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公開 2017年07月27日  

「自己肯定感」を育むつもりが「優越感」を育てていませんか?親が意識すべきたった1つのこと

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自己肯定感を育むことが大切。教育や育児の業界では流行り文句になっていることの言葉に共感する方も多いと思います。今回は、あえてその潮流に疑問を投げかけ、大人の関わり方は本質的にどうするべきなのか、私なりの考えをお伝えします。


「自己肯定感が大切」は、みんな賛成で、だからこわい。

「自己肯定感」の低い子どもたちが増えている。いや、子どもたちだけでなく、大人もそう。

様々な調査でその重要性が叫ばれている「自己肯定感」ですが、よくよく掘り下げてみると結構奥の深い概念です。

私自身も自己肯定感は人間にとって最も大切なものの一つだと思っているのですが、今の自己肯定感ブームとも言えるこの潮流によって、むしろ少しねじれた考え方が世の中に広まっていないか心配になることがあります。

みんなが両手をあげて賛成しているものこそ立ち止まって、ちゃんと掘り下げて考えたい。今回は私なりに感じている事を、みなさんに共有したいと思います。

「良い評価」を与え続ける大人たち

自己肯定感の話といつもセットで語られるのが「いっぱい褒めてあげましょう」というもの。

たしかに、怒られてばかりいるよりは、褒めてもらえた方が自己肯定感は上がりそうな気がします。しかし、ここに一つの落とし穴があるように思えるのです。

自己肯定感は、文字通り自分で自分の存在を肯定できる感覚のことです。

しかしその理解が曖昧なまま「とにかく褒める」ということが先行してしまうと、本人の自己認識をそっちのけで、ひたすら大人による評価のシャワーを浴びせることになってしまいます。

「◎◎点取れてえらいね!すごいね!」
「1位になれてカッコイイよ!」
「さすがお兄ちゃんだね!」


こうした他人による評価は、確かに嬉しいものです。言われた方も笑顔になりますし、言った方もその様子を見て、子どもに活力を与えることができた!と感じるかも知れません。

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しかし実際には、この他者評価のシャワーが育んでいる(強化している)ものの実態は自己肯定感ではなく、「どうだ!」という優越感や、「親に褒められたい!」という承認欲求の強化にすり替わっている。

ここが、最も勘違いされているポイントだと私は思っています。

優越感は他者との比較を前提としているため、比較する存在がいなくなったり、周囲のレベルの高い環境に移ればすぐに揺らいでしまいます。

また承認欲求は、それ自体悪いものではありませんが、常に他者に承認してもらえないと自分の事を認められないという状態は、非常に不安定なものになってしまいます。

自己肯定感を育むというのは、自分で自分にOKが出せるよう育むということ。

大人が一方的にポジティブな評価をしていればいつか育まれると思っていると、まったく違った結果になってしまうかもしれません。

まず、自己評価を聞くことからはじめよう

では、私たち大人はどうすればいいのでしょう。

コツはたったひとつです。

まず、子どもの自己評価を聞いてみる。

これだけです。
例えばこんな会話にしてみてはどうでしょう。

親「運動会のかけっこどうだった?」(結果は知っていても聞く)
子「…。うん、がんばった!」
親「そっか!頑張ったよね!そんなふうに思えてよかったねえ!」


味気ないでしょうか(笑)。でも、私はこれでいいと思うのです。
子どもがよかった!と充実感を感じているなら、それでよし。と思えることが大切です。

他の例だと・・・。

親「今日サッカーの練習は何点だった?」
子「ん〜。80点かな!」
親「お!そうなんだ。よし!って感じ?それともまだ足りないなって感じ?」

(80点で満足なのか、のこりの20点を埋めたいのかを問う)

という様なイメージです。

大人は、子どもの自己評価に共感しつつ、本人が満足なら一緒に大喜びすればいいし、不満足ならその次どうすればいいか一緒に考えればいい。

「褒めよう」「褒めよう」と思っていると、どうしても軸足が大人の意思になってしまいますが、「本人がどう思っているのかな」と自己評価を聞いてみることで、子ども本人に軸足を預けてコミュニケーションを取ることができるようになるのでおすすめです。

ここまで私の一考察ですが、自己肯定感の重要性に気づいている素敵な大人のみなさんのヒントになれば幸いです。

※ この記事は2024年10月26日に再公開された記事です。

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