お食い初めは、生後100日~120日頃に行うお祝い事で、「一生食べ物に困らないように」と赤ちゃんの成長を願います。
「百日祝い(ももかいわい)」「100日祝い」などとも呼ばれています。
平安時代に、赤ちゃんにお餅を食べさせる真似をする「百日(ももか)」という行事があり、これがお食い初めの起源といわれています。
赤ちゃんのためのお祝い膳を用意するほか、乳歯が生え始める時期であることから、「歯固めの石」を添えて、丈夫な歯が生えるようにという願いを込めます。
もちろん、離乳食も始まっていないので、実際に赤ちゃんが食べるのではなく、箸を使って食べる真似をします。
ご馳走を用意して、皆で赤ちゃんの成長をお祝いしましょう。
お食い初めレシピ5選!簡単に手作りできる汁物メニュー
56,106 View赤ちゃんが生まれてちょうど100日に行われる「お食い初め」。食べ物に一生困らないようにとの願いを込める大事な儀式の献立は「一汁三菜」が基本です。そのうちの、汁物についてその由来と手作りレシピを紹介します。
お食い初めとは?
お食い初めはなぜ一汁三菜?
基本のお食い初めの献立は、一汁三菜とされています。
鯛の尾頭付きの魚・筑前煮などの煮物・なますなどの香の物・ご飯・はまぐりのお吸い物などの汁物を用意します。
これには生きていく上で必要なものという意味があり、一生食べ物に困らないようにと願いが込められています。
汁物でよく使われるはまぐりは、貝殻を離したときに、離した貝殻としか合わないことから、将来良いパートナーに恵まれるようにとの願いが込められています。
他にはめでたいの語呂合わせで鯛を使う場合もあるようです。
料理は家庭でも用意できます
お食い初めには食べる順番があり、ご飯・吸い物・ご飯・魚・ご飯・吸い物を3回繰り返すところが多いようです。
生後100日目の節目の時期に、赤ちゃんの健やかな成長を願うお食い初め。
必要のお料理のひとつひとつは決して難しいものではなく、家庭で簡単に用意できます。
お食い初めは家族みんなが集まってお祝いし、赤ちゃんの幸せを願うことが大切なので、必ずしも格式張らなくても大丈夫。
ご家庭に合った方法やレシピでお祝いしてはいかがでしょうか。
お食い初めの準備
お食い初めで主に必要なものは、食器、歯固め石、お祝い膳、衣装などです。
【食器】
お食い初めの時は一般的に、漆器を使用するのが昔からのならわしとなっています。
男児の場合…内側、外側ともに朱塗りの器
女児の場合…外側が黒塗り、内側が朱塗りの器
しかし、最近はこれから使える離乳食用の食器をお食い初めに使う家庭もあるようです。
【祝い箸】
両方の先端が細くなっている丸箸のことを「祝い箸」と言います。
お正月に使ったことがある人も多いのではないでしょうか?
祝い箸は、末広がりの意味を持つ八寸(だいたい24cm)で作られています。
片方の先端を人が、もう片方の先端を神様が使うとされており、「両口箸」とも呼ばれています。
【歯固め石】
準備する小石は1cm~数cmで、1、2個を準備する地域が多いようです。
小石は、自分で準備する時は、地元の氏神様の神社の境内から借りる、または川や海などできれいなものを拾って、洗って使ってもOK。
儀式が終わったら元も場所に返すのを忘れないようにしましょう。
小石の代わりにお祝い用のお餅でも大丈夫。
地域によってはタコを使用するところもあります。
これは「多幸=タコ(ウ)」と「固いタコでも食べられる健康な歯でいられるように」という意味が込められています。
【衣装】
お食い初めでは、男児は黒やグレー、女児は朱色の「小袖(小さい袖の、和服の普段着)」を着せるのが伝統的です。
高価なものは汚れないよう注意しなければならない上、気慣れない和服で赤ちゃんがぐずったりしてしまう可能性もあるため、小袖にこだわらなくても大丈夫。
お食い初めは何よりも、赤ちゃんがリラックスできることが大切。
家族含め和装や正装にこだわらず、ちょっと特別感のある衣装でお祝いする家庭が多いようです。
お食い初めのやり方、順番
お食い初めは、祝い箸を使って「将来、食べ物に困りませんように」とお願いしながら、料理をひと口ずつ赤ちゃんの口元に運びます。
口に運ぶ順番ですが、一般的には
「ご飯→お吸い物→ご飯→魚→ご飯→お吸い物」
の順番で行い、これを3回繰り返します。
煮物や香の物がある場合は
1回目「ご飯→お吸い物→ご飯→魚→ご飯→お吸い物」
2回目以降「ご飯→お吸い物→ご飯→煮物、香の物→ご飯→お吸い物」
といった具合に行います。
最後に、歯固めの儀式を行って終了です。
(※従来、歯固めの儀式は、歯固め石を赤ちゃんの歯茎に軽く当ててきましたが、近年は誤飲しないよう歯固めの石に祝い箸を当て、その箸を歯茎に当てるというやり方をすることもあります。)
お食い初めは長寿にあやかれるように、身内の最年長の人が行うのが基本です。
赤ちゃんの性別に合わせ、女の子なら祖母が、男の子なら祖父が行いましょう。
もし両親だけで行う場合は、これにこだわることもありません。
父親や母親が行いましょう。
お食い始め簡単レシピ5選
それではここからは、お食い初めに欠かせない、お吸い物のレシピを5つご紹介していきます。
蛤のお吸い物(潮汁)
【材料】(3人分)
蛤(大きいサイズ) 3個
水 500ml
昆布(出汁用) 5g
塩 少々
お麩 6個
三つ葉 適量
柚子(あれば) 適量
【所要時間】
10分
【作り方】
1. 蛤は砂抜きします。海水濃度(3%)を作り出来れば一晩(急ぎの方は2〜3時間)つけておきます。水量は蛤が全部浸るくらいで常温で。私は上から水で固く絞った付近をかぶしてます。
2. 一晩つけても、まだ砂が入っている場合があります。蛤と蛤をカシャカシャと数回擦り合わせてよく洗い砂を抜きます。
3. 鍋に水、切り込みを入れた昆布、蛤を入れ冷たい水から弱火でじっくりと火にかけます。アクが出てきたらお玉ですくいます。沸騰してきたら昆布を取ります。少し火を強めると蛤が開き始めます。
4. 完全に開き切ったら蛤に火が通ったということですので蛤を取り上げます。※貝類は火を通しすぎると硬くなります※椀盛にするとプリプリした食感になりすごく美味しくできます。
5. 塩をひとつまみ入れ味を整えます。蛤の出汁が出るので塩だけで十分美味しいです。もし物足りない場合は気持ち、薄口醤油を入れてもいいです。これでお汁は完成です。
6. 食べる直前に再度お汁を沸騰させ、お麩を入れます。温まったら蛤の入ったお椀にお汁を注ぎ、程よい長さに切った結び三つ葉と柚子を添えたら、出来上がり!
極上海鮮スープ「おもてなし汁」
【材料】(3~4人分)
≪海鮮スープ≫
アサリ 200g
塩(アサリ塩もみ用) 小さじ1
ホタテ(肝とヒモ) 5個
塩(ホタテ塩もみ用) 小さじ1
甘エビ(シマエビ) 25尾前後
日本酒 1カップ
水 800cc
みりん 大さじ1
だしパック 2個
塩 小さじ1程度
砂糖 小さじ1程度
豆腐 1/4丁
みつ葉 2株
【所要時間】
1時間以上
【作り方】
1. 砂出ししたアサリをボウルに開け、塩を振って揉み洗いします。流水で洗て水を切ります。
2. ホタテをザル付きボウルに空け塩を振って軽く揉み洗いし汚れとヌメリを取り流水で洗って水を切ります。貝柱からヒモと肝を外します。貝柱は刺身用に別に取り分けます。
3. エビは頭を取り、この頭をだしに使います。
4. 鍋にアサリと酒、みりんを入れて火にかけ、沸騰したら蓋をして1~2分酒蒸しし、殻が開いたら水とだしパック、ホタテの肝、エビの頭を入れます。
5. 沸騰したらアクを取って、落ち着いたら煮立てないように弱火で30分ほど煮出します。
6. 味見をして塩と砂糖で調味し、火を止めてそのまま冷まします。
7. 完成したスープを3カップ分濾して別鍋に取り、豆腐を入れて火にかけひと煮立ちしたらみつ葉を放して火を止めます。
あさりとお花はんぺんのお吸い物
【材料】2椀分(2人前)
昆布 5cm×5cn1枚
水 2.5カップ
塩 少々 (少な目のひとつまみ)
あさり 6~8個
薄桃色のお花はんぺん 4個
三葉 1/2把
醤油 大さじ1/4~1/2
エリンギ 1/2本
【所要時間】
40分
【作り方】
1. 【準備】昆布は最低でも30分ほど水に入れておく。 三葉は洗って適当な大きさに切るか、茎を結んでおく。エリンギは少し厚めにスライスしておく。
2. 最初に昆布出汁を作ります。①で準備しておいた昆布水を鍋に入れ中火で沸騰直前まで煮ます。
3. 沸騰しそうになったら昆布を取り出します。
4. 今度は強火にして沸騰させます。
5. 湯が沸騰したら鰹節を入れて全体を混ぜます。
6. 鰹節全体が湯に浸かったらすぐに火を止め出汁をザル等にペーパータオルや布巾を敷いて濾します。
7. 濾した出汁を味見してみて、出汁が足りないと思ったら、温かいうちに再度昆布を入れて10分程つけます。
8. できあがった出汁を鍋に入れ、あさりとエリンギを入れて少し強めの中火にかけます。
9. あさりの貝が開いたら塩と醤油を入れてひと混ぜし、火を止める。
10. 椀に、汁のあさりとエリンギを取って入れ、用意した三葉と薄桃色のお花はんぺんを並べる。最後に鍋に残った汁を注ぎいれる。
ホタテとハマグリのクリームスープ
【材料】(3~4人分)
ホタテ(ボイル冷凍等) 1パック(150g)
ハマグリ(貝つき) 5~6個
玉ねぎ 大1個
にんじん 大1個
ホワイトマッシュルーム 1パック
ニンニク 2片
白ワイン 1.5カップ
水 1カップ
生クリーム 2/3カップ
ローレル葉 1枚
塩・コショウ 適量
オリーブオイル 大さじ2
バター 大さじ1
【所要時間】
1時間
【作り方】
1. 玉ねぎ、にんじん、マッシュルームを適当な大きさ切っておく。ニンニクを細かく切っっておく。ホタテは解凍、ハマグリは洗って塩水につけておく。
2. 鍋に細かく切ったニンニクをオリーブオイルで熱してから、解凍したホタテを入れて、強火で焦げない程度に炒める。炒めたホタテはいったんボールなど取り出す。
3. ホタテを取り出したあとの鍋に白ワインと100mlほど加えて、熱しながら1で切った玉ねぎ、にんじん、マッシュルームを鍋にいれ、さらに残りの白ワインと水を少々加えて、中火で煮込む
4. 3にローレルを入れて、中火で20分ほど煮込んでから、ロローレルをとりだす。塩、こしょうで少し味を調えてから、さらに、20分ほど煮込む
5. フライパンにニンニク1かけを切ったものと、オリーブオイルとバターを入れて、ハマグリを入れて、強火にする。ハマグリの貝が開いてきたら、2で取り出しておいたホタテを加えて熱する。
6. 5を4の鍋にいれ、材料をなじませたのち、いったん火を消して生クリームを加えて、混ぜる。塩・コショウで味を調え、沸騰させないように温めてできあがり。
ホワイトソースで作る、ほっこりクラムチャウダー
【材料】(2~3人分)
あさり(殻つき) 200グラム
白ワイン(または日本酒) 50cc
ベーコンスライス 2枚
玉ねぎ 60グラム
セロリ(茎)・人参 各40グラム
白菜(またはキャベツ) 100グラム
しめじ(エリンギやマッシュルームでも) 30グラム
顆粒チキンコンソメの素 小さじ1/4
◎バター 20グラム
◎薄力粉 大さじ1.5
◎牛乳 200cc
【所要時間】
約1時間
【作り方】
1. あさりはかぶるくらいの塩水(塩分濃度3%)で最低でも約3時間砂抜きする。殻どうしを擦り合わせるように洗ったあさりを鍋に入れる。
2. 1に白ワインと水50ccを入れて蓋をして強火にかける。約2分後、あさりの口が開いたらすぐに火を止める。粗熱がとれたら殻から外し、あさりの身をそのまま煮汁に浸けておく。
3. 材料表のベーコン~しめじはすべて細かくみじん切り。フライパンにサラダ油小さじ1を熱し、まずベーコン・玉ねぎ・セロリ・人参+塩少々を中火で炒める。※焦がさないように注意。
4. 3がしんなりとしてきたら弱火にし、蓋をして時々混ぜながら、約10分蒸らし炒める。白菜・しめじも加え軽く炒める。2の煮汁と水250 cc・チキンコンソメを加え、弱火で約10分煮る。
5. ホワイトソースを作る。小さめの厚手鍋を弱火にかけ、バターを溶かし、薄力粉を加え木べらで絶えず混ぜながら約2分炒める。※少量で焦げやすいので、火加減に注意して、混ぜ続けること。
6. ゆるいマヨネーズ状のとろりとしたところに、分量の牛乳のうち、まず半量を加える。ここで、ひとつまみの砂糖も加える。中弱火、牛乳がふつふつと沸いてきたら、ホイッパーで一気に混ぜる。
7. 6に残りの牛乳を加え、沸いてきたら全体をよく混ぜ合せる。5~7ホワイトソースの完成。
8. 7のホワイトソースの鍋に4そしてあさりの身を加え、弱火で全体を混ぜ合わせるように5分ほど煮る。塩少々で味を調え、お好みで黒胡椒を。器に入れ、パセリのみじん切り少々を飾る。
お食い初めは、堅苦しく考えず思い思いのスタイルで
お食い初めの汁物で多く使われるのは、はまぐりや鯛ですが、手に入りやすいあさりもオススメです。
基本は和食のお吸い物ではありますが、スープで洋風の献立にしてもいいかもしれません。
どれも魚介類なのでおいしい出汁が出て、栄養もたっぷりです。
他のシーフードや野菜を組み合わせれば、もっとおいしくなります。
思い思いのスタイルで、お食い初めのお祝いを楽しんでくださいね。
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