そもそもマタニティマークとは何のためのものでしょうか。
皆さんご存知だとは思いますが、念のため配布元の厚生労働省のサイトを見にいってみました。
マタニティマークは、どちらかというと、妊娠初期のお腹が目立ちにくいような時期に、周囲に妊娠していることに気づいてもらうためのマークという位置付けで配布されているもののようです。
私は産休に入る前はフルタイムで働いてました。
朝10時からだいたい夜も22時くらいまで12時間。
通勤で40分ほど電車に乗っていました。
朝は出勤時間がラッシュアワーからずれていたり、最寄駅が路線の始点に近かいなど、幸運が重なって比較的座って出勤できていました。
しかし、夜は東京の中心からの帰宅になるため立ちっぱなしになることも多かったです。
つわりはそこまで酷くはなかったのですが、22時過ぎの仕事で疲れた時間帯に、酔っぱらいも多い電車に揺られて帰るのは結構キツイものがありました。
(つわりが本当にひどい時は早めに上がらせてもらっていたので、毎日毎日22時というわけではなかったですが)
2014年の4月下旬に妊娠がわかり、5月の初め頃からマタニティマークをつけて出勤するようになりました。
4月下旬当時はまだつわりはなかったのですが、会社の上司や病院の医師などから「今が一番大事な時期だから」と諭され、つけはじめました。
マタニティマークをつけはじめて間もなく、「なんとなく貧血っぽい」、「疲労感が抜けない」など、段々とつわりの症状が出始めました。
一度は電車内で貧血になり脂汗が出て目の前が暗くなったので途中下車して駅のベンチで休んだりもしていました。
通勤時にマタニティマークをつけていて、実際に周囲から配慮されることがあったのか?
妊娠中の皆さんは、気になるところだと思います。
私は、電車内で席を譲ってもらった時に嬉しさのあまり毎回LINEで旦那さんに「譲ってもらえたよ!」という報告をしてました。
それがうまいこと記録として残っていたので実際どうだったのか以下に表して見ました。
これをみると、席を譲るかどうかの判断ってマタニティマークよりも、どうやらお腹の大きさを見ているような気がします。
実際に9月に入ってからはぽっこり出たお腹を見た上で、マタニティマークを見て、席を譲ってくれるというパターンが多かったように思います。
こうして見てみると、「妊娠初期の辛い時期に周囲に気づいてもらう」という、本来の目的から少し効果がずれてしまっているのが伺えます。
産後になって気がついたのですが、電車に乗る時はそんなに周りの人をジロジロ見ることがありません。
スマホを見たり、本を読んだり、音楽を聴いたり、大体の方が自分の世界に入っていることが多いです。
そのため、バッグにひっそりとつけられたマタニティマークは見逃してしまいやすいといえます。
また、座っている人からは目の前に立っている人の前半分しか見えません。
例えばリュックのファスナーにつけていたりしている方がいますが、全く見えません。
見た目が妊婦に見えない上にマタニティマークも見えないので、席を譲るべきかどうかの判断がつかないのです。
つわりがひどくてマタニティマークをつけいるのに全然席を譲ってもらえない…と思っている方は、周りの方に見えるようにつけると良いと思います。
自分がマタニティマークをつけて通勤をしているときは知らなかったのですが、産休に入った後ネット上で「マタニティマークをつけているせいで危険な目にあうことがある」という記事を見ました。
妊婦であることを理由に嫌がらせをされることがあるので、つけるのをやめる人が出てきているとのこと。
そんな声に配慮して、以前よりもマーク自体を小さくする動きもあるようです。
そうなると、ますます周りから見えなくなってしまって本末転倒です。
個人的にはマークをつけていたからといって何か嫌がらせをされたりということは特にありませんでした。
妊婦さんを傷つけようとする「信じられないような行動」だからこそ、ニュースになったのかもしれません。
ただ、私が被害にあわなかったのは通勤時間だったからかもしれない…とも思います。
というのも、通勤時間に電車に乗る人というのは基本的に健康で働きに出ている人が多いんです。
日中は、そうとは限りませんでした。
営業などで日中に電車に乗って見たら、高齢の方や障がいのある方、怪我をされた方など様々な方が電車に乗っていました。
高齢者、病人、けが人、障がい者、妊婦の中で誰が一番優先されるべきか?
正直誰にも答えられない問いのような気がします。
できればみんな座りたい。座らせてあげたい。
日中電車に乗り、周りに杖をついた方や高齢の方がたくさんいた時などは「自分はまだ元気だから…」と思ってそっとマタニティマークを隠したこともありました。
いろいろと書いてきましたが、私はマタニティマークは不要だとは思いません。
しかし、家族や友達に妊婦さんがいないと「妊娠初期の方が流産の危険性が高い」「だから無理しちゃいけない」という認識がなく、どうしてもマタニティマークが正しく機能しないようにも思います。
日本の教育の中では多分その情報に触れる機会がほとんどないので、実際に私も妊娠するまでは知りませんでした。
ただ、それが理解されないと、もともと想定されている「妊娠初期の妊婦の保護」というのはマタニティマークだけではできないとも思います。
そういえば、席を譲ってくれた方を思い出してみると、同年代や少し年配の方が多かったように思います。
家族や友達に妊婦さんがいて、その情報を知っていたから譲ってくれたんじゃないかなと思います。
「妊娠初期の方が流産の危険性が高い」「だから無理しちゃいけない」この2点が広まって、安心して妊娠生活が送れるようになるといいなと願っています。