを起こす。
ああ、この瞬間が本当に苦手。
ほんの数年前、彼らがまだ乳幼児だった頃、何人たりともこの子を起こしてはいけない、と物音を立てずに暮らしていたというのに。
あらゆる電子機器の音を憎んで、声を潜めて暮らしていたのに。
お願いだから1分でも長く寝てほしいと願っていたその子をこの手で起こすなんて。
そもそも寝ている人を起こすのが好きな人なんているんだろうか。
夫だって私が「子どもたちを寝かしてくるから、寝落ちしてたら起こしてね」と何度言っても起こしてくれないし。
まだ眠いだろうに自然に目が開くまで寝かしてやりたい、と思いながら心を鬼にして背中のあたりをトントン。
いざ声をかける。
「朝だよ」
ほとんどの日、彼らはすんなり起きてくれるのだけど、もぞもぞと寝返りを繰り返したりする日もやはりあって、そういう日の私は簡単に怯んでしまう。
私は敬けんな睡眠信者なのだ。
すっきり起きられないということは、眠りが足りていないに違いない。
睡眠が足りないなんて大変だ。
体温は下がり、情緒は乱れ、食欲も落ち、空は裂け、大地は枯れ果ててしまう。
睡眠不足は悲劇の序章。
そう思うとただでさえ気が重いのにますます気が重くて、もう絶対に起こしたくない。
誰かに代わってほしい。
布団をひっぺがして「おきなさーい!!」と言えるお母さんだったらどれだけいいだろう。
つらい。
起こすのがつらい。
私だって眠い時は起こされたくない。
ああよく寝た!と思って目を覚ましたい。眠い時は絶対に寝たい。
まだお腹が空いている子どもの食事を下げることができないのと同じように、まだ眠たい子どもを起こすことができない。
諸々が少しずつ押しながら、ようやく全員の目が開いて、バタバタと朝ご飯の支度する。
目玉焼きを焼いたり、みそ汁を作ったりしながら、子どもたちに目を配る。
朝食の献立がすぐに決まらない日も中にはあって、そういう日はまたほんの少し時間が押してくる。
どの子も何故か朝から食欲が旺盛で、いくら食べさせても2限目が終わるころにはお腹がすくのだという。
日によっては学校に着いたらもうお腹が空いているらしい。
同じ登校班の子どもたちに朝食を何時に食べているのか尋ねると「6時半」と言っていた。
私がようやく布団を這い出すその時にもう彼らは朝食を食べ始めているらしい。
なんて、なんて、しゃんとした子どもたち。
6時半なんて早朝ではないの。
給食まで6時間もあるじゃないの。
おやつもないのにそんなのどうしたらいいの。
おばちゃん毎日10時ごろにおやつを食べているんだけど????
「お、お腹空かないの?」
「うん、すっごくお腹すく!」
ほらもう。
ひもじい気持ちで授業を受けているなんて、なんて辛抱強いの。
子どもたち。
私なんてちょっとでも小腹がすいたらなにもできない。
すぐにチョコをかじってお茶を煎れてしまう。
なのに彼らはいくらお腹が空いても何も食べられないのだ。
となれば、朝ご飯をたんと食べさせたいし、可能な限り後ろ倒して食べさせたい。
空腹な時間は短いほどいい。
沢山食べられて、なおかつギリギリ遅い時刻を攻める。
それが7時。
しかしながらやはりそれはギリギリなわけで、調理に手間取るわけにはいかない。
「いただきます」が7時を過ぎると間に合わない。
冒頭に書いたのでお察しだとは思うが、そんなふうに綱渡りな段取りを選んでしまうから、家を出るはずの7時25分にみんなでてんやわんやすることになる。
起きるのも起こすのも下手なのに、朝ご飯はたんと食べさせたいし、どうにも上手くいかない。
夜、もっと早く寝れば解決するんでは、と思ったので21時就寝を20時に繰り上げるべく頑張ったのだけど、各々の習い事や宿題を済ませて、各々の話したいことをあれこれ聞いていたら本当に忙しない。
急かすように布団に誘うのもやはり心苦しいことこの上ない。
小学生なら家でのんびり漫画を読んだり、ぼうっとしたりもしたいじゃない。
どうやったらうまくいくのか皆目見当がつかない。
そもそも一日が24時間じゃ足りないし、学校におやつを持っていけないのがいけないんだ、と思い始めているからどうしようもない。
春から末っ子がいよいよ小学生チームの仲間入りをする。
さらに訳が分からない朝を送ることになるのか、それともしっかり者の末っ子の登場で革命的な朝になるのか、さてさて。
朝の送り出しが本当に苦手。
送り出し代行があったらお願いしたいほど。