イヤイヤ期とは、2歳前後の赤ちゃんが成長する過程で自己主張が激しくなる時期のことです。
パパママからの声掛けが自分の意向に沿っていないと、「イヤ!」と言って反抗することから、イヤイヤ期と呼ばれています。
イヤイヤ期と第一次反抗期を同義と捉える考え方がある一方で、イヤイヤ期の後に第一次反抗期が来るという考え方もあります。
後者の考え方では、やみくもに「イヤ!」と言い張るイヤイヤ期が落ちついた後に脳がさらに発達し、理屈や理由をつけて反抗し始めるようになるといわれています。
イヤイヤ期はいつから始まる?いつまで続く?原因や向き合い方もご紹介
15,731 View2歳前後の赤ちゃんが何をやっても癇癪を起こして泣きやまないのは、イヤイヤ期だからかもしれません。イヤイヤ期は赤ちゃんが成長している証であり、必ず終わりが来ます。しかし赤ちゃんが言うことを聞いてくれないと、困ってしまいますよね。今回は、イヤイヤ期の原因や上手な向き合い方などについてご紹介します。イヤイヤ期について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
イヤイヤ期とは
参考:東京都「0歳児から2歳児の発達過程」
イヤイヤ期はいつからいつまで?
イヤイヤ期が始まってから落ちつく時期は、赤ちゃんによって個人差があります。
ここからは、一般的なイヤイヤ期の期間についてご紹介します。
1歳半頃から始まって3歳頃に落ちつく
一般的にイヤイヤ期は、1歳半頃から始まって3歳頃に落ちつくといわれています。
なぜなら3歳頃になると言葉の発達が進み、「どうして嫌なのか」「どのようにしたいのか」などの感情を言葉にして上手に伝えられるようになるからです。
ただし、イヤイヤ期がくるのが早い子遅い子、4歳以降になっても続く子など、イヤイヤ期の期間には個人差があります。
ほかの子と比べてイヤイヤ期が長かったり短かったりしても、気にしすぎる必要はありません。
参考:厚生労働省「お母さんと子どものコミュニケーションのために-0~3歳までのお子さんのお母さんへのヒント集-」
参考:厚生労働省「保育所保育指針解説書」
2歳頃にピークを迎える
一般的に、イヤイヤ期は2歳頃にピークを迎えるといわれています。
このことから、この時期の子どもは「魔の2歳児」とも呼ばれることがあるのです。
2歳の赤ちゃんは知能の発達とともに、嫌なことややりたいことなどを言葉で主張するようになります。
その反面で、言いたいことを上手く言葉で伝えられず、もどかしさからイライラがつのり大泣きしてしまうのです。
イヤイヤ期がない子もいる
イヤイヤ期の期間や程度には個人差があり、なかにはイヤイヤ期がない子もいます。
イヤイヤ期がない子どもには、以下のような特徴が多いようです。
・言葉の発達が早い
・自己主張が強くない
・大人しい
・穏やかな性格である
言葉で自分の気持ちを伝えられる子や自己主張が少ない穏やかな子は、癇癪を起こす頻度が少ないため、パパやママもイヤイヤ期がなかったと感じるのかもしれません。
イヤイヤ期がなくても気にしすぎる必要はありませんが、心配なことがあれば専門医に相談したり、3歳児健診のタイミングで医師に相談したりすると安心です。
イヤイヤ期の原因
子どもがなかなか言うことを聞いてくれないと、パパママもイライラしてしまいますよね。
しかしイヤイヤ期の原因を知っておけば、パパやママのイライラも軽減するかもしれません。
ここからは、イヤイヤ期の原因として考えられることをご紹介します。
やりたいことが上手くできない・思い通りならない
1歳9ヶ月頃になると、赤ちゃんに自我が芽生え始めます。
しかしやりたいことが増えても、それを上手く言葉や身体で表現できません。
物事が思い通りにならないので、子どもはイヤイヤを起こしてしまいます。
さらに知能が発達する2歳頃になると、思い通りにならない・やらせてもらえないもどかしさが爆発して癇癪を起こしたり、頑固な行動をとったりするのです。
参考:東京都「0歳児から2歳児の発達過程」
参考:厚生労働省「お母さんと子どものコミュニケーションのために-0~3歳までのお子さんのお母さんへのヒント集-」
パパママに甘えたい
自我が芽生える一方で、まだまだパパママに甘えたい気持ちが強いのも、イヤイヤ期の特徴です。
自己主張が強くなり、自分であれもこれもしたいけれど、「まだまだ甘えたい」「世話を焼かれたい」という気持ちがあり、そのような心理的葛藤が「イヤ!」の言葉で現れます。
イヤイヤ期の子どもが甘えたい素振りを見せたら、その気持ちをしっかり受け止めて、抱っこをしたりスキンシップをとったりしましょう。
パパやママもイライラしてしまう時期ですが、物理的に距離をとってしまうと、「どうにかしてほしい」という子どもの感情を無視してしまうことになります。
イヤイヤ期には、どのように向き合えばいい?
イヤイヤ期を乗り越えるには、子どもの気持ちを受け入れて、感情と上手に付き合う必要があります。
ここからは、イヤイヤ期との上手な向き合い方についてご紹介します。
ある程度は好きなようにさせてあげる
自我が芽生えてやりたいことが増えるイヤイヤ期は、危険なことやいけないことを除いて、ある程度好きにさせてあげるのがポイントです。
パパママがむやみに叱ったり突き放したりすると、せっかく芽生えた子どもの自我が損なわれてしまう恐れがあります。
過保護・過干渉になるのではなく、安全を確保しながら、子どもが納得するまで見守ってあげましょう。
何がしたいのか、根気強く聞き出してあげる
やりたいことを上手く表現できない子どもに対しては、とことん向き合い、何がしたいのか根気強く聞き出してあげましょう。
言葉で上手く伝えられない気持ちを、「そうだよね」「こうしたかったんだね」とパパママが肯定しながら代弁してあげると、子どもに安心感が生まれます。
選択肢を挙げて選ばせてあげる
「雨が降っているけど散歩に行きたい」「おもちゃを買ってほしい」など、子どもの要求に応えられないときは、複数の選択肢を挙げて子どもに別の方法を選ばせてあげましょう。
「今は希望どおりにしてあげられない」ということを明確に伝えたうえで、子どもが気持ちを切り替えるきっかけを作ってあげます。
「好きなテレビ番組を観る」「いつもと違うお部屋で遊ぶ」「カッパを着て公園に行く」などいくつかの案を出して選ばせることで、子どもは「自分で選んだ行動をしている」という満足感を得られます。
遊び感覚でやってもらう
イヤイヤ期の子どもに「もう寝る時間だよ」「ご飯を食べるよ」などと声を掛けても、「イヤ!」と抵抗されることでしょう。
そんなときは、遊びを取り入れながら行動を促すのがおすすめです。
たとえば「この積み木が完成したらご飯にしよう」「この絵本を読んだら着替えよう」のように、やるべき行動の前に何か楽しい遊びをワンクッション挟んでみてください。
こうすることで、子どもは楽しみながら気持ちを切り替えられるかもしれません。
できたときには褒めてあげる
イヤイヤ期が長く続くと、パパママはついつい叱ってしまいがちです。
しかし、たとえ小さなことでも何かができたときには、しっかり褒めてあげることも大切です。
子どもは「できた!」という積み重ねのなかで成長していきます。
褒めてあげることで、子どもの自尊心も育ちやすくなるでしょう。
パパやママも叱ってばかりだと気持ちが滅入ってしまいますが、小さなことでも積極的に褒めることで、自身の気分も安定しやすくなります。
参考:東京都「0歳児から2歳児の発達過程」
イヤイヤ期がつらいときは周囲の人に相談しよう
イヤイヤ期は、子育てをするパパママにとって大変つらい時期です。
しんどいと感じたときは、1人で抱え込まずに周囲の人や以下のような機関に相談しましょう。
・市町村保健センター
・地域子育て支援センター
上記のような機関では、気軽に専門家の意見を聞けたり、同じ悩みをもつパパママと気持ちを共有できたりします。
また、イヤイヤ期を上手に乗り越えるためには、時間に余裕をもつことも大切です。
子どもが言うことを聞いてくれなくてなかなか次の行動に移せないと、焦りからイライラがつのってしまいます。
いつもより時間に余裕をもって行動することで、パパママのイライラを軽減できるかもしれません。
参考:厚生労働省「お母さんと子どものコミュニケーションのために-0~3歳までのお子さんのお母さんへのヒント集-」
まとめ
今回は、イヤイヤ期の原因や上手な向き合い方についてご紹介しました。
イヤイヤ期は、自我が成長する過程でやってくる子どもにとって大切な時期です。
子どもの気持ちとじっくり向き合い、自我の芽生えをサポートしてあげましょう。
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