アラサー男女悶絶必死! もはやこじらせ耐久レースな「こっち向いてよ向井くん」

比較的豊作揃いな2023夏ドラマの中でも際立って、アラサー男女の胸を鷲掴みにしている作品が「こっち向いてよ向井くん」です。雰囲気良し・性格良し・仕事もできる“いい男”な向井くん(赤楚衛二)。にもかかわらず、33歳にして実家住み、そして10年間彼女がいないという残念な一面も。わかりやすくこじらせている向井くんと、次々と現れるクセ強めの女性陣が織りなすストーリーは「これぞ令和の恋愛ドラマ!」とSNSでも共感を呼んでいます。

共感しか生まれない! 今を生きるリアルすぎる登場人物たち

まず、向井くんがこじらせている理由の1つに、10年前に別れた元カノ・美和子(生田絵梨花)への未練があります。が、これはおそらく向井くんだけの原因ではありません。とにかく、向井くんの周りに現れる女たちのクセが強いんです。

向井くんの会社に入社した派遣社員・中谷真由(田辺桃子)は匂わせ女、義弟・元気(岡山天音)が営むバーのアルバイト・羽鳥アン(久間田琳加)はあざと女、過去に一度身体の関係を持ったことがある女性・原チカ(藤間爽子)は婚活命女……そりゃ向井くんもトラウマになるわけです。

キャラクターは違えど、これは完全に令和版『モテキ』。私たちの身近にいそうな向井くんはもちろんのこと、本ドラマで描かれる女たちのリアルが凄まじいんです。

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結婚にしか目がない女・原チカ

なかでも第3、4話に登場した婚活女・原チカの突破力は圧巻。数年ぶりに連絡してきたデートであっさり1軒目で解散。あれはなんだったんだろうと向井くんに思わせておいて、ほどなくして2回目のデートのお誘いが。そこで彼女は驚くべき提案をします。

「私と結婚に向かってみるって……どうでしょう?」

いやいや、いくらなんでも急すぎる。10年来の友人ならまだしも、過去に一度会って関係を持って、それっきりという間柄。それでまた身体の関係から……ならまだしも、いきなり結婚って。

でも、だからこそチカの中では最適解だったのかもしれません。職場と家の往復で出会いなんてない、マッチングアプリなんてあてにならない、友達の紹介もなんだか気が引ける。そうなると、頼みの綱となるのは過去に出会った人。LINEのトーク画面をスクロールしまくり、向井くんにピンとくるのも納得です。

相手はいないけど、結婚はしたいーーそんな思いが先行し、相手のことを知る前に、二言目には結婚・結婚・結婚。彼女が登場した2話は、画面を直視していられないほどに痛かったです。

でもそれは、彼女の気持ちがわかるからこその図星なのかもしれません。あんなにも結婚に対して割り切れるって、潔くて清々しく、ちょっと羨ましい気もしてしまいます。