取引先や目上の方とメールのやりとりを行う際、「ご返信ありがとうございます」と言うフレーズを使ったことはありますか?何気なく使っているあなたも、ふとした瞬間に「この表現って正しい敬語なのかな」と疑問に思ったことありませんか?この記事では「ご返信ありがとうございます」の正しい使い方、言い換え表現を解説しています。
「ご返信ありがとうございます」は正しい表現?
「ご返信ありがとうございます」は正しい表現なのかと聞かれると、答えはケースバイケースです。”返信”に”ご”を付与して丁寧語にしているので十分敬意を含んでいます。返信してくれた相手に対して感謝の念を送るという意味では「ご返信ありがとうございます」という表現で間違ってはいませんが、カジュアルに捉えられてしまうんですよね。なので歳、役職の離れた方や取引先の方などに「返信ありがとうございます」という際にはさらに丁寧な表現をするべきなのです。
「ご返信ありがとうございます」の正しい使い方
大前提として”ご返信ありがとうございます”というフレーズを使う際は、相手からの返事が来てすぐにメールを出すべきです。でなければ相手に伝わるはずの感謝の気持ちが薄まってしまいます。目安としては「相手の営業時間内」です。もしも都合が悪く厳しい場合はメール受信から24時間以内が理想ですね。休日をまたいでしまう場合は、相手方の会社の翌営業日の午前中には返事をしましょう。
また「ご返信ありがとうございます」をさらに丁寧な言い回しにしたいのであれば下記の語句を追加しましょう。
”頂き”
”ご返信”と”ありがとうございます”の間に「頂く」という語句を挟んで、「ご返信頂きありがとうございます」とすることで、より丁寧な表現になります。上司や会社の先輩など目上の人にはこの表現を使うのがおすすめです。
”賜り(たまわる)”
”頂き”の他には”賜る(たまわる)”という表現を使うことで最上級の敬語表現にすることができます。また、ありがとうございますの前に”誠に”という語句を追加することでさらに敬意の度合いを高めることができます。文章にすると以下のようになります。
「ご返信を賜り、誠にありがとうございます」
この表現であれば取引先や会社の役員など、丁寧な対応が求められる場合に適しています。
「ご返信ありがとうございます」の例文
ここからは「ご返信ありがとうございます」の使用例を紹介します。
例文①ご返信ありがとうございます。
例文②ご返信いただきありがとうございました。
例文③ご返信感謝いたします。
上記で解説したように、目上の方に敬意を示す必要があるならば、「ご返信を賜り誠にありがとうございます」などの表現に言い換えることでより丁寧な表現になります。
返信を待つ際の例文
ビジネスの場でメールや手紙のやりとりをしていると、時に返信を催促しなければならないケースもあるでしょう。そんな時に使えるフレーズを紹介します。
例文①ご返信お待ち申し上げます。
例文②ご返信いただけますでしょうか?
例文③ご返信いただければ幸いです。
ここで重要なのが「相手を急かさないこと」です。「そんなこと言われたってこっちも時間がないんだ」と思うかもしれませんが、一度印象を悪くしてしまうとその後の関係に響いてしまいます。どうすれば良いのかというとクッション言葉の利用です。早いうちに返信が欲しい場合は、「恐れ入りますが」「お手数ですが」という申し訳ない気持ちを込めた言葉を付け加えることで相手からの印象がまるで変わります。
返信不要のときの例文
ビジネスの世界には「タイムイズマネー」という言葉があるように、時間というコストはいつの時代も重要性の高いものです。メールや手紙のやりとりをしていると、「いつ終われば良いのだろう」「これは返信返すべきなのか」悩んだことがあるのではないでしょうか?返信不要の旨を記すことで自分と相手、お互いの時間が効率的に使われます。そこで返信は要らないというメッセージを伝える際の例文を紹介します。
例文①ご返信はお気遣いなく。
例文②ご返信には及びません。
例文③ご返信はいただかなくても差し支えありません。
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「ご返信ありがとうございます」の注意点
ここからは「ご返信ありがとうございます」を使う際の注意点について解説していきます。これらの注意点を知らずに使っていると「この人は間違った日本語の使い方をしているな」と思われてしまいますので、ぜひ最後まで見てみてください。
どういう時に過去形にする?
メールや手紙のやりとりをしている際、語尾を過去形の”ありがとうございました”にするか迷ったことはありませんか?「ご返信頂きありがとうございます」と「ご返信頂きありがとうございました」とするかどうか迷ったことはないでしょうか。基本的に、過去の出来事に対しては過去形”ありがとうございました”を、その他の場合は現在形”ありがとうございます”を使えば問題ありません。
「ご返送」は誤用
「ご返信ありがとうございます」という言い換えに”ご返送”を使用することはできません。”返送”という言葉は「書類や文書などを送り返してほしい時」に使いますので返信という意味で使うには適していません。
自分の返信が遅れた時
記事冒頭で述べましたが、「返信ありがとうございました」と伝えたければすぐにメールを返すべきです。もしも自分の返信が遅れた場合は「返信が遅れてしまい申し訳ございません」と謝罪の一文をメール冒頭に加えましょう。
自分から返信することを伝える時
相手から返信がきて今度は自分が返信しなければいけない。しかし時間がなくてメールを返す時間がない。そんな時はどうすればよいのでしょうか?
こういう時はまず相手にメールを確認したことを伝えるべきです。後から返信しようと先延ばしにしてしまうと、メールを送った相手は「ちゃんと届いているだろうか」「読んでくれたのだろうか」と悩んでしまいます。ですので「ご返信頂きありがとうございます。承知いたしました。〇〇の件に関しては後ほどご連絡いたします。以上、よろしくお願いいたします。」などの確認済みを知らせるメールを送りましょう。
返信不要の時の対応
自分のメールだけで終わらせたい場合、相手が返信してくれたことに対するお礼のみの場合、「返信は不要です」という旨を伝えましょう。相手が返信するか返信しなくて良いのか迷わなように、キッパリとした断りの文章を文末に書き加えましょう。返信不要の旨を伝えることで、相手に返信する手間をかけさせずに済むのです。返信不要の旨を伝えるのであれば以下の表現が適切です。
「ご返信はお気遣いなく」
「ご返信はいただかなくても差し支えありません」
返信不要の旨を伝える際は丁寧な表現を心がけましょう。例えば「返信不要」だけでは受け手が「これ以上返信しないでくれ」と拒絶されているように感じてしまいます。
上記の通り丁寧な言い回しを心がけましょう。
「ご返信ありがとうございます」を使う相手に注意
関係性の近い先輩であれば「ご返信ありがとうございます」で大丈夫ですが、使う相手によって丁寧にする必要があります。以下の3種類から適切なフレーズを選びましょう。
敬意の度合い低
高ご返信ありがとうございます
ご返信頂きありがとうございます
ご返信受け賜り誠にありがとうございます