コノビー編集部の選りすぐり!何度でも読みたい、名作体験談。
今回はコノビーで連載中の「さとえみ」さんの名作をご紹介いたします!白米の食べ方をめぐる夫婦の違いを描いたエピソードです。
初回公開はこちらです。
https://mama.smt.docomo.ne.jp/conobie/article/27883
まいどおおきに!
育った文化も性格もまるで違うベルギー人夫とけっこう仲良くやっているけど、時々許せない瞬間がおとずれる系オカン、さとえみです。
今回は、そんな“許せねぇポイント”がマックスになった瞬間についてのお話です。
ベジタリアンで、こだわりの強い性格のベルギー人夫は、「日本のごはんが大好き」と言ってはばかりません。
ごはんと言っても、食事全体のことではありません。
お米を炊いた方のごはんが大好きなのです。
ヨーロッパに住んでいても、日本の白米を食べることはできます。
イタリアやスペインで日本のコシヒカリが栽培されていて、比較的安く手に入れることが可能なのです。
我がベルギー人夫は、首都ブリュッセルの日本食材店に行くと必ず、日本のお米5キロを2袋、多い時は3袋購入します。
そして家に持ち帰り、大事に少しずつ食べていきます。
忙しい日も、日本のお米を炊いているだけで嬉しそうにする夫。
日本人の妻としては、悪い気はしません。
オカンも日本のお米が大好きなので、夫も同じだと思うとすごく嬉しいのです。
まず、炊きたてのごはんを用意します。
それをお椀に入れて圧縮させます。
その上に醤油と粉チーズをかけます。
……以上です。
なんと、ごはんが炊きあがってから1分以内にでき上がるではありませんか。
なんという時短。
タイムパフォーマンスの高みに君臨するかのような「料理」です。
でもそれが……許せねぇんですわ……。
まず、せっかくの炊きたてなのに万力を込めて圧縮し、空気という空気を追い出している点。
アナタの辞書に「ふっくらごはん」という言葉はないんか?
なぜご飯を水平線のように平らにする?
圧縮したごはんが好きなら、いっそおにぎりにすれば良いのに……!
醤油と粉チーズをかけて「料理」とするところもちょっと嫌やし、YURUSENEEEEEEの嵐だったのです。
とはいえ、とはいえ……。
圧縮するのは、自分のお椀のごはんだけ。
そして意外と美味しいのです……。
熱々のごはんにかけた粉チーズが溶けて糸をひき、醤油とごはんのマリアージュに花を添える形になっており……。
1分で作ったにしては満足度が高い。
料理としては受け入れられないけど、手軽な「一皿」と呼べば受け入れられる気がするし。
そして、それを食べている夫の顔が幸せそうなので。
許せねぇけど、口出しもせず、見守っている次第です。
皆さんはいかがですか?
しゃもじが曲がるほどのごはんの圧縮、許せますか?
ほなまたね !