我が家には小学校5年生の男女の双子がいます。
先日、息子が体調を崩し、学校を欠席しました。
子どもが体調不良の朝は、いつにも増してやることがあります。
起床から登校までの時間に、子どもの様子を見ながら学校へ行けるか判断し、学校を休む場合は職員室へ電話連絡をします。そして病院へ連れて行ったほうが良いかも考え、病院の予約を入れつつ、その日の仕事の調整もしないといけません。
ぐったりした子どもを抱えながら、こちらもグッタリしてしまいます。
そんな中、ここ数年、新型コロナウィルス感染症の影響もあり、双子の通う学校では、欠席する場合、朝の連絡はすべてオンライン化され、電話連絡が不要になりました。
電話連絡ではなく、アプリで登録すればOKになったのです。
その日の健康チェック(発熱や症状の入力)とともに、学校へ欠席届けを登録すれば手続きは完了。
高熱が出ていたので、その日は「欠席」と登録しました。
病院で薬をもらい、自宅で療養していた息子は、だいぶ症状も落ち着いてきたものの、熱が下がらず…これは明日もお休みかな…?と思っていたところ。
その日の夕方、担任の先生から着信がありました。
タイミング悪く電話に出れなかったので、「きっと今日の様子の確認と、明日の時間割の電話だな」そう思ってかけ直してみたところ…
先生からの電話の内容は予想外のものでした。
最初は、息子の体調は大丈夫ですか?という内容だったのですが、明日学校に来れそうですか?という話になり、先生が神妙そうな声で「実は明日は、クラスの係決めの日でして…」と言い出したのです。
係決めの日。
でも息子の様子を見る限り翌日も登校できそうにありません。「おそらく明日も欠席になりそうです」と伝えると。
「そうですか〜〜…。実は、息子さんが希望されている黒板係が大人気でして。それで、明日じゃんけんで決めることになりました。明日来れないとなると、息子さんには大変申し訳ないのですが…」
係決めの日に出席できないので、希望していない係になってしまうことは仕方ないだろう。息子にそう説明しよう。と思っていると
先生はさらにこう続けたのです。
「明日は、僕が息子さんのかわりにじゃんけんに参加しますので、じゃんけんで何を出すか…息子さんに確認することはできますか?」
え…?先生がかわりにじゃんけんしてくれる?(しかも、グー・チョキ・パーを先生がかわりに出してくれる?)
予想外の内容でしたが、せっかくの先生からの提案なので、息子に話を伝え、係決めのじゃんけんで何を出すか聞きました。
息子も、え…?と戸惑いながらも「じゃぁ、チョキで」と答えました。
私は伝書鳩となり「すみません、息子は”チョキ”を出すそうです」と伝えると、先生は「了解です。最初はチョキですね。」と言うのです。
え? 最初?
もしかして、これ続くの?と思っていると「お母さん、すみません。人数多数でじゃんけんが続くことが見込まれるので、チョキの次に何を出すか…?聞けますか?」と言います。
あぁ、わかりました。と息子に聞くと、次も「チョキ」とのこと。
そのまま先生に伝えると…
「チョキ。チョキ。ですね。了解です。そして、申し訳ないのですが…。最初のじゃんけんで負けてしまった場合、息子さんが第2希望の”くばり係”になれる可能性は高そうです。でも、”くばり係”になれなかった場合は”ゴミ係”もしくは”もぐもぐタイムの絵係”になりそうです」と続きました。
電話に応対しながらも、くばり係ってなに?ゴミ係はきっとゴミ捨てするんだろうなぁ。いやまて、もぐもぐタイムの絵係ってなに?と、私の脳内は「?」だらけでした。
先生は「息子さんは各係の内容をわかっていると思いますので、第3希望まで聞いておいてもよいですか?」と続けるので、そこまで意思を確認してくださるのならば、息子と直接話してもらうことにしました。
息子に電話を渡すと、ベッドの上で正座している息子。
神妙な顔つきで「はい。はい。わかりました。じゃぁ、チョキ、チョキ、チョキ、パー、グーでお願いします」と答えています。
そして「その場合は”もぐもぐタイムの絵”でお願いします」と答えています。
もはや、なんの係かわかりませんが、息子は第3希望まで伝えられたようです。
忙しい中、わざわざ電話をかけて、係決めにここまで配慮してくださるなんて。お礼を伝えつつ先生との電話は終わりました。
翌日も息子は学校を欠席したのですが、担任の先生から電話がありました。
「お母さん、すみません…。じゃんけんに負けてしまい、第1希望の黒板係にはなれなかったのですが、第2希望のくばり係になりました」と少し悔しそうな先生の声。
じゃんけんの手を考えたのは息子だし、まさか、係決めのためにじゃんけんの5手先まで確認してくださるとは思いもしなかったので、先生には感謝を伝えました。
そこまでしなくていいのに。
そう思いながらも、今回の対応から、丁寧にクラス運営をしてくださっていることが垣間見え、敬語で先生と会話している息子の様子も見ることができて、レアな時間を経験できました。
自分の小学校時代を思い返すと、学校を休むと授業は進んでいるし、休みの間に決まったことなどが多々あったけれど、こんな風にサポートしてもらえるのはとてもありがたいな。と感じた出来事でした。