【シチュエーション別】「聞く」の謙譲語
詳しい話を聞きたい場合
【例文】
*ご意見をお聞きしたいのですが、お時間をいただけますでしょうか。
*ご用件をお伺いしてよろしいでしょうか。
ビジネスシーンにおいて、 取引先の人や営業に来た人から話を詳しく聞きたい時などに「お聞きする」「お伺う」という言葉を使います。
直接会って話す時だけでなく、電話やビジネスメールでも使うことがあります。
その話をすでに聞いている場合
【例文】
*その件につきましては、◯◯を通じて話を伺っております。
取引先の先方からの話をすでに聞いており、先方に何度も同じ話をする手間を省かせるためにすでに話を聞いていることを伝える場面があります。
そのような時は「伺う」という言葉を使いましょう。しかし、注意が必要です。
自社の人(身内)から話を聞いていた場合は「◯◯を通じて」という言葉を付けましょう。
もし「◯◯から伺っております」と言うと、先方ではなく身内の人に敬意を払うことになってしまうため、気を付けてください。
「◯◯からお聞きしています」という表現も、先方ではなく自社の人(身内)に敬意を示すことになっています。
「◯◯から」という言葉を使う場合は
【例文】その件につきましては、○○から話を聞いております。
が正しい謙譲語の表現です。
講演会を聞き、感想を文面で伝える場合
【例文】
*講演会を拝聴いたしました。
*拝聴させていただきました。
この場合の「拝聴」+「いたす」や「いただく」の表現は二重敬語なのでは?と疑問に思うかもしれませんが、問題ありません。
かえって「拝聴」に「~させてもらう」の謙譲語である「~させていただく」という表現を付けることによって、相手へより一層の敬意を示すことができ、良いのです。
社内での謙譲語の使用法
職場内での謙譲語の使用は、特に日本のビジネスシーンにおいては欠かせません。自分の行動や発言が周囲に与える影響を考え、適切に表現を選ぶことが重要です。たとえば、同僚に対しても、自分の意見を「お伺いします」と前置きすることで、意見の押し付けがなく、円滑なコミュニケーションが期待できます。
社外での謙譲語の適用
社外の人との交流では、謙譲語がさらに重要になります。特に新しい取引先や外部のステークホルダーとの初対面では、信頼関係の構築に謙譲語が効果的です。例として、「お時間を頂戴して、ありがとうございます」や「ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます」といった言い回しは、相手に敬意を示しながらもビジネスの進行を促すことができます。
古文と古語に見る謙譲語の形式
日本語の古文や古語には、現代日本語の謙譲語の起源を見ることができます。歴史的文献や古典を通じて、謙譲語の変遷を学ぶことは、言語の深い理解につながります。これらの古文を分析することで、何故現代の謙譲語がその形をとるのか、その背景にある社会的・文化的要因を理解する手助けとします。このような視点から謙譲語の使用を理解することは、現代における言語の使い方にも影響を与えるため、非常に有意義です。
自分に適した謙譲語の選び方
自分の立場や状況に応じた謙譲語を選ぶことは、相手に対する敬意を示す上で非常に重要です。特に異なる職位や役職にある人々とコミュニケーションを取る際には、相手の立場を尊重し、自分の立場を適切に表現する謙譲語を使うことで、スムーズで建設的な関係を築くことができます。例えば、上司に対してはより尊敬の念を込めた謙譲語を、同僚に対してはやや緩和された謙譲語を使用することが適切です。
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「聞く」の【尊敬語】は「聞かれる」「お聞きになる」
「聞く」+「れる」=「聞かれる」
「れる」「られる」の「尊敬の助動詞」を加えて尊敬表現にします。
また「聞く」の尊敬語は「れる」「られる」の他に、「お~になる」というパターンの尊敬表現もあります。
「~」の中に「動作を表す動詞」を入れると簡単に尊敬表現を作ることができます。
「聞く」の場合は「お」+「聞く」+「になる」=「お聞きになる」になります。
「お聞きになる」は、「聞く」という相手の動作へ敬意を表す「お~になる」という表現を付け加えることによってつくられた尊敬語です。
「聞かれる」より「お聞きになる」の方がより敬意を払った表現になります。
「聞く」の謙譲語に「お聞きする」があり、間違いやすいので十分に注意しましょう。
【例文】田中課長が移動になったことをお聞きになりましたか?