エクセル(Excel)では、棒グラフや円グラフといったグラフを簡単に作成できます。エクセルにはさまざまなグラフが用意されており、用途やデータ量によって、最適なグラフを選べるのが特徴です。

この記事では、エクセルで折れ線グラフを作成する方法を解説します。記事の後半では、棒グラフとの使い分け方や、各グラフの特徴についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

エクセルの折れ線グラフの作り方と編集方法

折れ線グラフとは、名前の通り線が折れるようにデータを表示して、時系列に沿った変化をわかりやすく表現するグラフです。

データさえあれば、簡単に折れ線グラフを作成して、色やサイズなどを編集して好みのデザインに仕上げられます。ここでは、棒グラフの作り方と編集方法について解説します。エクセルで実際に折れ線グラフを作成する手順の画像も挟んでいるので、ぜひ参考にしながら折れ線グラフを作成してみてください。

円グラフの作成方法

エクセルで折れ線グラフを作成する方法は非常に簡単で、ほんの数秒で作成できます。まずは、折れ線グラフのもとになるデータを選択しましょう。ここではB2セルからD9セルが該当します。

次に、「挿入」タブにある折れ線グラフのマークをクリックすると、「2-D折れ線」という選択肢が真っ先に表示されるので、そちらをクリックします。この「2-D折れ線」は、最もシンプルで使いやすい折れ線グラフです。

下記のようにリンゴの出荷数と、ブドウの出荷数が折れ線グラフとして表示されました。全体的な増減の傾向がわかりやすいのが特徴です。、

折れ線グラフの種類

折れ線グラフには折れ線、積み上げ折れ線、100%積み上げ折れ線、マーカー付き折れ線、マーカー付き積み上げ折れ線、マーカー付き 100% 積み上げ縦棒、3-D折れ線の7種類がありますそれぞれの特徴を下記にまとめたので、参考にしてください。

棒グラフの種類特徴折れ線最もスタンダードな形。データの推移を見る際に使う。積み上げ折れ線各項目を縦に並べて表示する。面グラフの方がわかりやすいため、あまり使われない。100%積み上げ折れ線各項目の内訳の割合を縦に並べて表示する。全て100%表示されるため、値は比較できない。面グラフの方がわかりやすいため、あまり使われない。マーカー付き折れ線横軸と縦軸がクロスする地点に1つずつマーカーが付く。マーカー付き積み上げ折れ線横軸1つ1つにマーカー付きで、各項目を縦に並べて表示する。面グラフの方がわかりやすいため、あまり使われない。マーカー付き 100% 積み上げ縦棒横軸1つ1つにマーカー付きで、各項目を縦に並べて割合を表示する。面グラフの方がわかりやすいため、あまり使われない。3-D折れ線折れ線グラフを立体的に表示したもの。視認性は良くないため、基本的には2-Dを使う。

折れ線

折れ線グラフは、最もスタンダードな形です。横軸には時系列が来ることが多く、年月ごとのデータの推移を比較する際によく使われます。複数のデータの推移を比較できることから、主要10カ国のGDPの推移といったデータを表す際に見たことがあるかもしれません。

積み上げ折れ線

積み上げ折れ線グラフは、要素を積み上げて総数の変化を比較する際に使われます。しかし、面グラフの方が見やすいため、積み上げ折れ線グラフを使う機会はそこまでありません。

100%積み上げ折れ線

積み上げ折れ線グラフがデータの総数の推移を比較するのに対し、100%表示で割合の推移を比較するものです。しかし、こちらも同様、面グラフの方が見やすいため、100%積み上げ折れ線グラフを使う機会はそこまでありません。

マーカー付き折れ線

マーカー付き折れ線は、折れ線グラフに、横軸との交点(マーカー)を付けたものです。通常の折れ線が増減の推移や傾向を表現するのに対し、マーカー付き折れ線グラフは、特定のタイミングでの数値比較に優れています。「2019年にリンゴの出荷数をブドウの出荷数が上回った」など、特筆すべき事象を捉える際に役立ちます。

マーカー付き積み上げ折れ線

こちらは、積み上げ折れ線にマーカーを付けたものです。ただし、マーカーを付けても視認性は面グラフの方が優れているため、あまり使われることはありません。

マーカー付き100%積み上げ折れ線

こちらは、100%積み上げ折れ線にマーカーを付けたものです。こちらもマーカーを付けたところで視認性は面グラフの方が優れているため、あまり使われることはありません。

3-D折れ線

3-D折れ線は、折れ線グラフを立体的に表示したものです。ただ、折れ線は立体的に表示したところで視認性が向上するものではないので、基本的には通常の折れ線グラフが使われます。

棒グラフと折れ線グラフの使い分け

実は折れ線グラフを作成した時のデータで、棒グラフも作成できてしまいます。では、どのように使い分けるべきなのでしょうか?

数値を細かく見たい場合は棒グラフ

棒グラフは、各項目の数値を細かく分析したい場合に有効です。例えば、2019年のリンゴの出荷数は昨年に比べて約10万個減少している。一方、ブドウの出荷数は2019年と前年を比べると約5万個増加しており、両社の違いはどこにあるのか、といった詳細な分析が可能です。

傾向や単純な比較をしたい場合は折れ線グラフ

折れ線グラフは右肩上がりで増加傾向にあるのか、変化が少ない横ばいの状態にあるのか、下降気味の右下がり状態にあるのかといった、傾向を把握する際に有効です。

折れ線グラフの目盛を変更する

上記の表は、折れ線グラフを作成するボタンを押して自動作成されたものです。縦軸の目盛が5万ずつ振られており、もう少し間隔を空けたいと感じるかもしれません。

そのような場合は、縦軸を右クリックして、「軸の書式設定」→「軸のオプション」を選択した先に出てくる「単位」の”主”を変更してみましょう。ここでは、100000から50000にしてみます。

5万刻みの目盛から10万刻みにしたことで、余白が生まれて視認性が良くなりました。

折れ線グラフの色を変更する

エクセルのグラフ機能は、データに基づいて自動で作成してくれる点はメリットなのですが、色を勝手に決められてしまいます。デフォルトでは、リンゴが青色、ブドウがオレンジ色の線で表現されます。そこで、色を変えてみましょう。

どこでも良いので折れ線を右クリックしてみると、「データ系列の書式設定」が開くので、「線(単色)」という項目にある「色」を自由に変えてみましょう。ここでは、それぞれのイメージカラーになぞらえて、リンゴを赤色、ブドウを紫色に変えてみました。

ちなみに、線の一部の色だけを変えることもできます。線の任意の部分をゆっくり2回クリックすると、1カ所の点だけを選択するようになります。その状態で「右クリック」→「データ要素の書式設定」と進み、色を選ぶと、線の一部だけ色を変更可能です。

折れ線グラフのフォントを変更する

グラフエリアのフォント色や大きさは、自由に変えられます。デフォルトの折れ線グラフでは、横軸の項目(年)が小さく見づらいので、フォントサイズを大きくしてみましょう。

どこでも良いので年月を右クリックして「フォント」を選ぶと、フォントのポップアップメニューが表示されます。フォントサイズを9から11に変えて、フォント色をグレーから黒に変更してみると、下記のようになります。

横軸の項目が見やすくなりました。グラフタイトルも同様に文字色やフォントを変更し、枠線を付けてみると、下記のようになりました。

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よく使うグラフの種類と特徴

エクセルには折れ線グラフ以外にも、棒グラフ、円グラフといったさまざまなグラフがあります。ただし、選ぶべきグラフを間違えてしまうと、データの主張するべき部分を思った通りにできない可能性があるため、注意が必要です。

ここでは、エクセルでよく使われるグラフの種類と、それぞれの特徴を解説します。

折れ線グラフ

折れ線グラフは、時系列(横軸)に沿って縦軸のデータがどのように変化したのかを比較する際に使われるグラフです。例えば、人口や出荷数、平均気温など、あらゆる変化を視覚的にわかりやすく表現できます。

棒グラフ

棒グラフは、データの大小を比較する際に使われるグラフです。都道府県ごとの人口や商品の生産数、部署ごとの売上など、さまざまな場面で使われるため、多くの方に馴染みのあるグラフです。上記の章で説明したように、棒グラフと折れ線グラフは似通った性質を持っており、傾向を把握したい場合は折れ線、データの詳細を分析したい場合は棒グラフ、といったように使い分けましょう。

円グラフ

円グラフは、割合や構成比率を比較する際に使うグラフです。あくまで割合を示すグラフなので数値の大小は比べられませんが、アンケートの結果をまとめたり、人口比率、市場のシェア率など、全体に対して各項目がどのくらいの割合を占めているのかを比較する際に多く使われます。各項目の数値の大小を比較する場合は、棒グラフがおすすめです。

積み上げ棒グラフ

積み上げ棒グラフは、棒グラフの1種で、棒グラフを縦に積み重ねて、1本で項目の割合を表現したものです。その他にも、積み上げ棒グラフは収支の内訳といったものを表す際に使われるグラフです。

積み上げ棒グラフは円グラフと同じく、割合をわかりやすく表現できるグラフです。積み上げ棒グラフは、1本のグラフを使うことによって、複数事業部の過去と現在の収支内訳の比較といったことがグラフエリア内でできます。割合のみを見るなら円グラフ、複数の項目の割合を比較する際は、積み上げ棒グラフという風に使い分けましょう。

面グラフ

面グラフは、各データと総量の変遷を比較できるグラフです。上記の表では、時系列に沿ってトウモロコシと綿花と肉牛の生産量がどのように変化したのかを示しています。トウモロコシと肉牛が増加傾向にあり、綿花は減少傾向にあることが一目でわかります。

どのグラフを選ぶか迷ったら

上記で紹介したグラフ以外にも、エクセルには「散布図」や「レーダーチャート」「ツリーマップ」「ウォーターフォール」といったグラフがあるので、扱うデータによっては、どのグラフを使うべきなのか悩んでしまいますよね。そのような場合は、「挿入」タブにある「おすすめグラフ」をクリックしてみることをおすすめします。

上記の図のように、選択したデータに基づくおすすめのグラフがエクセルから提案されます。基本的には、1番上に表示されるグラフが最もおすすめです。おすすめグラフを見てみたが適切ではないと判断した場合は、おすすめグラフを上下にスクロールして他のグラフを確認してみたり、タブを「すべてのグラフ」に変更して、最適なグラフを探すといった対処法があります。