公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)は今年9月、「2023年 住宅居住白書」を発表しました。
住宅居住白書とは、事前に行った「住まいに関する定点/意識調査」の結果をまとめたもの。
調査対象は、全国に住む20歳〜65歳の男女で、5151人が回答しました。
「不動産は買い時と思うか」を聞くと、「そう思う」は15.8%で、2022年の調査(6.4%)と比べ、9.4ポイント上昇しました。
理由の1位は「今後、住宅ローンの金利が上昇しそうなので(今の金利が低いので)」(44%)で、「不動産価値(価格)が安定または上昇しそうだから」(24.9%)、「住宅ローン減税など住宅取得の為の支援制度が充実しているから」(24.6%)が続きました。
対して「買い時とは思わない」の回答率は37.0%で、前年比10.6ポイント上昇。「不動産価値(価格)が下落しそうだから」や「自分の収入が不安定または減少しているから」が主な理由です。
「わからない」は47.2%で、前年比20ポイント低下しました。これまで、回答率は60%前後で推移していたことを考えると、消費者が購入するかどうかを迷わなくなったことがわかります。
現在の住まいに関係なく、持ち家派と賃貸派のどちらかを聞くと、67.5%が「持ち家派」と回答しました。
持ち家を選択した理由の上位には、「家賃を払い続けることが無駄に思えるから」(56.8%)、「落ち着きたいから」(37.4%)、「老後の住まいが心配だから」(35.3%)が挙がっています。
一方で「賃貸」と答えた人の割合は、17.4%でした。
「住宅ローンに縛られたくないから」(45.3%)や「税金や維持管理にコストがかかるから」(34.3%)などが理由です。
「家を住み替える際に検討すること」を質問すると、理由の上位には「購入金額・賃料」(48%)、「周辺・生活環境がよい」(45.8%)、「交通の利便性がよい」(38.5%)がランクインしました。
「間取り(プラン・部屋数)」は23%、「日当たり・住宅の向き」は21.3%であることを考えると、物件のスペックよりも物件が建っている場所や周辺環境を重視する傾向があることがわかります。
参考:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連) 「2023年 住宅居住白書」
https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/09/2023-fudousan-anke-to.pdf