6月20日、「世界経済フォーラム」(WEF)が「Global Gender Gap Report 2023」(世界男女格差報告書)を発表しました。
同報告書は、WEFが各国の男女格差を数値化し、「ジェンダーギャップ指数」としてランキング形式で毎年発表しているもの。
順位が高いほど男女格差が小さいことを意味します。格差の評価は、「経済参画」「政治参画」「教育」「健康」の4分野と14項目で実施しました。
調査対象の146ヵ国のうち、日本は125位。
2022年の116位から順位を落とし、公表がスタートした2006年以来、過去最低を記録しました。
日本の順位は、主要7カ国中では最下位。
アジア太平洋地域においても、「ニュージランド」(4位)、「フィリピン」(16位)、「オーストラリア」(26位)が上位にランクインしていることを考えると、世界的に見て日本は男女格差が大きいことがよくわかります。
余談ですが、報告書には男女格差の是正に要する年数が地域ごとに記載されています。
日本を含むアジア太平洋地域の場合、「男女格差が改善するペースがいまのままであれば、あと189年かかる」との見込みです。
同地域内での日本の順位が低いことを勘案すると、「189年」という数字はインパクトがあるといえます。
日本の順位が特に低かった分野が「政治参画」(138位)で、報告書では「世界最低レベル」と明記されています。
現に、日本では国会議員における女性の割合は低く、女性の閣僚数も少ないことが問題視されています。
県議会や市議会と言った地方自治体での女性議員の割合でも、同様の傾向があります。
そもそも、日本では女性の総理大臣が生まれたことがありません。
「経済参画」の分野における日本の順位は、123位。
男女間での所得格差や女性の管理職が少なさにより、ランクを落としています。
政府が6月中旬に発表した「男女平等参画白書」でも、女性が家事育児を担う傾向が強いため、男性に比べて就業機会を得にくいことが指摘されています。
日本の総合順位は125位ではあるものの、「教育」では47位、「健康」では59位と、中盤にランクインしています。
教育においては識字率や初等、中等教育水準の男女格差は非常に小さいことが評価されました。
参考:
男女共同参画局「男女共同参画に関する国際的な指数」
https://www.gender.go.jp/international/int_syogaikoku/int_shihyo/index.html
WORLD ECONOMIC FORUM Global Gender Gap Report 2023
https://www.weforum.org/reports/global-gender-gap-report-2023/
男女共同参画局「男女共同参画白書」
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/index.html