赤ちゃんの吸いだことは、唇や指にできる水ぶくれや皮むけのことです。
赤ちゃんは、毎日身体に栄養を吸収するために、母乳やミルクを飲みます。昼夜問わず、1日10回以上授乳をすることも珍しくありません。
唇にできる吸いだこは、赤ちゃんが一生懸命に母乳やミルクを飲んでいる証なのです。
また、吸いだこは指しゃぶりを頻繁に行うことによって、指にできることもあります。
指しゃぶりは、赤ちゃんの手が自分のものであることを認識するための大切な行為です。
指にできる吸いだこも、赤ちゃんの時期にしか見られない貴重な成長の証といえます。
吸いだこは、発生する場所によって原因が異なります。
ここからは、赤ちゃんの唇や指に吸いだこができる原因についてご紹介します。
授乳の際、アヒルのように唇を外側に突き出した状態で乳首をくわえれば、唇への負担を抑えられます。
しかし生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ上手に母乳やミルクを飲めないため、授乳時に唇を内側に巻き込んでしまうことが多く、その刺激によって唇に吸いだこができやすいのです。
指にできる吸いだこは、指しゃぶりが原因です。
新生児の赤ちゃんは、唇に触れたものを反射的に吸おうとする「吸てつ反射」が備わっていて、実はママのお腹の中にいるときから指しゃぶりをしています。
指しゃぶりをすることで、母乳を飲む練習をしているのだといわれています。
上述したように、赤ちゃんは生まれる前から指しゃぶりをしているので、生まれたときにはすでに吸いだこができているケースもあります。
授乳による唇の吸いだこは、生後3~4ヶ月頃には収まってくることが多いです。
これは、月齢を重ねるにつれて母乳やミルクを飲むのが上手になり、赤ちゃんが飲み方のコツをつかむからだといわれています。
唇の吸いだこは、生後間もないときにしか見られない貴重なものなのです。
また、指しゃぶりによる指の吸いだこは、赤ちゃんが指しゃぶりをしなくなれば落ち着きます。
一般的に赤ちゃんの指しゃぶりが活発になるのは、手の動きが多くなる生後2~3ヶ月頃です。
3~4歳になるとますます手先が器用になり、おもちゃなどで遊ぶために自然に指しゃぶりをしなくなります。
その頃には、指の吸いだこもほとんど気にならなくなるでしょう。
赤ちゃんの吸いだこは、痛みやかゆみはないとされています。
むしろ角質が厚くなっているため、感覚が鈍くなっている可能性もあります。
唇や指にできている吸いだこは、基本的に放っておいて問題ありません。
時間が経てば自然治癒し、赤ちゃんの成長とともに新しくできることも少なくなるでしょう。
まれに皮がめくれてヒラヒラとするケースもありますが、このとき無理やり引っ張ってしまうと、傷になってしまう恐れがあります。
めくれている皮は放置して、自然と落ちるのを待ってください。
また、唇にできる吸いだこを防ぐためには、授乳時にミルクや母乳で乳首を少し濡らしておくと良いでしょう。
こうすることで、唇の滑りが良くなって、刺激を緩和する効果が期待できます。
吸いだこがあまりに痛々しく見える場合は、専門家に相談するのも1つの手です。
唇の吸いだこよりも長引く傾向にあるのが、指しゃぶりによる指の吸いだこです。
ここからは、指の吸いだこ対策についてご紹介します。
赤ちゃんの指しゃぶりをやめさせようとして、おしゃぶりを使う方もいます。
たしかに、おしゃぶりは赤ちゃんを落ち着かせたり、寝かしつけたりするために便利なアイテムです。
注意点を知ったうえで、上手く活用しましょう。
指しゃぶりは、赤ちゃんが手と口と目を連動させ、手が自分のものであることを確認するための重要な行為です。
また、舌や唇の機能を発達させるためにも、指しゃぶりは欠かせません。
そのため、長時間おしゃぶりを付けて、指しゃぶりをやめさせるのは控えましょう。
また、母乳で育てている赤ちゃんに対しては、おしゃぶりやゴムの乳首を与えないようにしましょう。
上述したように、指しゃぶりは、赤ちゃんの身体的発達のために重要な行動です。
そのため、3~4歳頃で自然にやめるようになるまでは、無理にやめさせる必要はありません。
ただし、4歳を過ぎても指しゃぶりが続いていると、歯並びに影響が生じる可能性があります。
その場合は、早めにかかりつけの歯科医に相談してみてください。
今回は、吸いだこができる原因や痛みの程度、対策などについてご紹介しました。
吸いだこは赤ちゃん特有のタコで、唇や指に発生します。
吸いだこは自然治癒するケースがほとんどなので、無理やり剥がしたり指しゃぶりをやめさせたりするのではなく、今しか見られない思い出としてやさしく見守ってくださいね。