「助かります」は正しい敬語?意味とビジネスでの使い方を紹介!

注意|上から目線に感じられることもある


すでに説明したとおり「助かります」は「助かる」に丁寧語の「ます」が付いているため、正しい敬語です。

そして、友人や同僚、目下の人に対して使うのは問題ありませんが、お願いするときや感謝するときには目上の人に使うべきではないことも理解していただけましたよね?

「助かります」を目上の人に使うべきでない理由は「助かる」という言葉に主従関係のニュアンスが含まれているからです。

例えば、上司に「プレゼン資料が完成しましたので、お手すきの際に確認していただけると助かります。」とお願いしたとしましょう。

これは「私は上司が資料を確認してくれると助かる」という意味になり、「上司が私のために確認すると私は助かる」に言い換えることがでます。

このように「助かる」と使うと、自分が主、相手を従としてしまうのです。

上から目線は相手を不快にさせ、今後の人間関係に影響を及ぼしかねません。

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「助かります」の代わりに使える言い回し

目上の方や上司に対してお願いすることやお礼を言う場面はよくありますよね。

「助かります」を使いたいけれど失礼になってしまうと感じたときには、別の言い回しを使いましょう。

ここでは、 「助かります」とお願いやお礼を伝えるときの、言い換え表現を3つ紹介します。

「幸いです」

「幸いです」は「そのようにしてくれると嬉しいです」「ありがたいです」という意味をもちます。特にビジネスでは重宝される言葉で、目上の人に依頼をする際に、「してもらえると嬉しいです」という印象を与えることができます。

また、語尾に「です」が付いた丁寧語であることから目上の方へも使える言葉です。

「幸いです」の類語には「幸甚です」もあります。

「幸甚」とは「非常に幸いなこと」という意味で、「幸いです」よりも改まった表現であることから、かしこまった場面での発言やビジネスメールで使うことができます。

例えば、顧客や目上の方に対して「連絡して頂けたら嬉しいです」を伝えたい場合は、「お忙しい中恐れ入りますが、ご連絡いただければ幸甚です」と表現することができます。

「お願いできますでしょうか」

実は「お願いできますでしょうか」は二重敬語です。

「お願いできます」の「ます」と「でしょうか」の「です」という二つの丁寧語が混ざった重複表現です。そのため、文法上は誤った表現ということになります。

しかしながら、多くの方にとって自然な日本語として受け入れられているのも事実。

そのため、実社会では容認される傾向にあるため、ビジネスの場で「助かります」の代わりに使ったとしても大きな誤りではないので安心してください。

「していただけますでしょうか」

「していただけますでしょうか」という言葉をビジネスではよく耳にしますが、この「いただけますでしょうか」も二重敬語です。

丁寧語である「ます」と「です」を二重で使用しているのです。

相手へ配慮する心から、「いただけますでしょうか」といった通常の敬語よりもへりくだった言い方が生まれたと考えられており、厳密には敬語としては間違いですが、「助かります」の言い換えとして使うことは一般的には問題ありません。

ただし、敬語に神経質な人の場合、間違った敬語は良い印象を与えません。そのため「していただけますでしょうか」よりも「幸いです」の方が目上の方には確実かもしれません。