今息子は4歳で、幼稚園に通っています。
幼稚園に入るまでは、お昼までのたった数時間ですが、一時保育を時々利用していました。
そこでは、いつもベテランの保育士さんが笑顔で迎えてくださいました。
私の母親世代、息子にとってはおばあちゃん世代で、いつも笑みを絶やさず見守ってくださる感じの先生。
とても安心してお任せすることができました。
初めて預ける時、息子が泣いて離れなかったらどうしようかと不安でした。
しかし、息子は少し緊張した様子ではあるものの特に泣くわけではなく、先生に優しく手を引かれて部屋に入っていきました。
そんな息子の後ろ姿を見て、ほっとしたのを今でも覚えています。
一時保育なので、我が家も週に2回ほどの利用でしたし、毎日同じメンバーではありません。
しかし、我が家と同じように定期的に利用されている方とは、少しずつ話をするようになっていきました。
その中で1人、部屋に入る時にいつも大泣きしている女の子がいました。
年齢は2歳くらい。
見かけるたびに、お母さんにしがみつきながら泣き続けていました。
最終的には先生が優しく抱っこして、「いってらっしゃい」とお母さんに声をかけて部屋に入っていきますが、しばらく部屋の中から泣き声が聞こえてきています。
保育園からの帰り道、そのお母さんが
「どうしてうちの子だけいつまでも泣き続けるんだろう......」と少し困っていました。
今は小学生の娘が幼稚園のころ、毎朝大泣きしていた時期があったので、私もそのお母さんの気持ちが痛いほど良くわかりました。
「どうしてうちの子だけ、いつまでも泣くんだろう」
「他の子は笑顔でバイバイできて、えらいなぁ」
「また明日も泣くのかな」
など、考えれば考えるほど気持ちは暗くなってたのを思い出しました。
そのお母さんの話を聞きつつも
「絶対いつかは慣れるはずだよ」
としか声をかけれず、もっと何か安心できるような言葉をかけられないかなぁと、一人モヤモヤしてしまいました。
それから数日後、また息子を預ける時にあの女の子がやってきました。
いつも通り、女の子は部屋の前に来ると泣きじゃくり、お母さんに抱き着いて離れません。
お母さんは「毎回すみません、先生も大変ですよね。本当すみません」と何度も謝っておられました。
謝る必要はないと思うものの、お母さんの気持ちも痛いほどわかりました。
そんなお母さんに先生は穏やかな表情で
「全然いいのよ~。お母さんが大好きじゃないと困るわよ。これでいいのよ~」
と笑顔で話されていました。
その言葉を聞いて、私の心のモヤモヤがすっと晴れたような気がしました。
「泣いてしまうのはお母さんが大好きだから。これでいいのよ」
それはすごくすてきな言葉でした。
もちろん、泣かないで行ける子が、お母さんが大好きではないというわけではありません。
しかし、泣いてしまう事に対しても”お母さんが大好きだから”と、肯定的に捉える考え方に隣で聞いていて感動しました。
ちょうど数年前の今頃、幼稚園に行きたくないと娘は泣きじゃくっていました。
毎朝幼稚園に連れていくだけで疲れ果ててしまっていた私。
今タイムスリップして、当時悩んで疲れていた私に
「そんなに悩まなくて大丈夫!娘は、ママが大好きだから離れたくなくて泣いているんだよ」
と教えてあげたいです。
保育士さんの言葉に、数年前の疲れていた私が癒された気持ちになりました。
これから同じような場面に遭遇したら、「お母さんが大好きだから泣いてるんだよね~」と声をかけてあげられたらと思っています。