ある朝のこと、息子の咳がひどいので、朝イチで病院へ連れて行き、その日は遅刻をさせることにしました。
学校に確認すると、給食までに来られるようであれば遅刻はOKとのこと。ギリギリ昼前に診察を終えた息子は「給食と図工と委員会だけだ〜」と嬉々として登校しました。
遅刻の場合は、教室まで見送るルールになっています。息子と一緒に学校へ行くと、ちょうど給食の準備をしている時間帯で、校内にはおいしそうな給食のにおいが漂っていました。
息子のクラスに着くと、クラスメイトに取り囲まれ見えなくなる息子。
一方で、隣のクラスでは娘が給食当番として働いているところでした。
普段、なかなか学校での姿を見ることがないので、双子たちの様子を見ながら、私は学校をあとにしました。
しばらくすると、6時間目を終えた息子が帰ってきました。
放課後の我が家での「やること(宿題や習い事の復習など)」を終えた息子は、タブレットでゲームをしていました。
そこに、少し遅れて帰宅した娘。
息子が遊んでいる姿を見るなり、「ねぇねぇ、宿題やった?」「塾の宿題した?」「ピアノの練習した?」と聞いています。
「やった。やった。やった。ぜんぶやった。」と目も合わせずに答える息子に対し、娘がムッとしている様子が伝わってきました。
別室で仕事をしていた私は、あー。これは来るぞ。娘が私の部屋にクレームを言いに来るぞ。と思いました。
数秒後。娘はプンプンしながら「ねぇ、学校休んだのに、遊ぶのってずるくない?」とまくしたてながら、私の部屋にやってきました。
うんうん、そうだろう。きっとそう言うだろうなと思っていたよ。と思いながら、娘の話を聞くことに。
娘の言い分はこうです。
「今日、私は朝から学校へ行った。すべての授業をうけて帰ってきた。それに比べて息子は給食を食べて図工と委員会活動だけ。ほぼ勉強してないのと一緒。なのに、家でゲームして遊んでるなんてずるい」
言いたいことはよくわかります。
我が家では、学校を休んだ日はタブレットやテレビゲームを使わない約束をしているので、娘としては、遅刻の日もそのルールが適用されるべきではないか!と言うのです。
たしかにそれも一理あります。
でも、今日に関しては病欠ではなく、遅刻しながらも学校へは行ったし(具合が悪いわけではないなら)もうすこし寛容なルールにしてもよいのかな〜と、私は息子に自由させていたのでした。
娘としては、母権限で息子にゲームをさせないでほしい。と訴えてきます。
かたや息子は「でも休んだわけじゃないし。学校へ行ったんだからいいじゃん」と応戦しています。
平行線の口げんかは、夕飯時まで続きました。
よくもまぁそんなに口げんかができるものだ…。母とけんか中の双子。
どんよりした空気の食卓で食べる夜ご飯はおいしくありません。
「はいはいはい。お互いの主張はよくわかりました。ここで和解手続きをはじめます。これまでは、学校を休んだ場合のタブレットやゲーム機の使い方についてのルールは決めていたけれど、遅刻や早退の場合のルールを決めていなかったので、今日をきっかけに改めてルールを作ろう。」と提案しました。
すると、それまで舌戦と冷戦を繰り広げていた双子たちも「それならいいね」とのってきました。
そこで、私は白いA4用紙を広げ、「学校欠席時のタブレット・ゲーム機の取り扱いについて」と書き出すと、娘が「学校欠席時の娯楽の取り扱いについて」にしてくれと言うので、その通り筆記し、甲を娘、乙を息子として契約書を作り始めました。
たとえば、テレビについては原則禁止。ただし休んでない者が視聴する場合に限り一緒に視聴することを可能とする。
タブレットやゲーム機は禁止。
まんがも禁止。
なかなか厳しいルールです。(でも2人が決めているので、口出しはせずにメモをとります)
次は「本」の取り扱いについて。
「本」は許可。ここで論点になったのは、ライトノベルや漫画を小説にしたものはOKか?というところでした。
本が大好きな娘は、全部許可を希望。でも息子としては「娘にとってのライトノベルはほぼ漫画と同じ位置づけ…それを許可でよいのか」と悩んでいました。
が、これは結局、文字だけだから良し。ということで合意していました。
続いて出てきたのが、「折り紙」
え?5年生になっても折り紙するかな?(最近家であんまり折っているところなんて見ないけど)でもまぁルールを作っておけば、いざというとき、揉めにくくなるので折り紙は許可。並びで、お絵かきとぬりえも許可になりました。
ここまでが学校を欠席した日のルール。
では、遅刻や早退の日はどうするか?と話し合うと…
最初は、学校にちょっとでも行ってるんだから、欠席の日と同じ扱いは厳しすぎるんじゃないか。と二人で話していたのですが、
遅刻や早退の日のルールを別に決めると、分かりにくくなるのでもう欠席も遅刻も早退も同じでいい!という結論に。
この話し合いをしている最後の方は、けんかをしていたことも無かったかのように二人で普通に会話しだし、いつのまにかけんかも終わったようでした。
最後は、お互いにサインをして契約書を締結し、みんながよく見える場所に掲示しました。
家族といえど、一緒に暮らしていると日常生活の中での些細なモヤモヤや、イライラすることもあります。
そんなときは、紙に書いてことばにします。
そうすることによって、家族の中で共通認識を持てるので、10歳の双子がいる我が家では、今この方法がヒットしています。