【56％が転職!?】リモートワークが終了したら…子育て世代のホンネ

コロナ禍によって積極的に導入されてきたリモートワークですが、世の中が次第に元の生活スタイルを取り戻しつつある流れに乗り、一斉にオフィス出社へと方針転換をする企業が増えているようです。

しかし、せっかく定着してきた新しい働き方。当事者である従業員は、この流れにどのような思いを抱いているのでしょうか？

テレワーク・リモートワーク総合研究所が、『オフィス出社回帰に対する従業員の声』について市場調査を実施。子育て世代の意識にも深掘りしています。詳細を見ていきましょう！


＜調査概要＞
【調査期間】2023年11月10日～2023年11月13日
【調査対象】全国20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1044名
【対象方法】インターネット調査

まず初めに、「リモートワークから出社に会社方針が変わったら、あなたは転職を考えますか？」という問いに対し、「元の生活に戻るだけなので受け入れる」と回答した人は43.9％と半数を下回る結果に。

残りの回答を見てみると、「100％リモートワークがいいので転職を考える」と回答した人が12.3％、「半々なら転職は考えない」という人が25.5％という結果でした。

また、「週に1回」「月に数回」のリモートワークがなければ転職を考えるという人がそれぞれ9％程度という結果になり、全体を見みると、リモートワークを完全中止して100％出社になった場合、半数以上の56％の人が「転職を考える」ということがわかりました。

コロナ以前では、「リモートワークが無い」ことを理由に、転職や退職リスクが高まることは無かったと思われますが、このデータから、これまでとは違う新たな選択肢ができたことによって、働き方そのものへの意識が変わったことがうかがえます。

さらに、前述のアンケートで「100％リモートワークを希望する」と回答した人に対象を絞り、「リモートワークが及ぼす子育てへの影響」についてアンケートを実施。

「時間にゆとりができる」との回答が60％と圧倒的な票を集め、次いで「子どもと過ごす時間が増える」、「料理をする機会が増える」と続きました。

さらに「趣味に時間をかけられるようになる」との回答も上位にあることから、自分の時間を大切にすることが、子育てにも良い影響があると考えている人も多いようです。

これらをまとめると、リモートワークによって時間のゆとりができることから、子育て、そして自分に使える時間が増える、ということが100％リモートワークを希望する理由になっているとも言えるでしょう。

この結果は30代による回答が多くを占めました。30代はビジネスの現場では主戦力。彼らのニーズに応える就業形態の構築は、企業にとって重要なポイントです。

3年以上続いたコロナ禍により、さまざまな変化への対応を強いられてきた中で、もはや1つのスタンダードとして定着してきた「リモートワーク」という働き方。

今回の調査では、アフターコロナと呼ばれる今、かつての働き方だけではついてこない従業員が多数いることが浮き彫りになりました。

リモートワークこそが正義というわけではありませんが、数ある働き方の選択肢の1つとしてリモートワークを検討することは、仕事だけでなく、子育てなど家庭との両立においても意味のあることではないでしょうか。

さまざまな場面において多様性が叫ばれる中、働き方に関しても「仕事＝会社に行く」といった価値観だけでは通用しない、新たなフェーズに差し掛かっているように感じる調査結果でした。